香港の金融サービス財務局(FSTB)が、暗号資産取引所へライセンス制度を導入することで、暗号資産取引を適格投資家のみに限定する方針を明らかにした。5月22日にロイターが報じている。
ロイターによると、FSTBは香港でサービスを提供する暗号資産取引所に対してライセンス制度を適用させ、制度の元でサービスを利用できるユーザーを一部に限定させる計画を進めているという。
具体的には、800万香港ドル(約1.1億円)以上の資産を有する適格投資家のみが取引所を利用できるとした。これは、香港人口の7%にあたるという。
FSTBは、2020年11月より行われている個人投資家の暗号資産取引を禁止する協議の結果を踏まえ、香港の取引所は全てライセンスを取得しなければならないといった結論に至ったとされている。
この結論についてFSTBは、暗号資産取引所の利用者を一部の適格投資家に限定することは、ライセンス制を導入する初期段階では適切なステップであるとの見解を示しているという。
これに対して香港の関係各社は、個人投資家へのサービス提供が禁止された場合、個人投資家は海外の取引所に移るだけで何の解決にもならない、といった警告を出している。また暗号資産業界の国際団体であるGlobal Digital Finance(GDF)からも、今回の規制案はFATF勧告を超えたものであるとの声明が出されていた。
香港の事業者による意見と同様、個人投資家は香港の取引所ではなくP2P型の取引所(DEX)を使用することになり、より一層のリスクに晒される可能性が高いと主張している。
なお、今回明らかとなったライセンス制度が正式に導入されるには、市の立法議会における2021~2022セッションで承認される必要があるとのことだ。
香港での報道を時を同じくして、中国でも国内のマイニング事業を取り締まる方針が明らかとなっている。金融リスクを防ぐために監視を強める主要セクターに、ビットコインのマイニングが追加されたとのことだ。
これらの報道によって、ビットコインの価格は12%急落している。
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株式会社techtec リサーチチーム
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