ロボアドバイザーの資産運用で失敗しないために心がけるべき6つのこと

30代のビジネスマンを中心に資産運用の助言や運用を行ってくれるロボアドバイザーが人気となっています。しかし、投資知識や経験がない方にとっては「経験が無くても大丈夫?」「リスクはないの?」といった疑問や不安も少なくありません。

そこで今回はロボアドの資産運用で失敗しないためのポイントを解説します。投資経験がない初心者の方でも安心・安全にロボアドを運用する方法を見ていきましょう。

目次

  1. ロボアドバイザーのタイプに注意する
    1. アドバイス型ロボアドの特徴
    2. 投資一任型ロボアドの特徴
  2. ロボアドバイザーの分散投資の違いに注意する
    1. 地理的分散の違いを重視する
    2. 対象資産の分散の違いを重視する
  3. ロボアドバイザーの利用料の違いに注意する
  4. ロボアドバイザーの運用実績も重視する
  5. ロボアドバイザーを長期で利用する
  6. ロボアドバイザーは積立投資を利用する
    1. 積立投資でリスクを減らす
    2. 最初は少額から始める

1 ロボアドバイザーのタイプに注意する

ロボアドバイザー(以下、ロボアド)のサービスとは、証券会社や運用会社などがAI(人工知能)等を利用して、スマートフォンやパソコン上で投資の助言もしくは運用(購入・リバランス等)を自動で提供しているサービスのことです。

ロボアドには、投資対象の選定等の助言を行うタイプ(アドバイス型)と、助言と購入・運用等を行うタイプ(投資一任型)の2つのタイプがあります。投資家は、投資知識や経験の程度や運用目的・方針に応じて選ぶ必要があります。

1-1 アドバイス型ロボアドの特徴

アドバイス型のロボアドの特徴は次のとおりです。

  • 投資家の投資プランへの評価や診断を行う
  • 投資家の投資方針(リスク等の投資に対する考え方)に沿った投資プランを提案する
  • 投資プランを運用したシミュレーション結果を提供する

細かいサービス内容はロボアド事業者によって異なりますが、投資プランの提案は一般的にどの事業者でも提供されています。アドバイス型のサービス利用料は通常無料で、投資一任型のように運用料・管理料などは必要ありません。

しかし、AIが提案する投資プランの採用可否および推奨銘柄の購入とその後の運用は投資家自身で行うことになるため、投資に対する一定の知識が必要であり、運用管理の手間もかかります。そのため、アドバイス型の利用は投資の知識や経験がある方が望ましくなりますが、投資初心者の方でも投資の勉強をしながらアドバイス型のロボアドを利用して投資を始めることもできます。

投資の知識や経験の浅い点をロボアドで補い、少額投資で初めてリスクを抑えるようにすれば投資初心者でも投資を学び、経験を積みながら、平均以上のリターンを獲得することも可能です。

1-2 投資一任型ロボアドの特徴

投資一任型のロボアドは投資プランの提案だけでなく投資対象の購入・運用までを自動で行ってくれるサービスです。証券会社等のロボアド事業者と投資一任契約を結び、投資資金を入金すると、その後はロボアドが各投資家に適したポートフォリオを提案の上該当商品を購入し、その後運用管理(最適化等)も自動で行います。

投資一任型のロボアドの特徴は次のとおりです。

  • ロボアドが投資家に年齢、金融資産、リスク許容度等に関する質問を行う
  • その回答をもとにロボアドが投資家に最適な投資プラン(対象資産の配分、銘柄選定等)を提案する(変更なども可能)
  • 投資家の承諾後、ロボアドが対象資産(商品)の購入・変更等の運用を実施する

例えば投資家が自分で投資信託を購入する場合、投資対象の選定・配分、各商品の購入などは投資家が行うため、投資に対する知識がある程度求められます。さらに投資の成績が悪化した際には自分でポートフォリオを変更したり、売却したりするなどの運用管理知識も必要です。

一方、ロボアドの場合はそのような知識や手間は不要です。投資の知識や経験が少ない方、投資の運用に十分な時間が取れない方などは特に投資一任型のロボアドが適していると言えます。

2 ロボアドバイザーの分散投資の違いに注意する

投資の失敗を防ぐ最も有効な方法の1つが分散投資ですが、その種類には「地理的分散」「投資対象的分散」「時間的分散」があり、これを考慮したロボアドの利用が重要になります。それぞれ見ていきましょう。

2-1 地理的分散の違いを重視する

地理的な分散とは、日本国内の市場だけでなくアメリカ、ヨーロッパ、アジア・オセアニアなど全世界の多様な市場の商品を対象として投資することです。

各国・各地域の経済および市場の成長率はさまざまで、日本のように低成長を続けている国もあれば高い経済成長を維持している国・地域もあります。リターンとリスクの状況も異なりますが、その違いを捉えて投資すればリスクを軽減しながら平均以上のリターンを狙うことが可能です。

例えば多様な国・地域の商品を豊富に組み合わせることで、リスク許容度に応じた、より納得できる投資が実現しやすくなります。多様な組み合わせが可能なロボアドほど投資家にあった投資が実現でき、失敗を防ぐことができます。

2-2 対象資産の分散の違いを重視する

投資対象となる資産の種類を分散して投資すれば、リスクを低減し失敗の可能性を低減できます。投資対象の資産は期待されるリターンやリスクが各々異なる「株式」「債券」「通貨」「不動産」「金・原油」などです。

例えば、お金のデザイン社が提供するTHEO(テオ)の投資対象は次のように分けられています。

  • 先進国株式
  • 新興国株式
  • 先進国債権
  • 新興国債権
  • 投資適格債権
  • ハイイールド債権
  • リート・不動産
  • 通貨
  • コモディティ

また、THEO(テオ)のポートフォリオはこうした資産を「実物資産を中心としたインフレヘッジ・ポートフォリオ」「株を中心としたグロース・ポートフォリオ」「債権を中心としたインカム・ポートフォリオ」の3つに分類し、231通りの組み合わせを可能にしています。

これらの組み合わせによってリターンとリスクに違いが生じるため、投資を行う上では投資家の投資目的やリスクの取り方に応じたポートフォリオの作成が重要になります。それが実現できれば、自分の考えにマッチしたリスクの低い投資も可能となり、失敗する可能性も低減できるでしょう。

しかし、自身に適した分散投資ができないロボアドを選んでしまうと、「思ったほどリターンが出ない」「想定以上の損失額になる」といった可能性も出てきます。

3 ロボアドバイザーの利用料の違いに注意する

投資一任型のロボアドの利用料はサービスを提供する事業者によって異なり、利用の仕方によっては大きな差が生じることがあるため、注意する必要があります。

ロボアドの利用料はさまざまですが、投資一任型の場合、信託財産に対して0.6%~1%程度の手数料がかかります。また、通常の投資信託への投資と同様に信託報酬等がかかり、ロボアド事業者では0.1%~0.4%が一般的です。THEO(テオ)など多くのロボアド事業者では、売買手数料、為替手数料、為替スプレッド、リバランスは無料ですが、一部には売買手数料や信託財産留保額(解約する際の費用)を徴収するところもあります。

このようにロボアドを利用する際に発生するコストはロボアド事業者によって異なるため、利用を検討する事業者についてはそのコストを確認することが大切です。

4 ロボアドバイザーの運用実績を重視する

投資の成果を予測するにはロボアド事業者の運用実績を確認することも重要です。本来リスクを含めた運用方針が異なるため、運用実績で単純に事業者の良否を判断することは好ましくない場合もありますが、参考程度にWealthNavi(以下、ウェルスナビ)の運用実績をご紹介します。

下表は2016年1月19日に100万円、その翌月から毎月3万円ずつ積立投資をした場合の実績例です。投資家のリスク許容度に応じた「リスク許容度1(ローリスク・ローリターン)」から「リスク許容度5(ハイリスク・ハイリターン)」まで5通りのポートフォリオが提供されており、運用実績はリスク許容度によって異なっています。


【引用】WealthNavi(ウェルスナビ)

2018年7月までの運用実績はリスク許容度で差があるものの、リスク許容度1の+8.9%(1.82万ドル)から5の+25.7%(2.10万ドル)という結果になっています。ロボアド事業者の中にはこうしたリスクに応じた運用実績が確認できる場合もあります。ただし、ロボアドで失敗しないためには単なる実績値の高さではなくリスクを考慮した比較が重要です。

5 ロボアドバイザーを長期で利用する

ロボアドによる運用では年や月によってリターンが大幅に悪化したり、リターンがマイナスになったりしますが、10年といった期間で見ると決して低くない成績が期待できます。

下表は2007年の世界金融危機直前からTHEOのポートフォリオを運用したシミュレーション結果です。投資元本を割り込みマイナスとなる期間はありますが、10年といった長期間ではプラスになっています。


【引用】WealthNavi(ウェルスナビ)

ニューヨークダウや日経平均株価なども10年といった長期間で見れば大きな下落もあるものの、低迷期を脱すると長期的に上昇しています。2020年以降の世界経済は成長が鈍化すると予測されていますが、今後も穏やかな成長は継続するとの見方です。そのため投資の途中で成績が一時的にマイナスになっても、長期的には回復し、リターンを得る可能性は十分にあるといえます。

一時的に様子を見るための短期間の投資の中断などは有効ですが、完全に投資を打ち切って売却し処分すれば長期的には大きなリターンを得る機会を失うことになりかねません。ロボアドは目の前のリスクを恐れて投資行為を打ち切ろうとするヒトの感情を排除して適切な投資を実現するサービスです。その優れた長所を活かすためには長期の投資が有効であり、短期的な投資による失敗を防ぐことにつながります。

6 ロボアドバイザーは積立投資を利用する

積立投資は少額の資金を積み立て続けることで長期の投資を容易にし、投資時期の分散により相対的にリスクの低減を実現してくれます。

6-1 積立投資でリスクを減らす

積立投資の最大のメリットは投資時期を分散してリスクを低減できることです。毎月一定額を積立投資すれば、購入量は好況時には少なく不況時に多くなります。

例えば、毎月3万円の積立投資をする場合、現在1万口で1万円の投資信託があるなら3万口の購入が可能です。しかし、翌月にその投資信託が5千円に下がったら6万口購入できます。逆に翌月に1.5万円に上昇すれば2万口しか購入できません。

このように不況時には一定額の範囲で多く購入でき、景況が回復した時に大きなリターンにつながります。逆に好況時の購入量は少なくなるため、景況が悪くなって下落してもその影響は小さく抑えられます。まとまった資金を一度に投資するとその分リスクは高まりやすくなるため、初期の投資額を抑え、積立投資を交えて進めるほうが失敗を防ぎやすくなるでしょう。

6-2 最初は少額から始める

投資初心者などにとって投資資金の元本割れは精神的な負担が大きくなります。特に投資額が大きくなるとマイナスになった場合の金額も大きくなり、不安も増大して投資を断念しようと考えやすくなります。損失額が膨れだすと怖くなって処分しようとする傾向もあります。

こうした始めた頃に起こりがちな投資に対する不安を緩和するためにも少額投資はオススメです。特に景況が不安定であったり、景気が後退したりしそうな状況では生活にほとんど影響しない程度の少額から始め、その後様子を見ながら投資額の増額を検討しましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチームは、ロボアドバイザーや金融知識が豊富なメンバーがロボアドバイザーの基礎知識から投資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」