イーサリアムのコア開発者Tim Beiko氏によると、コンセンサスアルゴリズムをプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行する「The Merge」の実施は、2022年後半に延期される見通しのようだ。Beiko氏が12日、自身のツイートで明らかにした。
これまで「The Merge」の実施は2022年2Q(4月から6月)に予定されていたが、Beiko氏は「数ヶ月後になる可能性が高い」との見解を示している。また、実施日はまだ確定していないとのことだ。
延期はするもののBeiko氏によると、現在のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)は確実に最終段階に入っているとのこと。ユーザーに対して、これ以上マイニング機器に投資しないように促すツイートも見受けられ、PoSへ移行の準備が進んでいることを示唆している。
イーサリアムでは12日、PoS移行に向けメインネットで初のストレステストとなる「シャドーフォーク」を実施している。シャドーフォークとは、現時点でアクティビティが少ないPoSのテストネットにメインネットから一部データを移し負荷をかけることで、同期や状態の増加に対し想定通りかを確認する試みだ。
イーサリアム財団で開発や運用に携わるParithosh Jayanthi氏によれば、このシャドーフォーク実行後にまだ解決しなければならないバグが発見されたことを自身のツイートで明かしていた。一方でブロックを生成し、ファイナライズにも成功したとの報告もしている。
シャドーフォーク実行の際にBeiko氏は「シャドーフォークの結果は、The Mergeの実施時期を決めるために重要な役割を果たす」と説明しており、シャドーフォークによって発見されたバグが今回のThe Mergeの延期に関係している可能性も考えられる。
イーサリアムのPoS移行は、当初「イーサリアム2.0」と呼ばれていた。イーサリアム2.0には、データベースを水平に分割して負荷を分散し処理能力を向上させる「シャーディング」が含まれていた。しかし、シャーディングの開発が進められているものの、PoSへの移行を優先するために、導入は2023年以降に延期されている。
The Mergeにはシャーディングは含まれておらず、そのためイーサリアム開発者コミュニティ内の関心がレイヤー2などのスケーリングソリューションに向けられているとの主張も出ている
【参照URL】https://twitter.com/TimBeiko/status/1514010098145759232
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