失敗しないための不動産売却ガイド~売却の流れ、仲介手数料、譲渡税など

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不動産の売却は不動産投資の成否を分ける非常に重要なテーマです。この記事では、不動産売却の流れから、仲介手数料の仕組み、高値で売るポイント、売却時の譲渡税などについて詳しく解説をしていきます。

目次

  1. 不動産を売却するまでの流れ
    1-1.高い査定価格には要注意
    1-2.売却の相場価格を知るのに便利なサービス
    1-3.媒介契約の3つの種類とおすすめの契約形態
  2. 知っておきたい不動産仲介手数料の仕組み
    2-1.不動産仲介会社は売却価格を値下げしたほうが儲かる?
  3. 高値で売却をするポイント
    3-1.売却スケジュールに余裕を持つ
    3-2.売却目標価格と売却下限価格を決める
    3-3.端数価格にして、価格の魅力を引き上げる
    3-4.値引きの際は、お得感を演出する
    3-5.3ヶ月売れる気配がなかったら、仲介会社変更も検討
  4. 譲渡税の種類と売却タイミング
  5. まとめ

不動産を売却するまでの流れ

不動産を売却するまでの大まかな流れは下記のようになります。

  • 不動産の仲介会社に査定を依頼する
  • 仲介会社と媒介契約を結ぶ
  • 物件の販売用の図面を作成する
  • レインズ(不動産流通標準情報システム)に登録する
  • 広告を展開する
  • 内見に対応する
  • 不動産の売買契約を結ぶ
  • 不動産を引き渡す

高い査定価格には要注意

不動産の仲介会社から売却査定価格を提示される際、気をつけなければならない点があります。それは、「査定価格=売れる価格」ではなく、「査定価格=売り出す価格」だということです。高い査定価格がついたからといってその価格で売れるわけではなく、売り出してから1ヶ月・2ヶ月経っても内見希望者や買い手がつかなければ、売出しの価格を下げることになります。

なかには、売れないことが分かっているにも関わらず、目をひくためだけに最初に高値を提示する悪質な会社もありますので、査定価格の金額よりも「なぜその価格をつけたのか」「その価格で売れなかった時に、いつ・いくらを値引きするか」を聞いて、納得できる答えが返ってくる会社を選んだほうが良いでしょう。

売却の相場価格を知るのに便利なサービス

査定にあたって、相場観をつかんでおきたいという方は、以下のようなサービスを利用してみると良いでしょう。

媒介契約の3つの種類とおすすめの契約形態

媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3つの種類があり、それぞれの特徴を比較すると、下記のようになります。

比較項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼できる会社数 複数社に依頼可能 1社のみ 1社のみ
買い手を自分で見つけてくることができるか 可能 可能 不可能
契約が有効な期間 無制限 3ヶ月以内 3ヶ月以内
レインズへの登録義務 任意 あり あり
報告義務 なし 2週間に1回以上、文書で報告 1週間に1回以上、文書で報告

不動産売却の初心者にとっておすすめの契約形態は専任媒介契約となります。その理由は、専任媒介契約であれば、営業マンが積極的に売却の営業活動を展開してくれるためです。ただし、依頼ができるのは1社のみとなりますので、信頼できる会社かどうかを見極めるためにも査定価格の理由や売却の方針、定期報告の内容などをしっかりと確認してから臨みましょう。

知っておきたい不動産仲介手数料の仕組み

不動産売却において、仲介会社は必ずしも売り主の味方になってくれるとは限りません。その理由は、仲介手数料の仕組みにあります。

不動産の売買を仲介する際の仲介手数料は、売却価格の3%+6万円が上限とされています。これだけを見ると、「不動産の売却価格が高ければ高いほど仲介手数料が多くなるから、仲介会社も高く売ろうと頑張ってくれるはず」と思ってしまいますが、残念ながらそううまくはいきません。

なぜなら、不動産売買時の仲介手数料は、売り主だけではなく、買い手からも取ることができるためです。仲介会社が自分たちで買い手を見つけてきて、売り主と契約させることを「両手仲介」と呼びますが、これが不動産売却の話を複雑にしてしまうのです。

不動産仲介会社は売却価格を値下げしたほうが儲かる?

両手仲介の仕組みを踏まえて、具体的な売買ケースを考えてみましょう。たとえば3000万円で売り出した物件があったとします。仲介会社は3000万円で成約した時に、売り手から仲介手数料として次の金額を受け取ることができます。

売却価格3000万円×3%+6万円=96万円(片手仲介の手数料)

さらに仲介会社が自社で買い手を見つけて来た場合には、手数料は上記の倍額となります。

(売却価格3000万円×3%+6万円)×2=192万円(両手仲介の手数料)

厄介なのはここからです。仲介会社は、他の仲介会社を経由して買い手がついてしまうと、仲介手数料が片手仲介の金額96万円となってしまいますので、レインズという不動産流通のシステムに物件が掲載されて他の仲介会社から問い合わせが殺到する前に、できるだけ早く自分たちで買い手を見つけようとするインセンティブが働くのです。

たとえば、極端な話ではありますが、売り主に「今の価格では買い手がまったくつきません。思い切って大幅に値下げをしてみましょう」と打診を行い、売却価格を2000万円に下げる了承を得たとします。この時の仲介会社の両手仲介の手数料はいくらになるかを計算してみると、次の金額となります。

(売却価格2000万円×3%+6万円)×2=132万円(値下げ後の両手仲介の手数料)

つまり、仲介会社としては、物件の売却価格を1000万円値下げしたとしても、両手仲介で決めたほうが案件の利益は多くなるのです。これにより、仲介会社は物件を高く売ることよりも、素早く値下げをして売り抜けることにインセンティブが働くということになります。

媒介契約期間の3ヶ月の間に大幅な値下げの提案がある場合には、安易に値下げを行わずに3ヶ月後に他の会社に依頼をするということも検討をしたほうが良いでしょう。

なお、仲介会社に相談する際に「あらかじめ自分のほうでも、LIFULL HOME’Sやレインズ・マーケット・インフォメーションという情報サイトで相場価格を調べてみたんですが~」と伝えておくことで、仲介会社としても「この顧客は、無理に値引き提案をしないほうが良いな」と思わせることができますので、有効な自衛策となります。

高値で売却をするポイント

高値での売却を目指したい場合、仲介会社にすべてを任せているだけではいけません。以下のようなポイントをおさえた上で、仲介会社とコミュニケーションを取っていきましょう。

  1. 売却スケジュールに余裕を持つ
  2. 売却目標価格と売却下限価格を決める
  3. 端数価格にして、価格の魅力を引き上げる
  4. 価格を値引きする際は、お得感を演出する
  5. 3ヶ月売れる気配がなかったら、仲介会社変更も検討

売却スケジュールに余裕を持つ

まずは、売却スケジュールに余裕を持つことが大切です。「今すぐ売りたい」という姿勢だと、仲介会社からの無理な値引き提案や買主からの大幅な値引き要求にも応えざるを得なくなりますので、売却スケジュールには半年前後の余裕をもって臨まれることをおすすめします。

売却目標価格と売却下限価格を決める

次に、「物件が売れたら嬉しい」という売却目標価格と「この価格以上で売れないとまずい」という下限の売却価格を見積もっておきましょう。

売却目標価格は、新築で購入した価格とこれまでの家賃収入から費用を差し引いて算出した不動産投資の累計損益から、売却価格を算出すると良いでしょう。また、下限の売却価格については、ローンの残債や許容できる損失などから決めると良いでしょう。

この目標価格をまずは設定してみて、そこから「下限価格」に向けて値引きをしながら、徐々に反応を確かめていくことで、一番高い価格で売却できるようになります。

端数価格にして、価格の魅力を引き上げる

数ある物件の選択肢の中から買い手に興味を持ってもらうためには、価格の魅力度を引き上げる必要があります。売り主としては3000万円などキリの良い価格を設定したくなりますが、たとえば「2000万円台で購入したい」と考えている買い手を逃してしまう可能性がありますので、3000万円から少し値引きをして2000万円台に乗せることで買い手の母数を多く取ることができるようになります。

また、その際に「2980万円」のように「○○80万円」の形で価格を終わらせると、買い手の目を引きやすいことが広く知られていますので、テクニックとして頭に入れておくと良いでしょう。

価格を値引きする際は、お得感を演出する

目標価格を端数にして1ヶ月~2ヶ月間、売り出してみて反応が良くないようであれば、値引きを検討する必要があります。値引きの際に考えなければいけないのは、買い手が感じる「お得感」となります。

2480万円の物件が50万円値引きされると2430万円になりますが、買い手からすると百万円の桁数の部分が変わらないため、値引きに対するお得感をあまり感じることができません。この場合は、2480万円→2380万円(値引き率4%)などのように、5%前後の金額を値引きすることで買い手が見た際にインパクトを出すことができるようになります。また、値引き後もできる限り端数価格を意識するようにしましょう。

3ヶ月売れる気配がなかったら、仲介会社変更も検討

上記の取り組みを3ヶ月間続けて、それでも一件の内見も出ない場合は、最初の売り出し価格が高すぎた可能性か、仲介会社の営業力が低いという可能性があります。

売り出し価格が高すぎたかどうかは、冒頭でご紹介した相場観が分かるサービスを使ってみれば確認できるかと思いますので、もし売り出し価格や値引き後の価格が相場から大きく離れていないようであれば、不動産仲介会社の営業力が低い可能性が高いので、媒介契約の変更を検討してみると良いでしょう。

譲渡税の種類と売却タイミング

売却の際に税金面で注意をしなければいけない点が2点ありますので、ここでは売却時に課されることがある譲渡税についても解説をしておきたいと思います。

購入時と同じ価格で売れた場合も課税されるので注意

売却で得られたとみなされる利益を売却益もしくは譲渡益と言いますが、この譲渡益には「減価償却」という毎年割引かれていく建物の価値の金額分が含まれます。

たとえば、課税評価額2000万円の物件を毎年の確定申告で減価償却を累計500万円行っていた場合、次の年に2000万円で売却が成立したとすると、減価償却をした500万円分が課税対象となるということになります。つまり、購入した時と同じ価格で10年後に売れたとしても、10年間の減価償却費分が譲渡益となり、課税対象となるので注意が必要です。

譲渡税の計算式

課税譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

不動産を購入してから5年が経っているどうか

次に注意をしなければいけないのは、売却のタイミングです。譲渡税には「短期譲渡税」と「長期譲渡税」の2つがあり、不動産を購入してからの期間によって課税の金額が倍近く変わることになります。短期譲渡税は、譲渡(売却)した年の1月1日現在の所有期間が5年以下の土地や建物を売ったときに課される税金で、譲渡益に対して39.63 %(2017年度時点)が課税されます。譲渡(売却)した年の1月1日現在の所有期間が5年を上回っていれば長期譲渡税となり、20.315%の課税で済みます。

税金の種類 短期譲渡税 長期譲渡税
所得税 30.63% 15.315%
住民税 9% 5%

(※上記所得税には、復興特別所得税2.1%が上乗せされています)

まとめ:売却のポイントをおさえて、不動産投資を成功させよう!

不動産投資は、不動産を売却してはじめて利益が確定します。不動産投資の流れから、媒介契約の形態、仲介手数料の仕組み、効果的な価格の設定方法、注意すべき税金のポイントなどをおさえて、満足のいく売却を実現しましょう。

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