メタバースと暗号資産、NFT

メタバースとは、「高次の、超越した」などを意味する「Meta」と、「宇宙」を意味する「Universe」の2つの単語から形成されている言葉で、コンピューターにより作成された現実世界とは異なる3次元仮想空間のことを指します。

近年よく耳にするメタバースですが、この言葉自体は、1992年にNeal Stephenson氏により発表された「スノウ・クラッシュ」という小説の中で初めて使われました。実はメタバースはすでに私たちの生活の中でも身近に存在しています。メタバースとは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、そしてインターネットがセットになったものであり、人気ゲームのFortniteやMine Craft、どうぶつの森などもメタバースの一種にあたります。

皆さんのイメージするメタバースは、2009年に公開されたアニメ映画「サマーウォーズ」や2018年に公開されたSF映画「レディ・プレイヤー1」に出てくるような世界観を想像する人が多いと思います。しかしこれはもはやSFの世界のおとぎ話ではありません。現実空間と仮想空間にまたがる経済は、日々発展を遂げています。

メタバースが注目される理由

現在、多くの大企業が続々とメタバース業界への参入を表明しています。2021年10月には、Facebookが社名を「Meta」に変更したことが話題にもなりました。なぜ、メタバースはこれほどまでに注目を集めているのでしょうか。

メタバースが重要とされる理由の一つは、私たち人間とデジタル上の世界の関わり方を、根本的に変える可能性が秘められているからです。仮想空間上での新たな体験は、NFTと同じように、クリエイター、ゲーマー、アーティストなどに機会をもたらし、新たなクリエイター経済が構築されると予想されています。

また、メタバースの仮想世界は、それ自体が1兆ドル規模の産業となる可能性があります。エンタメ、商業、スポーツ、そして仕事などが、メタバースが発展することにより現在の在り方から大きく変革するかもしれません。メタバースは、インターネットの延長版・進化版と考えられることが多いですが、実際にはブロックチェーンやDeFi、NFTを利用した、インターネットの後継にあたる新たな物として捉えられ始めています。

ベンチャーキャピタリストのMatthew Ball氏は、メタバースは人々にとって「デジタル体験への入り口であり、物理的体験の重要な構成要素であり、そして、今後の労働プラットフォームになる」と述べています。Ball氏は、数十年前にインターネットが普及することにより起こった出来事と同様に、メタバースが新世代の企業を生み出す原動力になると考えています。また、それと同時に、既存の業界をリードする企業の衰退にもつながる可能性があるとしています。

Meta社CEOのMark Zuckerburg氏は、IT系メディア The Vergeのインタビューの中で、「インフィニティ・オフィス」と呼ばれる仮想ネットワークスペースについて語っています。彼は、仮想空間で仕事をすることで、マルチタスクが可能になるとしています。またバーチャル・メタバース型の環境でのミーティングは、Zoomなどのオンラインミーティングと比べて、より協力的かつ生産的であると主張しています。Meta社は、メタバースへの投資を進めており、人気のVRヘッドセット「Quest」を製造するOculus社を買収しました。(現在は「Meta Quest」に名称変更)

Zuckerburg氏によれば、VR技術の発展にはまだ長い道のりがあるものの、「10年後までにはメタバース機能を実現できる」としています。

メタバース業界に投資を行っているのは、Meta社だけではありません。IT業界のトップ企業によるメタバースへの参入は過熱しています。Google、Microsoft、Samsung、Sonyなどは、Meta社と共に、体験型リアリティの未来を創ることを目指すテック企業のコンソーシアム「XRアソシエーション」に参加しています。

ゲームとメタバース

ゲームは、メタバース技術を先行する業界の一つです。これまでビデオゲームは、In-Game経済(ゲーム内経済)での発展を続けてきました。Fortniteのようにゲーム内商品(課金アイテム)の売買が盛んに行われることや、それに加えて、Grand Theft Autoといったシリーズもののゲームの継続的な成功も、ゲーム業界が人気を博し続ける理由の一つです。大規模なオンラインコミュニティに支えられているゲーム業界は、2020年には10億ドル以上の利益を上げています。

メタバースは、これらのIn-Game経済を、仮想空間体験と結び付けることを目的としています。メタバースでは「ロールプレイングゲームをプレイする」というよりも、これまでの「インターネットを利用する」といった感覚に近い形で、ゲーム体験は発展していくことになると予想されています。

暗号資産とメタバース

メタバースの世界では、パーミッションレスなアクセス、金融サービス、高速トランザクションなどが要求されます。また、何百万、何億単位の人々の全てのデータの保存・提供が必要となります。これを実現するのが、暗号資産の技術です。

DecentralandやThe Sandboxといった企業は、暗号資産を統合した仮想世界を開発し、ゲーマーがカジノやテーマパークを仮想空間上に作り、それをマネタイズできるようにしています。Decentralandで使用されている通貨はMANAと呼ばれ、Coinbaseなどの暗号資産取引所で購入することが可能となっています。仮想空間上で暗号資産を使ったビジネスは、すでに動き始めているのです。

NFTとメタバース

NFTは、メタバースにおいて基礎的な役割を果たすことになるとされています。NFT技術を利用することで、ユーザーは自分のキャラクター、獲得したゲーム内アイテム、さらには仮想空間上の土地の所有権を得ることができるようになります。

また、仮想空間上で得たバーチャル上のアイテムを、相互運用可能なマーケットプレイスで売買することも可能になります。つまり、誰かがDecentralandの世界で仮想の土地を売り、その資金を使ってFortniteのアイテムを購入することもできるようになるかもしれないということです。メタバースで使用される唯一の法定通貨は暗号資産となり、全てのメタバース上のアイテムはNFTとして表現されることになるかもしれません。

The SandboxのCEOであるArthur Madrid氏は「何百、何千万ドルという金額が日々デジタル資産に費やされています。それらの資産がNFT化され、NFT経済が構築されることで、既存のデジタル経済の上にさらに新たなレイヤーが追加されることになるだろう。」と述べています。

まとめ

メタバースが今後どのようなものになるのか、そしてその完成形がいつ到来するのかは、まだ誰も正確には予測できません。しかし、メタバースの成長に暗号資産技術が不可欠であることは確かです。

バーチャルリアリティ技術の発展や、Meta社のような業界リーダーの台頭に加え、ブロックチェーン技術や暗号資産分野の進歩も、メタバースの未来を形作る上で、重要な役割を担っています。

監修者: 株式会社techtec リサーチチーム

株式会社techtec「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec

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