不動産投資型クラウドファンディングは、不動産に投資するためのまとまった資金や不動産を管理する手間が必要ありません。インターネット上で手続きが完了するサービスも多いため、不動産投資へのハードルが低く、初心者でも始めやすいという特徴があります。
今回は不動投資産型クラウドファンディングサービスの1つである「TSON FUNDING(ティーソンファンディング)」の特徴やメリット・デメリット、始め方などを紹介します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- TSON FUNDINGとは
- TSON FUNDINGの特徴
2-1.キャピタルゲイン型・インカムゲイン重視型の2種類のファンドがある
2-2.AIを活用した不動産投資型クラウドファンディングである
2-3.月1ファンド以上のペースで組成できる
2-4.定期借地権を活用している
2-5.「SMART FUNDシリーズ」では入居開始より全期間家賃保証を設定 - TSON FUNDINGのメリット
3-1.ファンドの想定利回りが他社と比較して高め
3-2.運営会社が上場企業
3-3.投資スタイルに合わせてファンドを選択可能
3-4.運用途中の解約も可能
3-5.優先劣後方式によるリスク対策が講じられている - TSON FUNDINGのデメリット
4-1.元本を毀損する可能性がある
4-2.最低投資額は5万円
4-2.少額投資可能になってからの運用実績はまだない(2021年5月時点)
4-3.すべての案件が少額投資に対応しているわけではない - TSON FUNDINGの評判
- TSON FUNDINGの始め方
6-1.会員登録
6-2.出資者登録
6-3.プロジェクトへの応募・出資 - まとめ
1.TSON FUNDINGとは
TSON FUNDING(ティーソンファンディング)は、愛知県名古屋市に本社を構える株式会社TSONが運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。株式会社TSONは2008年創業の不動産事業や関連事業を営む企業で、TOKYO PRO Marketに上場しています。
サイト名 | TSON FUNDING |
URL | https://tson-funding.jp/ |
運営会社 | 株式会社TSON |
設立 | 平成20年8月20日 |
資本金 | 1億円 |
本社 | 愛知県名古屋市中村区名駅三丁目22-8 大東海ビル2階 |
代表取締役 | 荒木 健次 |
上場証券市場 | 東京証券取引所TOKYO PRO Market |
登録免許 |
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事業内容 |
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2.TSON FUNDINGの特徴
TSON FUNDINGには下記の特徴があります。
- キャピタルゲイン型・インカムゲイン重視型の2種類のファンドがある
- AIを活用した不動産投資型クラウドファンディングである
- 月1ファンド以上のペースで組成できる
- 定期借地権を活用している
- 入居開始より全期間家賃保証を設定している
2-1.キャピタルゲイン型・インカムゲイン重視型の2種類のファンドがある
TSON FUNDINGではキャピタルゲイン型とインカムゲイン重視型の2種類のファンドがあり、投資家のポートフォリオに合わせた投資方法を選択できます。
キャピタルゲイン型には、新築一戸建てを投資対象とした「森林再生シリーズ」と、造成した土地を投資対象とした「LANDシリーズ」の2タイプのファンドがあります。
それぞれの売却が完了するまで運用され、森林再生シリーズでは6ヶ月から1年、LANDシリーズでは4ヶ月から6ヶ月と運用期間が短くなっているため、短期間での運用を考える方に適しているファンドといえます。
インカムゲイン重視型には、新築賃貸住宅を投資対象とした「SMART FUNDシリーズ」というファンドがあります。
こちらは1年から長くて3年の運用期間を設定しており、家賃収入と最終的な売却益双方での運用を行います。
最低でも1年間は資金が回収されないため、ある程度投資資金に余裕があり、中期・長期での運用を考えている方に適しているファンドとなっています。
2-2.AIを活用した不動産投資型クラウドファンディングである
TSON FUNDINGでは、運用する投資物件を独自の不動産AIを活用して選び出しています。
この技術は投資対象となる不動産の市場価値を的確に判断するために導入されているもので、WEB上から集めた約300万件以上の分譲住宅販売データをもとに、市場の平均的な販売価格や販売期間を査定することができます。
投資に適した物件を不動産AIが導き出すといった独自のマーケティングを行っているのもTSON FUNDINGの特徴といえます。
2-3.月1ファンド以上のペースで組成できる
TSON FUNDINGでは、土地の仕入れから商品開発、販売までを自社で一貫して行っています。また、取引のある不動産会社や住宅会社から投資対象物件を紹介してもらえるネットワークを構築しているため、ファンドを途切れることなく組成する予定です。
各ファンドが終了したあとも、月に1つ以上のペースで代替ファンドを提供予定である点も、TSON FUNDINGの特徴です。
2-4.定期借地権を活用している
TSON FUNDINGでは、定期借地権を活用した住宅に投資を行います。
通常、土地付き不動産物件に投資をする場合、土地購入費と建物購入費を準備する必要があります。しかし、定期借地権を活用することで土地購入費を省くことができます。
これにより、下記のメリットがあります。
- 戸建住宅では土地代分の仲介手数料・登記費用が抑えられる
- 建物代金だけで販売できるため、土地付き戸建て住宅と比較して安価で売りやすくなる
- 賃貸住宅の場合は、借地代で運用できる
- 地価下落リスクを抑えることができる
2-5.「SMART FUNDシリーズ」では入居開始より全期間家賃保証を設定している
インカムゲイン重視型のファンド「SMART FUNDシリーズ」では、入居開始より全期間家賃固定型の空室保証制度を設定しています。
賃貸住宅への投資を行う場合、空室の発生や家賃の低下リスクは大きな懸念点となります。しかし、TSON FUNDINGでは賃貸物件が完成し、入居が開始された時点から空室保証が行われるため、賃貸住宅への投資リスクを軽減することができます。
3.TSON FUNDINGのメリット
TSON FUNDINGを利用するメリットは下記の通りです。
- ファンドの想定利回りが比較的高め
- 1万円の少額から投資可能
- 運営会社が上場しており信頼感が高い
- 投資スタイルに合わせてファンドを選択可能
- 運用途中の解約も可能
- 優先劣後方式によるリスク対策が講じられている
3-1.ファンドの想定利回りが他社と比較して高め
TSON FUNDINGでは、募集されたすべてのファンドで、想定利回りが6.7%に設定されており、運用を終了したいくつかの案件では利回り6.7%での分配が完了しています。
他の不動産投資型クラウドファンディングでは、3%~5%程度の利回りが設定されることも多く、TSON FUNDINGの想定利回りは比較的高めに設定されています。収益性の高い不動産投資を行いたい場合にメリットがあると言えるでしょう。
3-2.運営会社が上場企業
先述した通り、TSON FUNDINGは東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場している株式会社TSONが運営しています。
上場企業はIR情報の開示義務があるため、会社資本や業績など投資先について情報を収集しやすくなっています。
比較的新しい投資方法であるクラウドファンディング投資では、運営元の事業者が不正を行っていたり、倒産してしまったりなどの事業者リスクについても確認することが重要です。
上場企業が運営していることは事業者リスクが0であることの証明にはならないものの、投資先を検討する際に評価できるポイントの一つであると言えます。
3-3.投資スタイルに合わせてファンドを選択可能
不動産に対して短期的または中長期的に投資を行いたい場合、投資スタイルに合った不動産投資型クラウドファンディングサービスを選択する必要があります。
一方、TSON FUNDINGでは、キャピタルゲイン型とインカムゲイン重視型の2種類のファンドがあり、短期間での運用・中長期間での運用に対応しています。
投資スタイルに合わせて、1つのサービス内でファンドを選択できるというのも投資家にとってのメリットとなるでしょう。
3-4.運用途中の解約も可能
TSON FUNDINGでは、ファンドの運用途中でも手数料(投資金額の3%+消費税)を支払うことで解約することができます。
他のソーシャルレンディングサービスや不動産投資型クラウドファンディングサービスでは、ファンド運用中の途中解約ができないケースが多く、その点はデメリットと言えました。
急に現金が必要になった場合や、経済状況・市況の変動リスクに備え財産を守りたい場合、TSON FUNDINGでは手数料がかかるものの途中解約することが可能です。投資金に流動性を持たせたい方にとって、大きなメリットになります。
3-5.優先劣後方式によるリスク対策が講じられている
TSON FUNDINGでは優先劣後方式によるリスク対策が講じられています。
優先劣後方式とは、投資家から集めたお金を「優先出資分」、株式会社TSONが出資したお金を「劣後出資分」として別々に管理することをいいます。また、運用後に損失が発生した場合には、劣後出資分から損失計上されます。
TSON FUNDINGではファンドによって物件価格の10%から20%程度を劣後出資分として出資しているため、物件価格の下落率が設定された割合までであれば、投資家が損失を被るリスクを低減させることが可能です。
ただし、優先劣後方式が採用されていたとしても、ファンドの巨額の損失が生じれば、投資家の優先出資元本についても毀損してしまうリスクがあります。優先劣後方式であっても、必ず優先出資元本が保証されているわけではない点に注意しましょう。
4.TSON FUNDINGのデメリット
一方、TSON FUNDINGのデメリットとして、下記の点を取り上げています。
- 元本を毀損する可能性がある
- 最低投資額は5万円(1口1万円・最低5口から)
- 少額投資可能になってからの運用実績はまだない
- すべての案件が少額投資に対応しているわけではない
4-1.元本を毀損する可能性がある
TSON FUNDINGは不動産投資であり元本は保証されません。これはTSON FUNDINGだけでなく、出資法により出資元本の保証が禁じられているため、他の不動産投資型クラウドファンディングでも同様です。
先述したように、優先劣後方式の採用や定期借地権の活用による投資効率の向上など、さまざまな対策・特徴がありますが、元本割れのリスクが完全になくなることはないことに注意しましょう。
4-2.最低投資額は5万円(1口1万円・最低5口から)
TSON FUNDINGでは最低投資額が5万円(1口1万円・最低5口から投資可能)となっています。実物不動産への投資と比較すれば、資金量をかなり抑えることができますが、最低投資額が1万円に設定されている不動産投資型クラウドファンディングサービスも多く、それと比較するとやや高い金額設定であると言えます。自身が投資できる金額のバランスによって、利用を検討してみると良いでしょう。
4-2.少額投資可能になってからの運用実績はまだない(2021年5月時点)
TSON FUNDINGでは不動産小口化商品の提供実績があるものの、最低投資額5万円からの少額投資やオンライン完結型のサービス提供を開始して間もなく、運用実績はありません。(2021年5月時点)
現状運用が終了しているファンドは、すべて利回り6.7%での分配化完了していますが、1口50万円から100万円の募集単位が設定されていたものです。
少額投資が可能になってからの運用実績はまだありませんので、投資については慎重に判断する必要があるでしょう。
4-3.すべての案件が少額投資に対応しているわけではない
TSON FUNDINGの最低投資額は5万円ですが、すべてのファンドが5万円から投資できるわけではありません。
2021年5月現在に募集されているファンドは2つあり、1つは1口1万円・最低5口からの募集、もう1つは1口50万円からの募集となっています。
そのため、5万円程度の少額投資を行いたくても、募集状況によっては利用できない可能性もあります。
TSON FUNDINGでの少額投資を希望する場合は、こまめにウェブサイトをチェックすると良いでしょう。
5.TSON FUNDINGの評判・口コミ
TSON FUNDINGに対する評判・口コミは下記のようになっています。
良い評判・口コミ
- 直近2回は競争率2倍以下、上場系なので注目している
- 会員登録がネットで手続きできるので楽
- 最低出資額が50万円から5万円になったのがいい
悪い評判・口コミ
- 情報が少なくて判断に困る
- 劣後出資が20%から10%に落ちている点は気になる
※上記はすべて個人の感想です。投資を検討される際は、ご自身でもよくお調べの上ご判断下さい。
良い評判としては、抽選方式の案件でも倍率が高すぎず当選しやすいといった意見がありました。今後の運用実績によっては、応募者が増加する可能性もあるため、動向についてはこまめにチェックしたいところです。また、より使いやすいサービスとなっていることを評価する声も見られました。
かつては最低投資額50万円・郵便でのやり取りを行ってきたTSON FUNDINGは、2020年の年末より最低投資額5万円・オンライン完結のサービスにリニューアルしています。
一方で、投資判断に必要な情報が少ない点や、劣後出資が案件によって20%から10%に変更されている点を懸念した声もありました。
6.TSON FUNDINGの始め方
TSON FUNDINGでの不動産投資を始める場合の手順は以下の通りです。
- 会員登録
- 出資者登録
- プロジェクトへの応募・出資
6-1.会員登録
TSON FUNDINGを利用する場合は、まず会員登録を行います。TSON FUNDINGのウェブサイトから会員登録ページにアクセスし、メールアドレスを入力して登録しましょう。
入力したメールアドレス宛に認証用メールが送付されるので、リンクをクリックして会員登録を完了させます。
6-2.出資者登録
会員登録が完了したら、マイページから出資者登録を行います。
氏名や住所などの情報を入力し、本人確認書類を提出します。その後、TSON FUNDING側で審査を行い、「本人確認ハガキ」が返送されます。
ハガキに記載されている本人確認IDをサイト上で入力することで、出資応募が可能となります。なお、審査内容に不備があった場合は、登録から2~5営業日以内に登録メールアドレスに連絡があるので、必ず確認して修正しましょう。
6-3.プロジェクトへの応募・出資
出資者登録が完了したあとは、募集中のファンドに応募できます。
案件によって先着順または抽選にて出資者が決まり、マイページとメールにて連絡があります。出資の権利を得た場合は、応募案件の詳細画面から契約成立時書面を確認して、出資確定のボタンを押下します。
指定された口座への入金を行い、所定の期日から運用が開始され、運用修了の翌々月までに配当及び出資金の振り込みがあります。
まとめ
今回は、TSON FUNDINGの評判やメリット・デメリットについて紹介しました。
TSON FUNDINGは特徴的な2種類のファンドを持ち、不動産AIを活用したサービスを提供する不動産投資型クラウドファンディングです。
これまでに10億円以上の運用実績があり上場企業が運営している点は特徴的ですが、最低投資額の少額化が始まってからまだ間もない点は注意したいポイントと言えます。
また、募集が抽選形式になっており、投資機会を得られない可能性があります。投資を検討する際は登録を事前に済ませておき、こまめにウェブサイトをチェックすることも検討しておくと良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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