S&P500に投資するインデックスファンドだけで、米国株投資に満足していませんか?実は、S&P500とは異なる特徴を持ち、一緒に組み合わせることで市場の動向を幅広くカバーできるファンドが存在します。自分に合ったインデックスファンドを選ぶことで、米国株投資の可能性が大きく広がるでしょう。
今回は投資のプロである筆者が、各指数の詳細と投資メリット、対象ファンドやETFについて解説します。
※本記事は2024年5月15日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 安定した配当収入が魅力の「S&P500配当貴族指数」
1-1.SPDR S&P米国高配当株式ETF(SDY)
1-2.野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(愛称:Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族) - 小型株の魅力を取り込む「ラッセル2000」
2-1.iシェアーズ ラッセル2000ETF(IWM)&バンガード・ラッセル2000 ETF(VTWO)
2-2.ブラックロック米国小型成長株式オープン(為替ヘッジなし) - 割安な中型株に注目「S&P MidCap 400」
3-1.SPDR ポートフォリオS&P 400 中型株式ETF(SPMD) - SBI証券なら業界最安水準の手数料で取引可能
- まとめ
1.安定した配当収入が魅力の「S&P500配当貴族指数」
S&P500は、時価総額上位500社で構成される時価総額加重平均型指数です。つまり、大型株の値動きに影響されやすいのが特徴です。一方、「S&P 500配当貴族指数」は、S&P500採用銘柄の中で25年以上連続増配している優良企業のみを対象としたインデックスです。
配当貴族指数のメリットは、主に2つあります。1つ目は配当収入が期待できること、2つ目は業績が安定している企業が多いため、値動きが比較的穏やかなことです。
株式100%投資でも、債券に近い値動きのクッション効果が期待できるでしょう。これは、配当貴族企業の安定性が株価の下落をクッションする効果を持つためです。米国株式に投資する際は、S&P500だけでなく、配当貴族指数も候補に加えてみてはいかがでしょうか。特に、インカムゲインを重視する投資家や、値動きの安定性を求める投資家にメリットがあります。
1-1.SPDR S&P米国高配当株式ETF(SDY)
SPDR S&P米国高配当株式ETF(SDY)はS&P高配当貴族指数に連動するETFで、S&Pコンポジット1500指数を構成する銘柄の中から、20年以上連続で増配している高配当利回り銘柄のみで構成されています。
SDYは四半期ごとに調整され、各銘柄の構成比率は予想配当利回りを基準として決定されます。同ETFは、配当収入と株価の成長の両方を目指す投資家に適しています。
参照:SPDR「SPDR® S&P® 米国高配当株式 ETF」
1-2.野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(愛称:Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族)
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族は、S&P500配当貴族指数(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。同指数は、S&P500採用銘柄の中で25年以上連続増配している優良企業のみを対象としています。
NISA(つみたて投資枠)の対象となっており、長期的な積立投資に適しています。
参照:野村アセットマネジメント「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族」
2.小型株の魅力を取り込む「ラッセル2000」
S&P500に組み入れられているのは、米国を代表する大企業ばかりです。一方、「ラッセル2000」は、米国市場の時価総額上位3000社で構成される「ラッセル3000」のうち、上位1000銘柄を除く2000銘柄で構成されています。
参照:大和証券「金融・証券用語解説」
大型株と比べて小型株は、市場の拡大余地が大きく、急成長を遂げる可能性を秘めています。リスクは高いものの、ハイリターンを狙える投資対象と言えるでしょう。S&P500に加えて、ラッセル2000のインデックスファンドも組み合わせることで、より幅広い米国株式市場に投資することができます。
2-1.iシェアーズ ラッセル2000ETF(IWM)&バンガード・ラッセル2000 ETF(VTWO)
iシェアーズ ラッセル2000 ETF(IWM)とバンガード・ラッセル2000 ETF(VTWO)は、どちらもラッセル2000に連動するETFです。IWMの経費率は0.19%で、VTWOは0.10%です。
参照:ブラックロック「iシェアーズ ラッセル 2000 ETF」
参照:ブルームバーグ「バンガード・ラッセル2000 ETF」
2-2.ブラックロック米国小型成長株式オープン(為替ヘッジなし)
「ブラックロック米国小型成長株式オープン(為替ヘッジなし)」は、ラッセル2000グロースインデックスをベンチマークとして、米国の小型成長株に投資するインデックスファンドです。このファンドは、米国の小型株市場の中でも、特に成長性の高い企業に投資することで、長期的な資本増強を目指します。為替ヘッジなしのため、米ドル高・円安が進めば、為替差益も期待できます。
参照:ブラックロック「ブラックロック米国小型成長株式オープン Aコース(為替ヘッジなし)」
3.割安な中型株に注目「S&P MidCap 400」
S&P500とラッセル2000の中間に位置するのが、「S&P MidCap 400」です。S&P MidCap 400は、中型株400銘柄で構成されています。中型株は大型株ほどアナリストに注目されていないため、割安に放置されている「宝の山」とも言われています。優れた経営者のもと、着実に成長を続ける中堅企業は、特にバリュー投資家から人気が高くなっています。
S&P500とS&P MidCap 400の2本立てで投資すれば、米国株式市場の大半をカバーできるでしょう。割安な中型株にも投資機会を見出したい方にメリットがあります。
参照:S&P Dow Jones Indices「S&P 中型株 400指数」
3-1.SPDR ポートフォリオS&P 400 中型株式ETF(SPMD)
SPDR ポートフォリオS&P 400 中型株式ETF(SPMD)は、S&P MidCap 400の値動きに連動する投資成果を目指す低コストETFです。同ETFは、S&P 500指数には含まれない中型株に投資することで、米国の中型株市場へのエクスポージャーを提供します。
SPMDの経費率は0.03%と低く、中型株市場のパフォーマンスを追随するのに有効な投資対象となります。
参照:S&P Dow Jones Indices「S&P 中型株 400指数」
4.SBI証券なら業界最安水準の手数料で取引可能
今回紹介したETF(上場投資信託)は米国ETFになるので、米国ETFを取扱っている証券会社で取引する必要があります。その中でもSBI証券は、低コストで豊富な銘柄の米国ETFに投資できます。業界最安水準の手数料で、人気のETF10銘柄は買付手数料無料となっています。
豊富な取扱銘柄から自分に合ったETFを選べ、米ドルの為替手数料も業界最低水準です。さらに、新NISAでは米国ETFの売買手数料が無料となるため、非課税メリットを活かした長期・積立投資に適しています。SBI証券は投資初心者から上級者まで、米国ETFを検討している方にメリットのある証券会社といえるでしょう。
5.まとめ
S&P500に加えて、配当貴族指数、ラッセル2000、S&P MidCap 400に目を向けることで、ポートフォリオの分散が進み、リスクを抑えながらリターンの向上が期待できます。これらの指数に連動するETFやインデックスファンドは、低コストで効率的な投資を可能にし、個人投資家にとってもアクセスしやすい投資対象となっています。
米国株式市場の多様性と各指数の特性を理解することは、投資家にとって重要です。この知識を深めることで、自身の投資目的に合った的確な意思決定ができ、より効果的で安定的な投資につながる可能性があります。また、米国株式市場について幅広く学ぶことは、投資家としての見識を広げ、長期的な投資成功へのモチベーションにもつながるでしょう。
山下耕太郎
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