不動産投資で考えるべき7つのリスクは?具体的な対策も

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不動産投資で失敗をしないためには、起こり得るリスクに対して回避策・対処策を講じておくことが重要です。この記事では、不動産投資に関わる7つのリスクを整理し、リスクをコントロールする方法をご紹介します。

目次

  1. 空室リスク
  2. 家賃滞納リスク
  3. 家賃下落リスク
  4. 不動産価格の値下がりリスク
  5. 金利上昇リスク
  6. 天災リスク
  7. 税務リスク

空室リスク

空室リスクは、オーナーにとって避けては通れないリスクであると同時に、できる限りゼロに抑えたいものでもあります。物件選びの段階で、アクセスや周辺環境がよく、設備が整っている条件の物件を選ぶことはもちろん、周辺物件の価格相場や築年数に応じた柔軟な価格設定、リフォームによる差別化などにより、物件の競争力を引き上げていくことが必要となります。

最近ではサブリース契約で家賃保証をするケースも増えてきましたが、サブリースの契約書内には「数年に1回賃料の見直しを行う可能性がある」という点が記されています。契約段階では賃料が下がらないという甘い見通しでシミュレーションが作成されることも多く、家賃保証という言葉を信じていると、年を経るごとに賃料が切り下がって収益性や表面利回りが低下していくことになります。

空室率の解消にあたって賃料を引き下げるのは最も効果的ですが、値下げは慎重に対応する必要があります。たとえば、月賃料が5千円下がると、年間で6万円の収入が失われます。売却時に利回り5%の物件として売る場合を考えると、賃料の値下げをしなかった場合と比べて、年家賃収入6万円÷年利回り5%=物件価格120万円分の値下げを売却時にしなくてはならなくなる可能性があります。「空室が1ヶ月出るよりはマシ」と思って月の賃料を5千円値下げしてしまうと、将来的には120万円の損失になってしまう可能性があるのです。これが賃料値下げに慎重にならなければいけない理由です。

サブリース契約で毎月5%~10%の賃料収入を取られた上に、賃料自体まで下がってしまうと実質の利回りが大きく低下することになります。サブリースの契約に踏み切る前に、過去の利用者の声を参考にする、担当者と契約の詳細を確認する、などを自衛策として行うと良いでしょう。

家賃滞納リスク

不動産投資家にとって家賃滞納も悩みの種になることが多いリスクです。家賃滞納にも、故意と過失の2パターンがあります。過失には、引き落とし口座にお金を入れ忘れたというケース、期日までに振込が間に合わなかったケース、会社が突然倒産してしまって給与所得がなくなってしまったケースなどがありますが、こちらは連絡をしっかり取れば回収ができるケースです。

故意に家賃滞納を繰り返す入居者については、契約を解除して追い出してしまえばいいと考えがちですが、日本の法律は入居者を保護する内容となっているため、オーナーから一方的に退去させることは難しいのが現状です。

そのため、入居前のエントリーマネジメント(入居審査)を行い、近隣エリアで入退居を繰り返していないか、過去にトラブルや金銭問題などを抱えていないかといったことを調べて、入居者を厳しくチェックする必要があります。他には、保証会社の滞納保証システムを利用するという手もありますが、入居者に加入をしてもらうと入居者の費用負担が大きくなってしまうというデメリットがあります。

会社員の方の場合は不動産経営以外の本業があるため、「入居者の審査や滞納家賃の回収までする時間は取れない」という方も多いでしょう。そういった方のリスク回避手法としては、部屋の管理を専門の管理会社に任せてしまうことです。委託費用として家賃の5%~10%程度が毎月かかってしまいますが、入居者の審査から滞納家賃の回収まで面倒なことをすべて代行してくれるため、本業の仕事に注力することができるようになるというメリットがあります。

家賃下落リスク

家賃は新築時点とくらべて、築10年で5%~10%、築20年で10%~20%程度下落する可能性があります。都心など人気エリアでは下落率が低くなる傾向にあるものの、まったく下がらないという想定で考えていると、足元をすくわれることになってしまいます。

以下は、三井住友トラスト基礎研究所が2013年に発表した築年数と賃料のグラフとなります。東京23区の賃貸マンションを対象に分析をしたもので、シングル(ワンルームマンション)のタイプだと築10年で新築時の賃料の89%、築20年で新築時の賃料の83%となっています。

理論賃料推移
【図1】参照ページ:三井住友トラスト基礎研究所「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」

サブリース契約などを結んでいる場合、想定していたよりも家賃の下落幅が著しく大きいケースでは、管理会社と賃料見直しについてきちんと話し合いをしたほうがよいでしょう。

不動産価格の値下がりリスク

不動産価格の主な値下がり要因は、物件の収益力低下、土地(エリア)のブランド低下、景気動向や融資環境の変化の3つとなります。物件の収益力は主に賃料収入によって決まります。

現在の物件価格は、収益還元法という収益から逆算して物件価格を算出する方式で決定されることが多くなっていますので、高い賃料を維持できている物件は価格も高水準となります。高い賃料を維持するには、建物と部屋の2つを良好な状態に管理することが必要で、これが「不動産は管理で買え」といわれる所以です。

大手ディベロッパーのブランドマンションは、物件価格や管理費が高いものの建物管理がしっかりとしていることが多く、価値を大きく落とさずに済むケースも少なくありません。部屋の維持管理に関しては、エントリーマネジメントという入居前の審査で、部屋を汚く使う可能性がある人を選別することが大切です。

最近は、管理会社もエントリーマネジメントに力を入れることが多くなってきましたので、管理会社を決める前にどのような入居審査をしているかを確認してみると良いでしょう。

土地(エリア)のブランド低下は、新興住宅地や人口が減少するエリアなどで見られます。エリア選びにおいては、とにかく実需に目を向けることが大切です。「いま人気だから」という理由だけでなく、今後も賃貸需要が見込めるかどうかを確認すると良いでしょう。

たとえば、大手町・虎ノ門・八重洲エリア、銀座エリア、日本橋・京橋エリア、渋谷・品川エリアなどでは、2020年以降も再開発プロジェクトが予定されており、商業ビルの増加、企業の集積や雇用創出、利便性の向上などが想定されます。こういったエリアの周辺では賃貸需要も伸びていくことが予想されるため、値下がりリスクを低く抑えることができます。また、日本全体の話で言えば、大震災のようなことがあると「日本で不動産投資を持つのは危ない」という認識が強くなり、一時的に価格が下落する可能性があります。

立地面で特にこだわって仕入れを行っているのがプロパティエージェントという東証プライム上場グループの不動産投資会社です。「資産性」×「収益性」×「変動率」の三軸から捉えたデータをもとに、50項目におよぶ独自の条件をクリアした用地のみを仕入れて企画・開発。主要なエリアとしては、都心6区・台東区・墨田区の人口動態の大きい区で約50%、駅徒歩5分以内が約60%となっています。入居者の利便性が高く、需要が長期で見込まれる土地を選ぶことで、不動産価格の値下がりリスクを抑えながら投資を進めることができます。

最後の景気動向や融資環境の変化という点は、日銀や政府が不動産バブルの防止策などを展開した際に起こると想定されるリスクです。たとえば、現在の不動産投資では、頭金1割前後で年収の7倍~10倍程度を目安としてローンで不動産を購入することができますが、頭金の比率の引き上げや、融資金利の引き上げなどがあると、不動産を購入できる母数が減ってしまったり実質的な利回りが低下してしまったりという状況が想定されます。

そうすると、買い手がつきづらくなり、不動産が値下がりしていく流れとなります。このリスクを回避することは難しいので、融資制度や金利の動きを定期的にチェックして融資環境が大きく動きそうだと思ったら売却を検討するか、売却自体をしないローン完済プランで進めていくとよいでしょう。

金利上昇リスク

不動産投資では、多くの場合、ローンを組んで物件を購入することになります。その際に、変動金利でローンを借りていると金利が上昇した際に返済額が増えるというリスクがあります。たとえば、2000万円を金利2%で借りたときと3%で借りたときの返済額の差は、総額で450万円も多くなりますし、毎月の返済額も1万円以上も増えることになります。

  • 2000万円・金利2%:返済総額27,826,073円、月返済額66,253円
  • 2000万円・金利3%:返済総額32,327,416円、月返済額76,970円

現在の金利水準から考えて、返済期間中に金利が上がる可能性は高いとは思いますが、金利が上昇したとしても返済が滞らないようにぎりぎりの返済計画を建てないことや、ある程度の現金を手元に残しておくことが大切です。

もちろん、金融機関側も金利が上昇すれば返済に影響が出ることは理解をしているので、ある程度の相談の余地はありますが、金利上昇時に慌てて返済計画を見直す人よりも、金利上昇を見通してきちんと返済をしてくれる人のほうが貸し先として信用できることは間違いありません。

不動産投資はローン融資と切り離せないものですので、金融機関が貸したくなる借り主を目指すことをおすすめします。なお、返済期間中に残債がある程度減少していれば、金利の引き下げ交渉や金利が安い金融機関への乗り換えも可能となりますので、返済開始から数年間は、きちんと金利を返せるように前もって準備しておくことが一番のリスク回避につながります。

天災リスク

地震などの天災は、不動産投資の代表的なリスクの一つです。地震による影響は、建物倒壊だけに限らず、火災や地盤沈下・液状化、観光客の減少、企業の移転、海外投資家のリスク回避など多岐にわたります。たとえ地震が起きたとしても、不動産の資産価値や収益力ができるだけ低下しないようにリスクヘッジをしておくことが大切です。

建物倒壊に関しては、実際に倒壊してしまった時のための地震保険に加入しておくことはもちろん、倒壊しない建物を選ぶことも重要です。1981年以降に建てられた建物に関しては、新耐震基準というものを満たしていますので、大きな地震の際にも倒壊を免れる可能性が高くなります。また、地盤沈下や液状化に関しては、液状化の予測図などであらかじめ地盤を調べておくことで回避することができます。

液状化予測東京都建設局「液状化の予測図」 (平成24年度改訂版)

大きな地震が発生したあとはどうしても悲観的になりがちで、不動産の投げ売りや買い控えのような行動を取ってしまいますが、徐々に購入意欲も回復してきますので、パニック的な行動を取らずに辛抱強く待つ姿勢も重要です。

最近では、台風などによる川の氾濫・浸水などのリスクへの意識も高まっています。過去の浸水状況は自治体がサイトなどで公開していますので、しっかりと確認をしてから土地を選ぶようにしましょう。

税務リスク

不動産に関わる税金は、固定資産税や不動産取得税、登記にかかる費用、所得税や相続税などがあります。これらをしっかりと払わないと申告漏れに対する追徴課税や延滞金の支払いなどが発生してしまいます。また、不動産投資は賃貸事業ということで費用計上もできますが、節税対策で色々な経費を計上している場合、税務調査の際に経費として認められずに追徴課税が発生するリスクもあります。

税金支払いや確定申告に関することは自分だけで判断することはできるだけ避けて、税理士にアドバイスを受けながら進めていくと良いでしょう。

不動産投資のリスクが学べる無料セミナーは?

今回ご紹介したリスク以外にも、実際の失敗事例から取るべきリスク対策を知っておくことも大切です。

不動産投資大手会社のシノケンプロデュースが開催する不動産投資セミナーでは、「人生100年時代を支える資産づくり」をメインテーマに、不動産投資の失敗事例から対策するべきリスクとその回避方法、自己資金を抑える方法、満室経営のポイントなどがわかります。セミナーでは、「将来が不安だけど何から取り組んでいけばいいか分からない」という方や「不動産投資に興味はあるけど失敗するのが怖い」という方でも、わかりやすい事例や最新の業界情報に触れながら、資産形成や不動産投資をどのように始めればいいかのエッセンスを得ることができます。

老後までにいくら必要か、年金はいくらもらえるか、今後の日本はどう変わっていくのか、その状況に対してどう資産形成や運用に取り組んでいけばいいか、といったことなどについても改めて学ぶことの多いセミナーですので、気になる方は足を運んでみるのも良いでしょう。

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会社名 シノケンプロデュース
セミナーURL https://www.shinoken.com/
本社所在地 東京都港区浜松町二丁目3番1号 日本生命浜松町クレアタワー
設立年 2007年
資本金 70億円(2023年4月1日現在) ※グループ全体
売上高 1,045億25百万円(2022年12月期) ※グループ全体
社員数 1,107名(2022年12月末現在) ※グループ全体
上場有無 非上場
サービス理念など 土地がなくても、頭金が少なくてもアパート経営はできる

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