NISAでおすすめの投資信託は?運用実績・分配金利回りなどから検証

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NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、投資信託を購入する場合はどちらも利用可能です。しかし、対象商品や非課税枠、投資期間などに違いがあるため、自身の投資環境によって使い分けが必要です。

つみたてNISAの対象商品は金融庁が指定した投資信託のみで、投資初心者や手元資金が少ない方に適しています。一方、一般NISAは幅広い銘柄に投資でき、値上がりが期待できる投資信託への投資も可能です。今回は、一般NISAにスポットを当てて、運用実績・分配金などから銘柄を紹介します。

NISA対象の投資信託は、取り扱っている証券会社等によって銘柄、銘柄数が違います。SBI証券や楽天証券では、2,500銘柄以上と膨大です。これだけ銘柄数が多いとどの銘柄に投資して良いか迷ってしまいます。

そこで今回は、運用実績、分配金、市況の3面から、NISAでの運用に向いた投資信託をご紹介します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 運用実績で選ぶ投資信託
    1-1.過去3年間の成績を基準に選ぶ
    1-2.過去5年間の成績を基準に選ぶ
    1-3.過去10年間の成績を基準に選ぶ
  2. シャープレシオを基準に選ぶ投資信託
    2-1.過去3年間の成績を基準に選ぶ
    2-2.過去5年間の成績を基準に選ぶ
    2-3.過去10年間の成績を基準に選ぶ
  3. 分配金利回りを基準に選ぶ投資信託
  4. 市況変化に対応するための投資信託
  5. まとめ

1.運用実績で選ぶ投資信託

未来の運用実績を知ることはできません。そのため、良い運用実績のある投資信託(ファンド)から選ぶことがファンド選びの基本となります。

過去3年、5年、10年の運用実績から上位5銘柄を抽出してみました。銘柄を選択するうえでは、金融情報サービスの「モーニングスターのファンド検索機能」と「SBI証券の投資信託パワーサーチ」を利用。償還期間は10年以上、純資産額は10億円以上(2020年11月5日時点)のSBI証券NISA対象銘柄としました。

なお、以下表で示す「純資産額」はファンドの人気を表し、額が大きいほど多く購入されていることになります。また「シャープレシオ」は運用の効率性を表す指数です。運用成績を上げるために取ったリスクを数値化したもので、値が大きいほど効率的なファンドだと言えます。

1-1.過去3年間の成績を基準に選ぶ

過去3年の運用実績からみると、米ナスダック指数関連ファンドが好成績を収めています。米ナスダック指数の過去3年上昇率は75%程度と、NYダウ平均の20%程度に対し3倍以上も上昇しています。特に、FAANG銘柄(Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Google)が相場を押し上げました。

ファンド名 カテゴリー (年率) 純資産(億円) シャープレシオ
厳選ジャパン 国内小型グロース 0.3088 44.2 0.98
サイバーセキュリティ株式オープン 国際株式・北米(F) 0.2379 2230.5 1.05
サイバーセキュリティ株式オープン 国際株式・北米(H) 0.2377 912.4 1.08
米国NASDAQオープンAコース 国際株式・北米(H) 0.2173 94.1 1.24
米国NASDAQオープンBコース 国際株式・北米(F) 0.2168 159.1 1.19

1-2 過去5年間の成績を基準に選ぶ

過去5年では、国内小型グロースファンドが運用成績上位5銘柄のうち、3銘柄を占めています。

ファンド名 カテゴリー (年率) 純資産(億円) シャープレシオ
マネックス・日本成長株ファンド 国内小型グロース 0.2059 53.4 0.98
MHAM 新興成長株オープン 国内小型グロース 0.1985 432.7 0.87
中小型成長株F ジェイネクスト 国際株式・中国(F) 0.1931 74.5 0.94
netWIN GSテクノロジー株式ファンドA 国際株式・北米(H) 0.1822 2103.7 1.07
SBI小型成長株F ジェイクール 国内小型グロース 0.1787 83.9 0.68

1-3.過去10年間の成績を基準に選ぶ

過去10年では上位5銘柄がすべて国内小型グロースファンドでした。小型成長株はリスクが高いため、自身で個別銘柄を購入するより運用をプロに託すほうが効率的です。

ファンド名 カテゴリー (年率) 純資産(億円) シャープレシオ
SBI中小型成長株F ジェイネクスト 国内小型グロース 0.2283 74.5 1.23
マネックス・日本成長株ファンド 国内小型グロース 0.2059 53.4 1.07
MHAM 新興成長株オープン 国内小型グロース 0.2231 432.7 1.08
SBI中小型割安成長株Fジェイリバイブ 国内小型グロース 0.2219 92 1.21
SBI小型成長株F ジェイクール 国内小型グロース 0.2265 83.9 0.83

2.シャープレシオを基準に選ぶ投資信託

シャープレシオを確認することで、リスクを抑え効率的に運用できているファンドかどうかを確認できます。シャープレシオの良し悪しは運用のプロであるファンドマネージャーの銘柄選択が重要なポイントとなります。

2-1.過去3年間の成績を基準に選ぶ

米国NASDAQオープンAコースは、シャープレシオ、リターンともに5銘柄の中で一番好成績です。

ファンド名 カテゴリー シャープレシオ リターン(年率) 純資産(億円)
米国NASDAQオープンAコース 国際株式・北米(H) 1.24 0.2173 94
投資のソムリエ 安定成長 1.23 0.0339 3357.2
米国NASDAQオープンBコース 国際株式・北米(F) 1.19 0.2168 166.5
iシェアーズ ゴールドインデックス コモディティ(F) 1.15 0.106 41.3
AB・米国成長株式投信Aコース 国際株式・北米(H) 1.05 0.1674 864

2-2.過去5年間の成績を基準に選ぶ

過去5年の運用成績では、国内小型グロース銘柄が中心でしたが、シャープレシオを基準にするとNASDAQ銘柄を中心とした米国成長株が中心でした。

ファンド名 カテゴリー シャープレシオ リターン(年率) 純資産(億円)
投資のソムリエ 安定成長 1.22 0.0309 3357.2
米国NASDAQオープンAコース 国際株式・北米(H) 1.19 0.1891 94
netWIN GSテクノロジー株式ファンドA 国際株式・北米(H) 1.18 0.2086 1965.9
AB・米国成長株式投信Cコース 国際株式・北米(H) 1.17 0.1701 2885.2
AB・米国成長株式投信Aコース 国際株式・北米(H) 1.15 0.1691 848.2

2-3.過去10年間の成績を基準に選ぶ

過去10年の成績は国内小型グロースが中心でした。

ファンド名 カテゴリー シャープレシオ リターン(年率) 純資産(億円)
SBI 中小型成長株F ジェイネクスト 国内小型グロース 1.22 0.2265 74.81
NEXT FUNDS NASDAQ100連動上場投信 国際株式・北米(F) 1.2 0.2235 314.5
SBI 中小株割安成長株F ジェイリバイフブ 国内小型グロース 1.2 0.22 92.97
三井住友・中小型株ファンド 国内小型グロース 1.19 0.1928 98.4
ひふみ投信 国内中型グロース 1.13 0.1748 1350.3

3.分配金利回りを基準に選ぶ投資信託

分配型のファンドは、分配金支払いのために元本を取り崩している銘柄が多く、トータルリターンはマイナスの銘柄が目立ちます。リターンは、分配型ではないファンドとの差が大きく長期投資に適していません。分配型のファンドは、退職後に年金を受け取るようになってから、年金の不足額を補うために購入すると良いでしょう。
 

ファンド名 カテゴリー 分配金利回り トータルリターン 純資産(億円) 頻度
アライアンスバーンスタイン米国成長株  国際株式・北米(H) 0.1799 0.0882 2885.2 毎月
アライアンスバーンスタイン米国成長株  国際株式・北米(F) 0.1722 0.0643 6082.3 毎月
GS日本フォーカス・グロース 日本株大型グロース 0.1221 0.0081 8.5 毎月
GS米国成長株集中投資ファンド 国際株式・北米(F) 0.0818 -0.0307 218.2 毎月
GS米国成長株集中投資ファンド 国際株式・北米(F) 0.0751 -0.0415 81.35 四半期

4.市況変化に対応する投資信託

株式市況と逆相関の関係にある金融商品として金(ゴールド)が挙げられます。株価が大幅下落するなど市況が荒れた場合に備え、ある程度の金を保持しているとリスク分散になります。市況変化に応じて、株式、債券、金などに資産を分散しておくことが重要です。

金を投資対象としている投資信託をトータルリターンが高い順に挙げてみます。ファンドのベンチマークは、ファンドによりそれぞれ異なるため注意する必要があります。例えば三菱UFJ純金ファンドは国内に保管される金の現物を裏付け資産として、取引所における金価格を反映する「純金上場信託」を主要投資対象としています。

ファンド名 運用会社 トータルリターン 純資産(億円)
SMTゴールドインデックス・オープン(H) 三井住友TAM 28.20% 14.66
ステートストリート・ゴールドファンド(H) ステートストリート 27.60% 37.77
ピクテ・ゴールド(H) ピクテ投信 26.90% 61.59
iシェアーズ ゴールドインデックスファンド(F) ブラックロック 23.68% 41.96
三菱UFJ純金ファンド 三菱UFJ国際 23.12% 453.69

まとめ

今回は、一般NISAにスポットを当て、運用実績やシャープレシオなどから運用に適した銘柄を紹介しました。過去データを検証すると、好成績の銘柄には小型成長株のファンドが多くみられました。

一般NISAの投資期間は最大10年です。そのため投資銘柄は、過去5年・10年の実績から選ぶと良いでしょう。しかしながら、過去の実績が未来に保障されるものではありません。購入したあとは放置せず、定期的に運用成績等を確認しましょう。

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藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。