暗号資産デリバティブ取引所大手BitMEXが、事業収益の一部をカーボンオフセットに取り組む団体へ寄付する方針を5月21日に発表した。
BitMEXはカーボンニュートラルになることで、マイニングなどから排出される二酸化炭素の削減に貢献していくとしている。最初のステップとして、顧客が支払うブロックチェーン料金(主にブロックチェーンを稼働させる際に必要な電力など)1ドルごとに、少なくとも0.0026ドルを寄付するという。
これにより、間接的にではあるが自社の事業によって排出される二酸化炭素の相殺に取り組むことができる。寄付先や提携先については調査中であるとし、今後詳細を明らかにすることを約束している。
BitMEXと同じタイミングで、デリバティブ取引所FTXもカーボンニュートラルの計画を発表した。BitMEXと同じくブロックチェーン料金1ドルごとに0.0026ドルを寄付するとしている。
FTXによると、事業を行うためのブロックチェーン使用料は1年間で約6,000万ドルになるという。そのため、カーボンオフセットへの寄付額は約15万ドルなる見込みだ。なお、見積もりの不確実性をカバーするために、追加で100万ドルを寄付する方針も決定しているという。
ビットコインをはじめとする暗号資産のマイニングには、無駄な電力が必要だとして度々批判の的となっている。5月13日には、米テスラのCEOであるElon Musk氏が、環境負荷を理由にテスラで導入する予定だったビットコイン決済の中止を発表していた。
ケンブリッジ大学によると、現在ビットコインネットワークにおける39%が再生可能エネルギーを使用しているという。残りの61%によって行われるマイニングから排出される二酸化炭素の量は、600億ポンドを超える石炭の燃焼、年間900万世帯の平均電力消費量、一般家庭の乗用車の走行距離1,380億マイル(地球から冥王星までの距離は46億マイル)などによって排出される二酸化炭素の量に相当するとのことだ。
こういったデータが相次いで発表されると、多くのマイニング企業が再生可能エネルギーへの移行を発表する状況となっており、マイニング企業以外の事業者もこれに続く傾向が出てきている。
【参照記事】BitMEX Commits to Carbon Neutrality
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