WeWork創業者アダム・ニューマンが手掛けるブロックチェーン×カーボンクレジット「Flowcarbon」とは?

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目次

  1. Flowcarbonとは?
  2. Flowcarbonの仕組みは?
  3. 大切な流動性の提供

Flowcarbonとは?

「Flowcarbon」は、炭素市場に存在するカーボンクレジットをオンチェーン上に載せ、透明性と流動性を提供するプラットフォームです。簡単に言えば「カーボンクレジットをトークン化して売買できるプラットフォーム」です。

Flowcarbonのライトペーパーによれば、これまでのカーボンクレジット市場は2021年までの累計で約$1B(約1,000億円)で、前年同期比+100%で成長している市場です。そして、2021年10月から始まったブロックチェーン上での排出権取引はまだ数ヶ月しか経っていないにも関わらず、既に取引額が約$2B(約2,000億円)を超えており、カーボンクレジット単価は10倍以上になっています。

このように、ここ数年間で急激な盛り上がりを見せるカーボンクレジット市場において、市場の非効率性や透明性や流動性の欠如を解決する存在としてブロックチェーンが注目され、カーボンクレジットをNFTやトークンとして売買できるプラットフォームが次々と出現しています。

「Flowcarbon」もそれらのプロジェクトと同様にカーボンクレジット×ブロックチェーンを標榜しているプロジェクトですが、その中でも一際大きな注目を集めています。その理由はファウンダーとすでに巨額の資金調達を完了させている点にあります。「Flowcarbon」はWeWork創業者のアダム・ニューマン氏が設立し、Andreessen Horowitz の暗号資産部門 (a16z crypto)から7,000万ドルの資金調達を完了させています。

WeWorkで世界中から注目を浴び、スタートアップの光と闇を経験した起業家が次なる舞台として選んだのがカーボンクレジット×ブロックチェーン業界でした。

それでは、より詳しい仕組みを見ていきます。

Flowcarbonの仕組みは?

FlowcarbonはCeloブロックチェーン上に構築されており、あらゆるプロジェクトのカーボンクレジットをオンチェーン上に載せます。具体的には「GCO2」と呼ばれるトークンを発行します。GCO2の1トークンは大気中1トンの二酸化炭素相当量の削減または除去を表す1カーボンクレジットと1対1で紐付けられています。

カーボンクレジット市場では、VCM(Verified Carbon Methodology)と呼ばれる基準が存在します。これは特定のプロジェクトや活動によって削減された温室効果ガス排出量の削減量を測定し、検証するための手法や基準を意味します。要するに、特定のプロジェクトがカーボンクレジットを発行するための基準のようなイメージです。企業や個人がカーボンクレジットを購入する際、そのカーボンクレジットが本当に信頼に足るものなのかを表明する必要がありますが、VCMによる基準をクリアしていることで、信頼感が増します。

Flowcarbonによって発行されるカーボンクレジットは基本的にこのVCM基準をクリアしたプロジェクトなので、GCO2トークンを安心して購入することができます。また、さらにトークンの流動性を追加するためにGCO2トークンをバンドルしたバンドルトークンの発行もしています。

GCO2トークンホルダーはFlowcarbon dAppにアクセスすることで、バンドルされたトークンを発行することが可能となります。

そして、Flowcarbonにおける初めてのバンドルトークンとして「Goddess Nature Token(GNT)」が発行され、トークンセールとして売りに出されました。a16z cryptoが主導した7,000万ドルの資金調達は3,200万ドルがVCより、3,800万ドルがこのトークンセールによるものとのことです。

整理すると、Flowcarbonができることは以下のようになります。

  • VCMのような基準をクリアしたカーボンクレジットをトークン化する
  • 大気中1トンの二酸化炭素相当量の削減または除去を表す1カーボンクレジットと1GCO2トークンが連動している
  • GCO2トークンをバンドル化することが可能

総じて、流動性と透明性の低い既存のカーボンクレジットの売買市場を効率化します。具体的には、今までカーボンクレジットの売買にかかっていた30%の手数料を2%まで削減することが可能となりました。

大切な流動性の提供

Flowcarbonはブロックチェーン導入の理由とトークン化する意義について、透明性の確保と共に「流動性の提供」という言葉を頻繁に利用しています。この「流動性」というのは非常に重要な概念であり、流動性の高い資産ほど価格がつきやすい傾向があります。

流動性が高いとは売りやすいことを意味します。例えば、グッチやルイヴィトンなどの高級ブランドの靴や服は2次流通のリセール市場が非常に発展しています。高価な買い物ですが、要らなくなった場合にすぐに売りに出すことができます。これが流動性が高いという現象で、流動性が高いことで高価な商品も購入しやすくなり、結果的に産業全体が盛り上がっていきます。

Flowcarbonはこの先も急成長が見込まれているカーボンクレジット業界へブロックチェーンを導入することで高い流動性が提供されると発言しています。そして、それこそが社会貢献になると同時に大きなビジネスチャンスとなります。

下記の図をご覧ください。X軸が「資産の流動性(Liquidity of an asset)」でY軸が「資産の需要」です。例えばアップル株は上場株なので流動性が高く、且つ世界中の投資家が求めているので需要も高い場所に位置しています。一方で戦争リスクのあるロシア政府の債券は流動性も低く、現在の需要はあまり高くありません。

これを繋ぐ位置にあるのがDeFiですが、カーボンクレジット市場は「高い需要がある」のに「流動性の低い」という左上に位置するものでした。

ここはまさに大きなビジネスチャンスが眠っており、そこに流動性の提供さえできればアップル株のように需要も高く流動性の高い強い資産となります。だからこそFlowcarbonはカーボンクレジットをオンチェーンに載せることで流動性の提供を実現するプラットフォームを運営しています。そして、単なる社会貢献事業ではなく、スタートアップビジネスとしての可能性を秘めているからこそ、これだけ巨額の資金調達に成功しています。

この図はFlowcarbonが説明の際に利用していた図ですが、非常にわかりやすい図であると感じます。ブロックチェーンを活用することで新しい市場を開拓するにはこの図の左上に位置する資産を探すことがその近道になるかもしれません。よって、ReFiプロジェクトは、社会貢献で収益化できるというだけの話ではなく、次の時代の主役に躍り出るような大規模なビジネス展開にもできる可能性を秘めていると予想できます。

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