積立投資は、つみたてNISAとロボアドバイザーのどちらがおすすめ?

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年金不足の報道をきっかけに将来を見据えた積立投資に興味を持ち始めている方が増えています。ただ最近は、積立投資にも「つみたてNISA」のような税優遇のある制度や、「ウェルスナビ」のようなスマホでかんたんに始められるロボアドバイザーのサービスなども出てきているため、どの積立投資から始めればいいのか悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか?

そこで、この記事では「つみたてNISA」と「ロボアドバイザー」の基本的な特徴や違い、またどのような人が「つみたてNISA」や「ロボアドバイザー」の利用に向いているかなどをご紹介します。これから積立投資を始めたい方やすでに始めている方まで、参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. つみたてNISAとは
    1-1.つみたてNISAの特徴
  2. ロボアドバイザーとは
    2-1.ロボアドバイザーの特徴
  3. つみたてNISAとロボアドバイザーを6つのポイントで比較!
  4. つみたてNISAが向いている人
    4-1.投資知識や経験のある方
    4-2.少額投資でリスクを抑えつつ、コツコツ増やしたい方
    4-3.コストと税金の負担を軽減したい方
  5. ロボアドバイザーが向いている人
    5-1.投資知識・経験が少ない方
    5-2.商品の運用や管理を簡単にしたい方
    5-3.老後に向けて大きな資産を作りたい方
    5-4.NISAの非課税枠を利用している方
    5-5.書類手続きなどが面倒な方
  6. まとめ

1 つみたてNISAとは

つみたてNISAとは、税制優遇を受けつつ少額から長期にわたって積立投資ができるサービスです。つみたてNISAの制度に対応した商品に投資すれば、通常発生する利益に対する税負担が無いため、人気を集めています。

つみたてNISAの対象となる商品は、一定の投資信託(運用の専門家が運用する投資商品)で、そこから得られる分配金や売却益が非課税の対象になります。

1-1 つみたてNISAの特徴

つみたてNISAには、毎年40万円(新規投資額)までの非課税投資枠があり、最長20年間、最大800万円まで株式投資で得た利益に対して課税されません。投資期間は2018年~2037年の20年間で、その間、運用で得た毎年40万円までの利益に対する税金は発生しません。

通常、株式や株式投資信託の取引で得た利益には、所得税15.315%、住民税5%の合計20.315%の税率が課せられますが、つみたてNISA適用の商品に投資すれば非課税制度が適用されるのが大きな特徴です。

このほか、つみたてNISAの特徴は以下の通りです。

対象商品の条件

つみたてNISAの対象となる商品の条件は「長期の積立投資や分散投資に適した一定の投資信託であること」です。たとえば、公募株式投資信託(不特定多数の投資家向け公募投資信託で株式投資が可能なもの)の場合、次のような条件になります。

  • 販売手数料が0円
  • 信託報酬(運用・管理のコスト)が一定水準以下※
  • 分配頻度が毎月でないなど

※国内株のインデックス投信の場合、0.5%以下等に限定されます。

少額取引が可能

対象商品や販売元により違いはありますが、つみたてNISAでは最低投資額が100円のものがあるなど、積立投資を始めやすくなっています。

投資コストが低い

他の投資信託の販売手数料は購入金額の1~3%、信託報酬が年0.5~2%といったケースがよく見られますが、つみたてNISAは販売手数料が0円、信託報酬が年0.5%以下といった商品を対象としています。

長期投資・分散投資・積立投資でリスク回避

つみたてNISAは投資リスクを回避するのに役立つ長期投資・分散投資・積立投資をしている多くの商品が対象となっています。

毎月一定額を長期にわたって積立投資することで、相場変動による影響を抑えることが可能です。また、つみたてNISAの対象商品である投資信託は株式、債券等の複数の資産、国内・海外資産などに分散しているため、1つの商品で大きな価格変動が起きても、その影響を小さくすることができます。

2 ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーは、人工知能を活用して投資の助言や運用を自動で行うサービスのことです(一部例外もあり)。

ロボアドバイザーには、各ユーザーに投資商品の助言や最適な資産配分などを提案するタイプ(=投資アドバイス型)と、助言だけでなく実際の運用サービスまでを自動で提供するタイプ(=投資一任型)の2つに分かれます。なお、投資対象は投資信託もしくはETF(上場投資信託)となります。

ロボアドバイザーはユーザーに代わって運用を行ってくれたり、資産運用の最適な配分をアドバイスしてくれたりするため、ユーザー側が投資の知識・経験に乏しくても、簡単に始められるのが大きな特徴です。また、一般の投資信託に比べると手数料が低く設定されている点もメリットです。

2-1 ロボアドバイザーの特徴

ロボアドバイザーの主な特徴を確認していきます。

投資商品を自分で選ぶ必要がない

ユーザーはサービス開始前に投資に関する考え方やリスクの許容度に関する質問を受け、その結果に基づいて最適なポートフォリオ(資産・商品等の組み合わせ)や商品が提案されます。そのため、投資知識や金融知識が無くても自分に適した商品を選択できます。

投資一任型なら運用までを任せられる

投資一任型の場合、提案された商品等の内容を選択した後についても、ロボアドバイザーが商品の売買やポートフォリオの見直し、最適化まで一部自動で行ってくれます。このほか、経済状況や金融市場の変化などに合わせてポートフォリオの診断・修正・最適化まで行ってくれるため、投資経験の乏しい利用者でも運用を無理なく続けていくことができます。

(※アドバイス型では、ロボアドバイザー提案内容などを参考に投資家自身が購入を決めたり、その後の売却などを判断・実行したりしていきます)

「アドバイス型」はNISAが利用可能、「投資一任型」はNISAの利用ができない

資産配分のアドバイスのみを行う「アドバイス型」のロボアドバイザーの場合は、NISAの利用ができるため、年間40万円までの運用益が非課税の対象となります。

一方、投資一任型のロボアドバイザーには非課税制度の適用がないため、ロボアドバイザーの運用で得た分配金や売却益には、通常通りの税金がかかります。

しかし、ロボアドバイザーの中にはユーザーの税負担を軽減する機能を持つものもあります。「自動税金最適化サービス」と言われる機能で、配当やリバランス等で発生する税負担が一定額を超える場合に、ポートフォリオ内に「含み損」がある銘柄の売却を行うことでその「損失」を実現させ、利益を相殺するという仕組みです。

少額から積立投資が始められる

投資額はロボアドバイザー各社によって異なりますが、たとえば投資一任型の最大手(※)であるウェルスナビでは1万円の投資額から運用を始めることができ、毎月の積立も1万円の少額から設定することが可能です。プロの知識・経験に基づいた自動運用や、幅広いアドバイスを受けながら積立投資ができるのもロボアドバイザーの特徴です。

ウェルスナビ(Wealthnavi)

運営企業 ウェルスナビ株式会社
住所 東京都渋谷区渋谷2-22-3 渋谷東口ビル9F
設立年月 2015年4月28日
資本金(資本剰余金含む) 118億9,868万1,207円※2024年3月4日現在
自己資本規制比率 662.5%(2023年12月末現在)

(注)自己資本規制比率は企業経営の健全性を表す重要な財務指標で、金融商品取引業者は、この自己資本規制比率が120%を上回るよう努めることが義務付けられています。

※一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2023年9月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較 ウエルスアドバイザー社調べ(2023年12月時点)

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また、「THEO+docomo」というロボアドバイザーも最低投資額1万円から開始することができ、預かり資産額に応じてdポイントをもらうことができます。
THEO+docomo

運用会社 株式会社お金のデザイン
住所 東京都港区赤坂1-9-13
設立年月 2013年8月
資本金(資本剰余金含む) 121億円2,392万円(2021年3月時点)
自己資本規制比率 560.16%(2021年3月期)

THEO+docomoは、運用報酬年1%、追加の手数料なし、変更・解約・出金の申込みは365日24時間いつでも可能と、少額から無理なく取り組みやすいサービスで、dカード(dカード、dカード GOLD)によるおつり積立機能が利用できること、ドコモ口座との連携が可能なこともメリットとなっています。

フィデリティ証券が提供する「ザ・ハイブリッド」も最低1万円(ネット完結コースの場合。アドバイス担当者付きコースは最低必要資金300万円)から始められます。

フィデリティ証券のロボアドバイザー「ザ・ハイブリッド」
運用会社 フィデリティ証券株式会社
住所 東京都港区六本木7丁目7番7号
設立年月 1998年4月
資本金(資本剰余金含む) 117億5750万円(2022年3月16日時点)
自己資本規制比率 418.0%(2022年3月末)

ザ・ハイブリッドは、世界有数の金融グループであるフィデリティ証券が提供するロボアドバイザーです。ネットで全ての取引を完結するコースだけでなく、運用相談にも乗ってくれるアドバイス担当者付きの取引コースも用意されています。

組み入れ対象であるファンドラップ専用ファンドの基準価額を使って試算したポートフォリオごとの運用参考データによると、ポートフォリオの運用開始以降、1~17%程度の基準価額の上昇を期待できます(※あくまで試算データとなるため、実際の運用では異なる場合があります)。

3 つみたてNISAとロボアドバイザーを6つのポイントで比較!

つみたてNISAと投資一任型のロボアドバイザーの特徴を以下のポイントで比較すると下表の通りです。

項目 つみたてNISA ロボアドバイザー
投資商品の選択 投資家が自分で投資対象を判断して選択 投資家の回答に応じてロボアドバイザーが商品・ポートフォリオを提案
投資期間と運用方法 2018年~2037年(最大20年間)の運用。運用は自分の判断で行う 運用期間は特なし。投資一任型はロボアドバイザーが大部分を自動で運用
知識・経験の有無 ある程度必要 必要なし
最少投資可能額 100円~ 1万円~
手数料 販売手数料0円、信託報酬年0.5%以下など 販売手数料0円、運用手数料年1%程度)
税金 毎年40万円までの新規投資額で発生する利益が非課税 アドバイス型の場合はつみたてNISAが利用可能。
投資一任型の場合、運用利益に対して20.315%の税金が課税される(ただし、自動税金最適化機能があれば、税負担は一部軽減される)

4 つみたてNISAが向いている人

積立投資をする場合に、つみたてNISAが向いている人は次の通りです。

  • 投資知識や経験のある方
  • 少額投資でリスクを抑えつつ、コツコツ増やしたい方
  • コストと税金の負担を軽減したい方

4-1 投資知識や経験のある方

つみたてNISAの場合、ユーザー側でポートフォリオを考えたり、商品を選択したりする必要があるため、投資に関するある程度の知識が必要になります。積立投資は運用が長期にわたることもあるため、運用商品を適宜見直す手間を惜しまないなら、つみたてNISAを選ぶと良いでしょう。

4-2 少額投資でリスクを抑えつつ、コツコツ増やしたい方

つみたてNISAでは100円からといった少額の積立投資が可能なため、リスクを抑えながら資産をコツコツと増やしたい方に適しています。なお、つみたてNISAでは長期・分散・積立という3つのリスク対策をしていますが、元本割れのリスクは伴うことにも留意しておきましょう。

4-3 コストと税金の負担を軽減したい方

投資商品を選択する知識のある方なら、投資一任型のロボアドバイザー以上に運用コストを抑えることも可能です。

5 ロボアドバイザーが向いている人

積立投資をする場合に、ロボアドバイザーが向いている人は次の通りです。

  • 投資知識・経験が少ない方
  • 商品の運用や管理を簡単にしたい方
  • 老後に向けて大きな資産を作りたい方
  • NISAの非課税枠を利用している方
  • 書類手続きなどが面倒な方

5-1 投資知識・経験が少ない方

投資に関する知識や経験が乏しい方や、専門家・運用のプロのノウハウなどを利用したいという方などはロボアドバイザーが向いています。

ロボアドバイザーの場合、投資の専門家等の知見・ノウハウ等に基づいて運用をサポートしてくれるため、投資初心者でも手軽に積立投資を始めることができます。

5-2 商品の運用や管理を簡単にしたい方

ロボアドバイザーがユーザーの代わりに商品の選定、購入、売買、ポートフォリオの組み直し・最適化などを行ってくれるため、運用にかかる負担も少なく済みます。仕事や家事などで投資の運用に時間を割けない方、運用を簡単に済ませたい方にロボアドバイザーは適しています。

5-3 老後に向けて大きな資産を作りたい方

老後に向けてまとまった資産を形成したい方にもロボアドバイザーは向いています。

つみたてNISAは年間40万円の新規投資額が対象となるため、月額積立額は多くても3.3万円程度になります。一方、ロボアドバイザーの場合、毎月の積立金額に制限はありません。つみたてNISAの非課税枠を最大限使った上でさらに資産形成をしたいという場合には、ロボアドバイザーのほうが適しているでしょう(なお、いずれも元本割れのリスクが伴うことには留意しましょう)。

5-4 NISAの非課税枠を利用している方

NISA(年間120万円まで非課税枠。5年間の運用益が非課税対象)とつみたてNISAはどちらかを選んで利用することになるため、すでにNISAを開設して利用しているという方はつみたてNISAを利用することができません。(ただし、年が切り替わるタイミングで口座を変更することは可能です)

「NISAをすでに利用しているが、追加で積立投資も始めたい」と考えている方にもロボアドバイザーはおすすめです。

5-5 書類手続きなどが面倒な方

NISAやつみたてNISAでは口座開設のための書類を取り寄せたり、書類の郵送や窓口での手続きなどが必要になります。一方、ロボアドバイザーはオンラインで口座開設の手続きができるため(ただし、本人確認のため簡易書留でハガキが送られてきます)、仕事や家庭で忙しくて書類手続きが面倒だという方にも向いています。

6 まとめ

つみたてNISAを利用する投資では、「100円からの少額投資」「毎年40万円の非課税投資枠の適用」「手数料の安さ」といったメリットがあります。そのため、つみたてNISAは、投資知識がある程度あり、コストや税金の負担を少なくして毎月少額でも長期に渡ってコツコツと資産づくりをしていきたい方などにおすすめです。

一方、ロボアドバイザーを利用する投資では、「ロボアドバイザーが投資商品の選定・運用を行ってくれる」「手間が少ない」「長期的に大きな資産形成も狙える」などのメリットがあります。そのため、ロボアドバイザーは投資の知識があまりない初心者の方、手軽に積立投資を始めたい方などに向いています。

積立投資をする際にどちらを選ぶかは、各ユーザーの投資方針や資産状況、リスクに対する許容度で異なりますので、この記事を参考にご自身に合った方法を検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチームは、ロボアドバイザーに関する知識が豊富なメンバーが投資の基礎知識からロボアドバイザーのポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」