MOSSが推進するカーボンオフセット市場の革新的な取り組みとは?

※ このページには広告・PRが含まれています

今回は、カーボンフットプリントを把握するMOSSについて、について、一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. カーボンフットプリントとは
    1-1.カーボンフットプリントの概要
    1-2.カーボンフットプリントの測定方法
  2. MOSS(Moss Earth)とは
    2-1.MOSSの概要
    2-2.MOSSの取り組み
  3. MOSSが提供するMCO2トークン
    3-1.MCO2トークンの概要
    3-2.カーボン・クレジットとMCO2トークン
    3-3.カーボン・オフセットの証明書を獲得できる
    3-4.「Amazon NFT」を発行している
    3-5.「Moss API」を提供している
  4. カーボンクレジットトークン「MCO2」
    4-1.「MCO2」の概要
    4-2.仮想通貨としてのスペック
    4-3.「MCO2」の特徴
  5. まとめ

近年、地球温暖化問題が深刻化しており、世界中の企業や個人が二酸化炭素(CO2)排出量を削減する取り組みが盛んに行われています。

このような状況の中で、「カーボンフットプリント」を計測できるプロジェクト「MOSS(モス)」が注目されています。カーボンフットプリントとは、CO2排出量を評価する手段の一つです。MOSSはブラジルを拠点とし、気候変動問題への取り組みを行っている団体です。特に、アマゾン地域の森林破壊や土地利用変化に伴う温室効果ガスの排出量の監視に力を入れています。

本記事では、MOSSの概要や特徴、さらにMOSSが発行するMCO2トークンについて詳しく解説していきます。

①カーボンフットプリントとは

1-1. カーボンフットプリントの概要

カーボンフットプリントは、商品やサービスのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスをCO2換算し、分かりやすく表示する仕組みです。原材料調達から廃棄、リサイクルまでの過程が含まれます。温室効果ガスにはCO2のほか、メタンや硝酸化合物が含まれます。

カーボンフットプリントは気候変動対策の重要な指標であり、持続可能な社会を目指す上で役割を果たします。温室効果ガス排出量を把握し、削減目標を設定することで、環境負荷軽減や省エネルギー、企業の社会的責任(CSR)向上などが期待されます。

1-2. カーボンフットプリントの測定方法

カーボンフットプリントを測定する方法は以下の通りです。

  1. 温室効果ガスの排出源を特定する。
  2. 排出量算出に必要なデータを収集する。
  3. 測定期間を決定し、データを集計する。
  4. 測定結果を基に、排出量を算出する。
  5. 測定結果を分析し、削減ポイントを特定する。

カーボンフットプリントは世界中で利用されており、企業や自治体、個人が自己評価を行い、自主的なCO2削減目標を設定できます。カーボンフットプリント低減の政策や取り組みは、循環型社会や低炭素社会実現への一助として注目されています。

2. MOSS(Moss Earth)とは

2-1. MOSSの概要

Moss1
「MOSS(モス)」は、ブラジルを拠点にアマゾン地域の森林破壊や土地利用変化に関連する温室効果ガス排出量を監視する団体です。衛星画像、気象データ、現地情報を統合し、独自のアルゴリズムを使ってアマゾン地域の森林伐採や動植物のモニタリング、土地利用変化のリアルタイム情報を提供しています。これにより、政策立案者や研究者はアマゾン地域の生態系や地球温暖化課題を深く理解し、効果的な戦略を開発できます。MOSSは多くの企業や団体とパートナーシップを結び、アマゾン地域の持続可能な開発を促進しています。

さらに、「MCO2」というカーボンクレジットトークンを発行し、カーボンオフセットを希望する企業や個人がカーボンフットプリントを計算してMCO2を購入し、森林保全や持続可能性への取り組みを進めます。MOSSはブロックチェーン技術を活用し、アマゾン地域の熱帯雨林保護と気候変動問題改善に取り組み、世界中から注目を集めています。

2-2. MOSSの取り組み

MOSSは気候変動のパイオニアとしてブロックチェーン技術を用いたカーボンクレジット取引のリーダー的役割を果たしており、「ブラジルビジネス協議会(CEBDS)」のメンバーとして、アマゾン最大規模の保護プロジェクト開発を行っています。2020年3月以降、MOSSとクライアントは認証・監査済みのプロジェクトで約4,000,000カーボンクレジットを取引し、アマゾンの約6億5,000万本の木を保護できることが報告されています。

このようにMOSSは気候変動のパイオニアとして、最新テクノロジーを活用したカーボンオフセットを推進するだけでなく、環境保全や地域社会の発展にも貢献しています。

3. MOSSが提供するMCO2トークン

3-1. MCO2トークンの概要

MOSSは、衛星画像や気象データ、現地情報を統合し、独自のアルゴリズムを用いてアマゾン地域の森林伐採や土地利用変化に関するリアルタイム情報を提供しています。このデジタル監視、報告、検証(DMRV)により、特定地域のカーボン・クレジット発生の可能性を推定できます。MOSSはこれらのテクノロジーを駆使し、迅速で費用対効果の高いシステムを確立しています。政策立案者や研究者は、アマゾン地域の生態系や地球温暖化課題を深く理解し、効果的で効率的な戦略を開発できます。

3-2. カーボン・クレジットとMCO2トークン

MOSSを利用すると、クライアントは様々なシーンでカーボン・オフセットを実行できます。例えば、ブラジルの航空会社GOL航空と提携し、すべてのルートのCO2排出量を相殺できる「GOL航空旅行オフセット」や、カーボンフットプリントを計算し、日常生活で生成されるCO2排出量を相殺できる「ライフスタイルオフセット」などのサービスが提供されています。MOSSは、さまざまなカーボン・オフセットの機会を提供し、クライアントのニーズに幅広く対応しています。

3-3. カーボン・オフセットの証明書を獲得できる

MOSSでは、カーボン・オフセットを実行した際に証明書を獲得することができます。各クライアントのカーボン・オフセット実行に関するデータを認証し、ブロックチェーン上に記録することで、カーボン・オフセット証明書を発行しています。このブロックチェーン技術を用いた証明書により、クライアントは自身の環境問題への取り組みを信頼性の高い形で証明できるメリットがあります。

3-4. 「Amazon NFT」を発行している

Amazon NFTMOSSは独自のNFT「Amazon NFT」を発行しています。Amazon NFTはカーボン・クレジットの一部をトークン化することを目的とし、ブロックチェーンを通じて作成されるデジタルアセットです。クライアントはAmazon NFTを保有することで、アマゾン地域の一部に対する権利を持ち、森林保護が保証されます。

現在、MOSSとそのクライアントは既に約1億5,200万本の木を保護し、森林伐採を終わらせるための「グリーンウォール」を構築しています。Amazon NFTを活用してグリーンウォールの構築を促進し、森林保全に尽力しています。

3-5.「Moss API」を提供している

MOSSでは独自のAPI「Moss API」を提供しています。Moss APIは、ブロックチェーン技術を活用し、全ての情報に関するトレーサビリティと透明性を保証しています。これにより、クライアントはカーボンフットプリントを容易に把握できる信頼性の高い方法が提供されます。さらに、クライアントは購入した製品やサービスによって生成されたCO2排出量をオフセットすることも可能であり、カーボン・クレジット市場における取引サービスをシンプルで分かりやすい方法で提供しています。

4. カーボンクレジットトークン「MCO2」

前述した通り、MOSSではカーボンクレジットトークン「MCO2」を発行しています。ここでは、MCO2について詳しく解説します。

4-1. 「MCO2」の概要

MCO2
「MCO2」はMOSSが発行するカーボンクレジットトークンです。イーサリアム・ネットワークに準拠した「ERC-20」規格のトークンであり、CO2削減に焦点を当てたクリーンエネルギープロジェクトへの投資を可能にするために設計されています。

MCO2は、2020年に発行がスタートし、「地球温暖化係数(GWP)」を用いたCO2相当量「CO2eq」と1対1の割合で交換できます。企業や個人はカーボンフットプリントを計算し、MCO2を購入してカーボン・オフセットを実行できます。

ブロックチェーン技術によって透明性や信頼性が保たれているMCO2は、セキュリティが高く、グローバルに取引できます。MOSSは、MCO2の発行によって従来複雑で分かりにくかったカーボン・オフセットをより簡潔なシステムに変革し、誰もが気軽に取引できる環境を実現しています。

4-2. 仮想通貨としてのスペック

MCO2の仮想通貨としてのスペックは以下の通りです。

ティッカーシンボル MCO2
価格(2023年3月29日現在) 1.50ドル(196.69円)
時価総額 約428.8万ドル(約5.6億円)
時価総額ランキング 4,293位
循環サプライ 約285.1万
発行上限 データなし

4-3. 「MCO2」の特徴

①グローバルなプラットフォームになることを目指している

MCO2は単なるトークンという製品ではなく、グローバルなプラットフォームになることを目指しています。MOSSはカーボン・クレジットに関連するさまざまなサービスを提供しており、MCO2を軸としたエコシステムを構築することによって、これまで複雑で分かりにくく、参入障壁が比較的高いとされていたカーボン・クレジット市場を変革しています。

②カーボン・クレジットの多重カウントや詐欺を防止できる

カーボン・クレジット市場では、同一の排出削減に由来する複数のクレジット発行や複数の使用といった多重カウントや、実際には認証されていないクレジットを利用した詐欺的な取引などが問題視されてきました。

MCO2は、ブロックチェーン技術を駆使したトークンを導入することによって、各クレジットについてのトレーサビリティがすべてブロックチェーン上に記録される仕組みとなっているため、偽造や改ざんが極めて困難となり、多重カウントを徹底的に防ぐことが可能になります。また、トークンは認証を獲得している真正性の高いクレジットに由来しているため、クライアントは詐欺のリスクを懸念することなく、安心して取引を行うことができます。

③個人が気軽に環境問題に寄与できる

これまでのカーボン・クレジット市場はその仕組みが複雑で分かりにくいことから、企業はまだしも個人にとっては参入障壁が比較的高いとされてきました。しかし、MCO2は取引の軸としてトークンというかたちを提案することで、カーボン・クレジット市場の在り方を根本から覆し、誰もが気軽に環境問題に寄与できるシステムを構築しています。これによって、企業や団体だけでなく一個人も気候変動問題について考え、温室効果ガスの削減に取り組むことができるようになるため、カーボンニュートラルへ向けた動きがさらに進んでいくと期待されています。

④すでに多くの温室効果ガスを削減した実績がある

前述の通り、MOSSはMCO2を活用することによってカーボンニュートラルを推進しており、実際にすでに多くの温室効果ガスを削減した実績があります。具体的には、2023年3月時点で、およそ23万トンにも及ぶCO2を削減しているほか、1億5,200万本もの木を保護しています。このように、MCO2の利便性の高さからカーボン・オフセットの動きはますます進んでおり、環境問題への取り組みはさらに活発化しています。

⑤世界のさまざまな大手仮想通貨取引所に上場している

MCO2は、多くの世界的に有名な大手仮想通貨取引所に上場していることでも知られています。2023年3月29日現在、具体的に以下のような取引所で取り扱いが行われています。

  • Coinbase(コインベース)
  • Gate.io(ゲートアイオー)
  • Gemini(ジェミナイ)
  • Mercado Bitcoin(メルカドビットコイン)
  • Foxbit(フォックスビット)
  • ProBit(プロビット)
  • NovaDAX(ノバダックス)

5. まとめ

MOSSはブロックチェーン技術を駆使することでカーボン・クレジット市場の在り方を変革し、誰もが気軽にカーボンニュートラルへ向けた取り組みを行うことができる環境を提供しています。また、カーボン・クレジットをトークン化し、取引の利便性を大幅に向上させることによって、これまでのカーボン・クレジット市場における課題を解決することに尽力しています。

気候変動問題をはじめとする環境問題が世界的に取り沙汰されている中、このようなプロジェクトが世界で広がっていくことによって、気候変動問題の課題解決に結びつくものが出てくるかもしれません。

The following two tabs change content below.

中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12