ドル指数が示す「ドル1強」時代 資産を守る方法を投資のプロが解説

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2024年5月現在、ドル高の波が世界を揺るがし、私たちの生活にも影響が及んでいます。円安による物価高騰、新興国経済の不安定化、世界的な景気減速の悪化は、一体いつまで続くのでしょうか。また、不透明な経済状況下で、私たちはどのように資産を守ればよいのでしょうか。

本記事では投資のプロである筆者が、ドル高の背景と影響を解説し、AIを活用した新しい資産運用の手段についてもご紹介します。是非参考にしてみてください。
※本記事は2024年5月15日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. ドル指数が年初来高値を更新
  2. ドル指数とは
  3. 為替介入でも円安の流れは変わらず
  4. ドル高が世界経済と私たちの生活に与える影響
  5. ロボアドバイザーの活用と長期投資の視点
  6. まとめ

1.ドル指数が年初来高値を更新

2024年4月の米ドルは主要通貨に対して強さを見せ、ドル指数は年初来高値を更新しました。このドル高の背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策と、他の主要中央銀行の政策の違いがあります。


※図はTradingView[PR]より筆者作成

FRBは好調な景気指標を受けて、年内の利下げペースを緩めると予想されています。一方、スイス国立銀行は3月に政策金利を引き下げました。市場は欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(BOE)による利下げも期待しています。

また、日銀はマイナス金利政策を解除しましたが、金融緩和的な姿勢は継続する見通しです。これらの金利政策の違いが、米ドルが主要通貨に対して優勢な状況を生み出しています。

2.ドル指数とは

ドル指数は、ユーロや円、ポンドなどの主要な6通貨に対する米ドルの価値を数値化した指標です。米インターコンチネンタル取引所(ICE)によって算出され、詳細は同社のウェブサイトで確認できます。各通貨のウエイトは固定されており、為替市場の動向を読み解く上で、米ドルの強弱を示す重要な指標となっています。


参照:ICE「U.S. Dollar Index® Futures

3.為替介入でも円安の流れは変わらず

日本円は対ドルで大幅に下落し、4月29日には約34年ぶりの円安水準となる1ドル=160円台に達しました。この背景には、日銀の継続的な金融緩和政策があります。その後、円相場は154円台まで急速に円高が進み、日本政府や日銀による円買い介入が行われたとの観測もあります。

さらに、5月に入り、ニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=152円台まで上昇しました。円買い介入の観測が投機筋の円売りポジション解消を誘発し、円安に歯止めをかけた形です。しかし、日米の経済環境や金融政策の違いなどから、円売り圧力の根底は依然として強く、円安基調が続く可能性があります。

2年前の介入効果が長続きしなかったこともあり、円安圧力が弱まるかどうかは不透明な状況です。円安・ドル高の背景には、高い経済成長率、高インフレ、高金利という米国経済の「3高」があり、堅調な景気がインフレ懸念を通じてドル買いを促しているからです。

FRBがもっとも重視する物価指数の米個人消費支出(PCE)物価指数は、3月に前年比2.7%上昇となり、FRBの金融引き締め長期化観測から米10年物国債利回りが上昇しました。日米金利差拡大による円売り・ドル買い傾向は変わらないと、投資のプロである筆者は考えています。

参照:ロイター「米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個人消費堅調

4.ドル高が世界経済と私たちの生活に与える影響

ドル高は世界経済に大きな影響を与えます。国際貿易の多くがドル建てで行われるため、ドル高は輸入品の価格上昇を通じて世界各国でインフレ圧力を高めるからです。特に新興国や発展途上国では、輸入インフレが深刻な課題となっています。

たしかにドル高は米国の輸出競争力を弱め、他国の輸出競争力を相対的に高めます。しかし、世界的な需要低迷により、その効果は限定的です。さらに、ドル高は米国への資本流入を促し、他国からの資本流出を引き起こす可能性があります。これにより、新興国の通貨や金融市場が不安定化する恐れがあるのです。

ドル高は世界的な景気減速を悪化させ、各国の中銀によるインフレ対策を複雑にしています。各国は自国の状況に応じた金融政策、為替政策、構造改革などの対応を迫られています。ドルが世界的な基軸通貨であり続ける限り、その動向は世界経済に広範かつ長期的な影響を与え続けるでしょう。

さらに、急速なドル高・円安は、輸入品の価格上昇を通じて物価高に拍車をかけています。賃金の伸び悩みも重なり、家計の購買力は低下します。さらに、ドル高による輸入インフレが物価上昇に拍車をかけ、インフレ加速によるスタグフレーション(景気後退と物価上昇が同時に発生している経済状況)を引き起こす恐れがあります。

5.ロボアドバイザーの活用と長期投資の視点

ウェルスナビ

ドル高・円安時代の資産運用はどのようにすればいいのでしょうか。米国経済の堅調さから、当面はドル高基調が続くと予想されますが、中長期的には米国の財政赤字拡大などによりドル安に転じる可能性もあり、為替動向を予測するのは困難です。

そこで、AI(人工知能)を活用したロボアドバイザーによる資産運用が注目されています。ロボアドバイザーは投資家の目的に合わせたポートフォリオを提案し、自動で資産配分を調整してくれるため、不透明な市場環境でも有効な手段となるからです。

ロボアドバイザーは、投資初心者の方でも手間なく資産運用を始めることができるツールです。中でも、国内最大手のWealthNavi(ウェルスナビ)は、高い実績と信頼性で注目を集めています。


参照:ウェルスナビ「ウェルスナビの運用パフォーマンスは?

6.まとめ

ドル高傾向は当面続くと予想され、世界経済に大きな影響を与えています。特に新興国や日本では、輸入インフレや物価高が懸念されます。一方、中長期的な為替動向は予測が難しく、不透明な経済状況下では分散投資が有効です。

そこで、AIを活用したロボアドバイザーによる資産運用が注目されています。投資家には、リスク許容度や目標に見合った投資戦略を立てることが求められているからです。ロボアドバイザーを活用した分散投資は、リスクを最小限に抑えながら、着実にリターンを積み重ねていく有効な手段となるでしょう。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011