年金受給者でもふるさと納税はできる?始め方と寄付金上限額

年金は雑所得として扱われ、所得税と住民税がかかります。そこで少しでも手取り額を増やすための手段として「ふるさと納税」を活用する方法があります。

今回は年金受給者に向けて、ふるさと納税の仕組みと活用方法についてご紹介します。

目次

  1. ふるさと納税の仕組み
  2. ふるさと納税のメリット
    2-1.地域に貢献できる
    2-2.税金から控除できる
    2-3.お礼の品を受け取ることができる
  3. 年金受給者向けふるさと納税の始め方
    3-1.年金受給者の控除限度額を確認する
    3-2.ふるさと納税サイトを使って寄付する
    3-3.確定申告して税額控除を受ける
  4. まとめ

1 ふるさと納税とは

ふるさと納税には「納税」という言葉が入っていますが、実際には寄付金になります。生まれ育った故郷やお世話になった地域、応援したいと思う地域に対して寄付することで貢献できる制度です。

もともとは、現在住んでいる地域に納める住民税を、他の地域に実質的に移転することで、応援したい地域に貢献できるようにすることを目的として作られました。寄付した金額は寄付金控除という形で自身の所得税や住民税が軽減され、さらに寄付した額に応じてその地域の特産品・名産品などがお礼の品として受け取れるというメリットもあるため、多くの人が活用しています。

2 ふるさと納税のメリット

現在住んでいる地域以外の地域に寄付することで次のようなメリットがあります。

2-1 地域に貢献できる

生まれ育った故郷や昔住んでいた地域など遠く離れた地域に寄付することで、応援したい地域に貢献できます。
また、寄付したお金の使い道を指定することもできます。「学校教育の振興」「少子化対策」「子育て支援」「高齢者福祉」「観光事業支援」「災害復興」など、特に支援したいと考えているものに自分のお金を使ってもらうことで、その地域の課題解決や活性化に役立てることができます。もちろん、使い道を指定せず、その地域に任せることも可能です。

ふるさと納税の制度を利用して寄付することができる地域も1つだけではなく複数の地域に寄付できます。寄付金の一部を生まれ故郷の地域振興に役立て、また、一方で被災した地域の復興のために寄付するといったことも可能になります。

2-2 税金から控除できる

ふるさと納税の制度を利用して寄付した場合、寄付した金額のうち2,000円を超える部分について所得税・住民税から控除することができます。

例えば10,000円を寄付した場合、10,000円-2,000円=8,000円を納税額から差し引くことができます。複数の地域に寄付した場合でも自己負担額の2,000円は変わらないため、2つの地域に5,000円ずつ寄付した場合でも(5,000円+5,000円)-2,000円=8,000円を控除することができます。

なお納税額の控除は確定申告することで受けることができます。ただし、全額がそのまま還付され自分の口座に振り込まれるわけではありません。

例えば上記の例で所得税率が10%(所得金額195万円を超え330万円以下と仮定)の場合、所得税が8,000円×10%=800円還付され口座に振り込まれます。そして、残りの7,200円は翌年の住民税額から控除されるという形になります。

2-3 お礼の品を受け取ることができる

ふるさと納税の返礼品ふるさと納税で寄付をすると、その地域の特産品や名産品などのお礼の品を受け取ることができます。お礼の品を送る側となる自治体では、お礼の品を通じてその地域の名産品などを全国の人たちに知ってもらえる機会にもなります。

お礼の品にはお米や野菜、肉類、魚介類といったその地域の名産品から、宿泊券や食事券のような観光地特有のもの、さらには楽器や家電のようなその地域の企業が協賛しているものまで幅広く用意されています。
さきほど「寄付した金額のうち2,000円を超える部分」が税金から控除できると説明しましたが、逆に言うと2,000円を自己負担するだけで、それ以上の価値があるお礼の品を受け取ることができるのが、寄付者にとって大きな魅力となっています。

3 年金受給者向けふるさと納税の始め方

一般の人や年金受給者がふるさと納税を利用する手順は以下の通りです。

  1. 年金受給者の控除限度額を確認する
  2. ふるさと納税サイトに登録する
  3. ふるさと納税する自治体・お礼の品を選んで寄付する
  4. 寄付した自治体からお礼の品と寄付金受領証明書が届く
  5. 翌年の3月15日までに確定申告して税額控除を受ける

ここでは、ふるさと納税の手順について詳しくご紹介します。

3-1 年金受給者の控除限度額を確認する

ふるさと納税の制度を有効に活用するためには、ふるさと納税による税金の控除限度額を確認する必要があります。限度額を超えて寄付することもできますが、その場合には限度額を超えた部分の金額については、税額控除の対象にならないため注意が必要です。

寄付金の上限額は課税所得金額によって変わります。年金受給者の寄付金上限額の目安は以下の通りです。

公的年金収入 65歳未満 65歳以上
独身 配偶者が
控除対象
独身 配偶者が
控除対象
150万円 11,000円 3,000円 0円 0円
200万円 20,000円 11,000円 12,000円 4,000円
250万円 28,000円 20,000円 24,000円 15,000円
300万円 37,000円 29,000円 36,000円 27,000円
350万円 46,000円 38,000円 46,000円 38,000円
400万円 58,000円 47,000円 58,000円 47,000円
450万円 69,000円 61,000円 69,000円 61,000円
500万円 79,000円 71,000円 79,000円 71,000円

また、具体的な寄付金上限額は次の計算式から求めることができます。

課税所得金額 寄付金上限額
~195万円以下 住民税所得割額×23.559%+2,000円
195万円超~330万円以下 住民税所得割額×25.066%+2,000円
330万円超~695万円以下 住民税所得割額×28.744%+2,000円
695万円超~900万円以下 住民税所得割額×30.068%+2,000円
900万円超~1,800万円以下 住民税所得割額×35.520%+2,000円
1,800万円超~4,000万円以下 住民税所得割額×40.683%+2,000円
4,000万円超 住民税所得割額×45.398%+2,000円

※住民税所得割額=課税所得金額×10%

なお、上記表の計算式では社会保険料控除や生命保険料控除、医療費控除、住宅ローン控除などの税額控除は考慮していないため、参考程度にご活用ください。

3-2 ふるさと納税サイトを使って寄付する

実際にふるさと納税をするには、自治体に直接寄付することもできますが、全国の情報がまとめられたふるさと納税サイトを利用するのが一般的です。まずは、以下でご紹介する「さとふる」や「ふるなび」のような大手ポータルサイトの利用を検討してみると良いでしょう。

さとふる

さとふる
テレビCMでもおなじみの「さとふる」は、初めて利用する方でも分かりやすい作り・デザインになっているのが特徴です。

また、さとふるでは、寄付金の決済を振り込み、クレジット決済に加え、ドコモ、au、ソフトバンクの携帯料金をまとめて支払うこともできます。

ふるなび

ふるなびふるなびは、東証1部上場企業の株式会社アイモバイルが運営するふるさと納税の専門サイトで、お礼品は3万件超、登録自治体数は200超となっています。(数値は2018年9月調査時点)

お礼品は国産和牛やカニ・いくらなどの人気の食材はもちろん、旅行ギフト券やアイスクリームのギフト券、体験型のお礼品(陶芸体験、バードウォッチング、パラグライダーなど)なども用意されているため、「食材以外のお礼品も見てみたい」という方にもおすすめです。

サイト内に控除上限額シミュレーターがあるため、「まずは、いくら利用できるのか知りたい」「利用可能額を計算するのが面倒くさい」という方も使いやすくなっています。

会員登録をすると、登録済みの情報が自動的に入力されて寄附が簡単になることに加えて、マイページで寄附履歴などが確認できるので安心です。また、クレジット決済など、一定条件を満たすと寄附金額に応じたAmazonギフト券ポイントのプレゼントや、お役立ち情報をメールで受け取ることができるなど複数のメリットがあります。

3-3 確定申告して税額控除を受ける

ふるさと納税の制度を利用して寄付をすると、寄付をした自治体からお礼の品と寄付金受領証明書が送られてきます。なお、自治体によってはお礼の品と寄付金受領証明書が別々に届くこともあります。
寄付金受領証明書は、確定申告する際に使用するため大切に保管しましょう。

確定申告の方法はインターネットを利用して電子申告する方法と、確定申告書を作成して税務署に提出する方法の2つがあります。

インターネットで電子申告する

インターネットを利用する場合には「e-Tax」と呼ばれる国税電子申告システムを利用します。入力する項目にそれぞれ説明があり、指示通りに入力するだけで確定申告ができるようになっています。普段からインターネットを使い慣れている方に向いている申告方法です。

確定申告書を作成して税務署に提出する

もう1つの方法は、確定申告書に必要な事項を記載して、税務署に直接提出、もしくは郵送する方法です。

確定申告が初めてで、確定申告書の書き方が分からない場合は、税務署や自治体が主催している無料相談会を利用しましょう。公的年金の源泉徴収票と寄付金受領証明書、必要に応じて生命保険料などの支払証明書等を持っていけば、税理士が確定申告書の書き方を丁寧に教えてくれます。

4 まとめ

ふるさと納税の手続きは一見難しそうなイメージがありますが、実際はとても簡単です。ふるさと納税の限度額については、総務省のウェブサイトで年収や家族構成別にシミュレーションできるようになっています。年金受給者の方は上記控除限度額の表を活用してふるさと納税にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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HEDGE GUIDE 編集部 ふるさと納税チーム

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