LPガス、カセットコンロを主体としたエネルギー事業を展開するIWATANIが4月24日、ブロックチェーン企業chaintopeと共同で高効率ガス給湯器「エコジョーズ」導入により得られるCO2削減効果を、ブロックチェーン管理によって環境価値化する試みを発表した。
IWATANIの製品「エコジョーズ」は、従来のガス給湯器と比較してCO2排出を約15%抑えることができるが、家庭レベルでのエネルギー効率を価値化するのが困難であった。今回の取り組みでは、IWATANI独自のIoTプラットフォーム「イワタニゲートウェイ」でデータを取得し、Chaintope社のブロックチェーン「Tapyrus(タピルス)」で管理を行うという。今年3月15日IWATANIは、CO2排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度「J-クレジット」の認証も受けており、J-クレジットによって創出された環境価値の還元サービスを行うなど地域や社会のカーボンニュートラルに向けた取り組みを強化していく予定だ。
「Tapyrus」はchaintopeによって開発が行われているエンタープライズ向けのパブリックブロックチェーンで、透明性と情報の秘匿を両立した「秘匿化トレーサビリティ」が特徴だ。福岡市に拠点を置くchaintope社はこれまでに、九州工業大学と協力し「カーボンニュートラル・キャンパス」プロジェクトをスタートした他、近くEUで制度化される見通しのデジタル製品パスポート(DPP)を見据えた準備も進めている。
発表の中でChaintope社は「ブロックチェーン技術により信頼を担保しながら各地域の創出量を確認でき環境価値を見出す仕組みは、地域住民の脱炭素への意識を向上させる」と言及している。
【参照記事】一般家庭等における高効率ガス給湯器導入による CO₂削減効果の価値化に向けた取り組みを開始

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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