不動産投資を検討し始める際に、ほとんどのケースでセットになるのがローンの話です。現在の不動産の価格相場に加えて、ローンでいくらまで借りることができるのか、金利はどれくらいかと調べていくと、ある銀行のサイトでは「ローン金利0.5%」となっているのに、他のサイトで調べてみると「ローン金利3.0%で借りることができました」「メガバンクでならローン金利1%台も狙える」などと書かれており、自分が借りる時には一体どちらの情報を信じればいいのか、分からないという悩みを抱えている方も少なくないかと思います。
この記事では、不動産投資を検討し始めた初心者の方向けに、不動産投資ローンと住宅ローンの違いを融資額や金利、融資期間などの点からまとめていきたいと思います。
目次
- 不動産投資ローンと住宅ローンの違いとは?
- ローンの借入目的の違い
- ローンの返済原資の違い
- 融資額・融資審査内容の違い
- 融資金利の違い
- ローン借入時の年齢制限の違い
- ローン返済期間の違い
- 融資審査内容の違い
- 法人名義でのローン契約の可否
不動産投資ローンと住宅ローンの違いとは?
不動産投資ローンと住宅ローンは何が違うのかということを、借入目的や融資金額など8つの項目で比較表にまとめました。これらの項目について、以下で一つ一つ詳しく見ていきましょう。(下表の数値や情報は2019年5月時点となります)
比較項目 | 不動産投資ローン | 住宅ローン |
---|---|---|
借入目的 | 投資収益(事業収益)を得る | 自宅として利用する |
返済原資 | 毎月の家賃 | 毎月の給与 |
融資金額の目安 | 年収の10倍~20倍程度 | 年収の5倍~8倍程度 |
融資金利の目安 (変動金利) |
年1.5%~4.5%程度 | 年0.5%~2.0%程度 |
年齢制限 | 条件次第で70歳以上も借入可能 | 65歳~70歳未満 |
返済期間 | 25年~35年 | 25年~35年 |
主な融資審査内容 | 物件の収益性+個人の返済能力 | 個人の返済能力 |
法人名義での契約 | 可 | 不可 |
ローンの借入目的の違い
不動産投資ローンと住宅ローンで最も大きな違いは、何のためにローンを利用するのかという「目的」の部分です。住宅ローンでは、自宅として住むために物件購入に不足している金額分をローンとして借り入れることになりますが、不動産投資ローンでは購入した物件を他人に貸すことで家賃収入を得ることが目的となります。
ローンの返済原資の違い
返済原資にも大きな違いがあります。不動産投資ローンでは、毎月の家賃収入が入るため、主な返済原資は家賃となりますが、住宅ローンでは借主の毎月の給与が返済原資となります。
なお、不動産投資ローンで購入物件の空室リスクが大きい場合(地方でアクセスが悪い・築古物件など)には、安定的な家賃収入が期待できないと判断されて融資評価も厳しくなるため、注意が必要です。
融資額の違い
不動産投資では、家賃収入がローンの主な返済原子となるため、借主の給与収入や貯蓄からの返済を想定する住宅ローンよりも融資額の上限は大きくなります。住宅ローンの場合は、年収に対して5倍~6倍程度の借入額が適切とされており、高くても年収の7倍~8倍程度となります。
一方、不動産投資では、借主の年収や資産に加えて毎月・毎年の家賃収入が加算されるため、借り入れることができる上限額は、年収の10倍から20倍程度までと住宅ローンに比べて大きくなります。
たとえば、年収の15倍程度まで借り入れることができるとすると、都内の新築アパート1棟1億円前後を、ローンで購入可能な年収の目安としては700万円前後という計算になります。勤務先や資産状況などが良い方は、年収が500万円前後でも1億円の借入を起こすことが可能となっています。
また、融資に強い不動産投資会社(融資付けの実績が豊富、提携金融機関が豊富など)から物件を購入する場合も融資額に大きな違いが生じます。
融資金利の違い
不動産投資ローンと住宅ローンでは、金利も大きく異なります。住宅ローンは、返済原資を給与としているぶん、貸し倒れになるリスクが少なく、金利は0.5%~2.0%程度と低く借り入れることが可能です。
一方、不動産投資ローンは、住宅ローンよりも貸付金額が増えることに加えて、家賃収入が想定通りに入ってこなかった場合に貸し倒れてしまうリスクがあるため、金利も1.5%~4.5%と高い水準になります。
不動産投資のなかでも比較的リスクが小さい2,000万円~3,000万円の新築ワンルームマンション投資などであれば、借入金利も1.5%~3.0%程度と低くすみます。中でも金利1%台の融資金利がついているケースは、東京23区や横浜などの大都市圏・駅徒歩10分以内・新築物件や築浅物件など、入居者にとっても条件の良いマンションとなります。金利1%台での融資付け実績が豊富な会社の不動産投資セミナーなどを活用して、実際の物件イメージや収支イメージをつかむのも良いでしょう。
一方、比較的リスクが大きい1億円~2億円のアパート投資や築古物件などは金利が2.0%~4.5%と高い水準になりますので、2%後半から3%台の高い借入金利の際には購入後のキャッシュフローなどにも注意が必要です。
なお、アパート経営の分野でも金利1%台の融資付け実績が豊富な会社もありますので、まずはそういった会社の不動産投資セミナーなどで、融資に関する最新情報や金融機関から高い評価を受けられる物件の見極め方などの情報収集を始めてみるとよいでしょう。
ローン借入時の年齢制限の違い
住宅ローンでは、給与収入を主な返済原資としているため、ほとんどの銀行で定年前までの年齢(65歳~70歳未満)という借入上限が設けられています。一方、不動産投資ローンでは、主な返済原資は家賃収入となるため、購入する物件や資産状況などが良ければ70歳を超えていても融資がつくことがあります。
そのため、相続対策の手段として不動産投資を活用したいという高齢の方が、ローンを組んで物件を購入するといったように柔軟な投資を行うことが可能となっています。
ローン返済期間の違い
返済期間は、住宅ローンと不動産投資ローンでそれほど大きくは違いませんが、不動産投資ローンのなかでは、建物の耐用年数によって返済期間が変わってきますので注意が必要です。
たとえば、マンションの場合は耐用年数が47年あるので、築10年の中古マンションを購入しても35年の返済期間がつくことが多いのですが、アパートなどの木造物件は耐用年数が22年しかないため、新築の場合でも30年の返済期間となったり、中古の場合は20年~25年の返済期間となったりする場合があります。
融資審査内容の違い
融資審査については、住宅ローンの場合は年収金額や勤務先・勤続年数、現在の資産状況・借入状況など、「属性」と呼ばれる借主の返済能力などが審査されます。一方、不動産投資ローンでは、借主の属性に加えて、どのような物件を購入するかという点も大きな審査ポイントとなります。
いくら属性がよくても、築古の木造物件などには融資がつかないことがありますし、逆に属性があまり良くなくても、都心のアクセスが良いエリアの新築ワンルームマンションへの投資に融資が下りることもあります。
物件をどう評価するかという審査基準に関しては、各金融機関で大きく異なるため、ある銀行では融資NGだったが、他の銀行ではOKがもらえたというようなことも起こります。
法人名義での契約の可否
法人名義でローンを契約可能家どうかも、住宅ローンと不動産投資ローンで異なります。住宅ローンの場合は、「物件に契約者が住む」ことが前提になるので、法人で契約することはできないということになりますが、不動産投資ローンの場合は、物件を貸して賃料を得るという「賃貸事業」になるので、事業を行う法人が契約主となることが可能となります。
まとめ
不動産投資を考える上で、不動産投資ローンは切り離すことができないものとなります。今回解説した住宅ローンとの違い(借入目的、返済原資、金利、融資額、融資審査など)をしっかりと理解した上で、不動産投資に臨むと良いでしょう。
また、すでにローンを借りている方で借り換えを検討している方は、現在の金利をどれだけ削減できそうか、無料で簡易診断してくれる下記のようなサービスなどもありますので、こういった診断もうまく活用して低い金利で借り換えができないかを検討されてみると良いでしょう。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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