始める前に知っておきたいロボアドバイザーのメリット・デメリット

ロボアドバイザーとは、投資家の代わりに人工知能(AI)が自動的に資産運用するサービスのことです。これまでの投資への関わり方を大きく変える画期的な資産運用サービスと言われています。

しかし、ロボアドバイザーは最近よく見かけるようになってきたサービスのため、使い方や、そのメリットやデメリットについて、まだ詳しくは知らないという方も少なくないかと思います。

そこで、この記事ではロボアドバイザーを利用して投資するメリットとデメリットについて詳しく解説していきたいと思います。

目次

  1. ロボアドバイザーとは?
  2. ロボアドバイザーの9つのメリット
    1. 少額から投資を始められる
    2. 投資の知識がなくても始められる
    3. 手間がかからない
    4. 感情に左右されずに資産運用する
    5. 利用者に最適な資産配分を決定する
    6. 運用コストが安い
    7. ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談する必要がない
    8. 口座に入れたお金をすぐに引き出せる
    9. 確定申告不要の特定口座がある
  3. ロボアドバイザーの4つのデメリット
    1. 株式投資よりも運用コストが高い
    2. 投資経験を積むことが難しい
    3. 短期的に大きな成果は望めない
    4. 元本割れのリスクがある
  4. まとめ

1 ロボアドバイザーとは?

ロボアドバイザー(通称ロボアド)は、人工知能(AI)を利用したインターネット上の資産運用サポートや資産運用の一任システムのことで、利用者が質問に回答することによって、その利用者の資産運用の目的やリスク許容度を考慮した合理的な投資配分を提案、もしくは資産運用をしてくれるサービスです。

少額からスタートできる、各種の手数料が安い、運用の手間がかからないといったメリットがあるため、20代から30代の若手層を中心として急激な成長が見られています。

サービスが普及した背景には日本でもネット証券が一般的となったことやフィンテックが浸透してきたことなどが挙げられます。もともとはアメリカ発祥のサービスですが、日本でも2016年頃から認知が進み、大きな盛り上がりを見せています。

2 ロボアドバイザーの9つのメリット

ロボアドバイザーには「少額から始められる」「初心者が始めやすい」「手数料が安い」などさまざまなメリットがあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

 2-1 少額から投資を始められる

投資を始めるに当たり、少なくとも数十万円以上の資金が必要だと思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ロボアドバイザーの場合は100円から投資を始めることができます。

例えば、松井証券が取り扱う投資サービス「投信工房」では、ロボアドバイザーの最低投資金額は100円と、最も安く資産運用を始めることが可能です。このほか、マネックス証券の「マネラップ」では毎月1000円から、証券会社ではなく一般のベンチャー企業が立ち上げた投資一任型の「THEO(テオ)」では毎月1万円から始めることが可能で、毎月の積み立ても可能です。

同じく投資一任型の「WealthNavi(ウェルスナビ)」と楽天証券の「楽ラップ」はそれぞれ10万円となっています。

いきなり大金を注ぎ込むことに抵抗がある投資初心者の方でも、ロボアドバイザーを利用すれば、少額から始めて様子を見ながら徐々に投資額を増やしていくことが可能です。

2-2 投資の知識がなくても始められる

一般的に資産運用を始めるには投資に関する知識が必要ですが、ロボアドバイザーは特別な投資知識を必要とせずに資産運用を始められます。

例えば投資信託は、投資家たちから集めたお金を運用のプロであるファンドマネージャーが金融市場に投資して、その成果を投資家に還元する仕組みですが、投資一任のロボアドバイザーはこれと同じように資金を預けて運用をしてもらうことができるサービスです。

用意された複数の質問に回答し、口座を開設して最低投資金額以上のお金を入金するだけで、あとはロボアドバイザーが資産運用をするために必要なことを投資家の代わりに行います。

ロボアドバイザーがどのような投資をしているのかを確認するための知識は最低限必要になりますが、独学でゼロから投資の勉強をして試行錯誤を繰り返しながら資産運用を行うよりも、ロボアドバイザーを利用するほうが投資を始めるハードルは低く、さらに効率的に勉強することが可能です。

2-3 手間がかからない

ロボアドバイザーの利用者が感じるメリットは「手間がかからない」という点です。

投資一任型のロボアドバイザーの場合、利用者の回答内容に従って、自動的に投資銘柄を選ぶ、分散投資をするなど資産運用のすべてを任せることができます。

さらに、提案当初の資産配分(=ポートフォリオ)を維持するため、必要に応じて自動でリバランス(=メンテナンス)してくれますので利用者の手間を必要としません。言い換えれば、ほぼ“ほったらかし”で資産運用することが可能です。

そのため、投資初心者でも、仕事が忙しい人でも、手間と時間をかけずに資産運用することができます。

2-4 感情に左右されずに資産運用する

投資では、株の上昇局面や下落局面など、その時々の感情によって大きく損をすることがあります。

「株がもっと上昇するのではないか」「これ以上は下落しないのではないか」と希望的観測で判断することが多々あります。例えば下落局面では、早めにロスカット(一定の損失が出た場合に損失を確定すること)しないと大きな損害を被ることになるため、冷静な判断が求められます。

一方、人工知能であるロボアドバイザーには感情がないため、一定のルールやデータの分析結果などからロスカットや買い戻しなどの投資判断・提案を素早く行ってくれます。「焦り」や「不安」といった感情に左右されずに、データやルールに基づいた資産運用をすることが可能になるという点は、価格の動きに対して適切な判断が難しいと考えている方にとっては非常に大きなメリットです。

2-5 利用者に最適な資産配分を決定する

資産運用をする上で、投資銘柄の資産配分は重要なポイントです。「リスクをどのくらい取るのか」「リターンを重視するのか」によって、資産配分は変わってきます。ただ、地域や銘柄ごとの特性、その後の価格予想など情報収集や分析が必要となる範囲は非常に広いため、投資初心者にとってポートフォリオの作成は最初の関門となります。

しかし、ロボアドバイザーは利用者の回答内容に従って資産運用の目的やリスク許容度などに応じて適したポートフォリオを自動的に作成してくれます。つまり、リスクを恐れずに投資をしたい人には「ハイリスク・ハイリターン」な資産配分を、リスクを避けたい人には「ローリスク・ローリターン」な資産配分をそれぞれ作成して運用してくれるというメリットがあります。

2-6 運用コストが安い

通常、投資信託を始める場合、信託報酬(投資信託の管理手数料)のほかに購入手数料や信託財産留保額(投資信託を解約する際に支払う費用)が必要ですが、ロボアドバイザーを始める際は、購入手数料と信託財産留保額は不要です。

先ほど取り上げたTHEOを例に上げると、売買手数料や、委託手数料・為替手数料などは投資一任報酬の中からTHEOが負担するため、ユーザーには年率1%(税抜き)の投資一任報酬以外の負担がかからず、THEO側も手数料を増やすための不必要な取引を行うというインセンティブが働かないという仕組みになっています。

なお、ロボアドバイザーは、信託報酬のほかに「サービス手数料」がかかりますが、預ける資産の1%前後が一般的です。一方、投資信託の購入手数料は2〜3%となります。資産運用が長期に渡る場合、信託報酬などの手数料が安いほどコスト削減につながります。

2-7 ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談する必要がない

従来、投資を始める場合、証券会社やファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談することが一般的でしたが、ロボアドバイザーが普及したことで専門家に相談することが必ずしも必要ではなくなりました。

専門家に相談する時間やコストが不要となるため、その分を仕事やプライベートなどに充てることが可能となります。

2-8 口座に入れたお金をすぐに引き出せる

金融商品の中には、定期預金のように1度口座に入金したお金は、一定期間引き出せないものもありますが、ロボアドバイザーはすぐに引き出すことができます。

ただ、期待する分散投資効果を維持するために出金できる金額に制限を設けているものもありますので、入金前にしっかりと確認をしておいたほうが良いでしょう。

たとえば前出の「THEO」では口座残高が10万円を下回った場合、口座解約扱いとなるため注意が必要です。

2-9 確定申告不要の特定口座がある

ロボアドバイザーの口座には、「一般口座」と「特定口座」の2種類があります。

一般口座は確定申告する際に必要になる年間取引報告書を自分で作成し、確定申告を行う必要があります。

一方、特定口座は年間取引報告書を証券会社が作成するものです。特定口座には「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」の2種類があり、前者の場合は確定申告する必要がなく、後者の場合は確定申告する必要があります。

そのため、特定口座(源泉徴収なし)を開設すれば、年間取引報告書を作成する必要はなく、確定申告をする必要もありません。

3 ロボアドバイザーのデメリットとは?

ロボアドバイザーには次のようなデメリットがあります。それぞれ確認していきましょう。

3-1 株式投資よりも運用コストが高い

ロボアドバイザーのメリットとして、「投資信託より運用コストが安い」ことが挙げられますが、デメリットは「株式投資より運用コストが高い」ことです。

証券会社には、総合証券とネット証券がありますが、手数料を比べるとネット証券のほうが安くなりますが、その総合証券の手数料よりもロボアドバイザーの手数料のほうが高くなります。

しかし、ロボアドバイザーでは「投資銘柄を買い付け」「資産配分」「リバランス」までを一任することができるため、利便性を重視するなら「ロボアドバイザー」、コストをできるだけ抑えて自分の力だけで投資をするなら「株式投資」などと使い分けても良いでしょう。

3-2 投資経験を積むことが難しい

資産運用を代わりに行ってくれるのが投資一任型のロボアドバイザーのメリットですが、利用者は何もせずとも投資ができてしまうため、特に投資初心者の場合、投資経験を積むことが難しくなる点がデメリットとなります。

しかし、これはロボアドバイザーの使い方次第ともいえます。というのは、ロボアドバイザーの運用の仕方を注意深く観察することで、資産運用の考え方や方法を学ぶことができるからです。

また、ロボアドバイザーのサービスサイトやスタッフブログなどでは、資産運用の考え方や方法を学ぶためのコンテンツが用意されているケースもあります。

ロボアドバイザーに全てを任せきりにしないで、自分でも資産運用について考えてみる、積極的に学んでみるということはとても大切なことです。

3-3 短期的に大きな成果は望めない

ロボアドバイザーは、FX(外国為替取引)などは短期間で大きな利益を生むことができる投資手法とは異なり、長期的に資産を運用していく保守的な投資手法になります。

そのため、ロボアドバイザーは「長期間にわたって着実に資産を増やしていきたい」という投資家に向いています。将来に向けて、じっくりと投資をしていきたい方に向いていると言えるでしょう。

3-4 元本割れのリスクがある

投資を始める理由として、「お金を増やすため」という人がほとんどですが、投資には「元本割れ」というリスクがあります。元本割れとは資産運用した結果、初めの投資金額を下回ることです。

投資の一種であるロボアドバイザーも、元本割れのリスクがあります。そのためロボアドバイザーを始める際は、元本割れリスクがあることを認識しておく必要があります。

4 まとめ

この記事では、ロボアドバイザーを利用して投資するメリットとデメリットについて解説してきました。

ロボアドバイザーを利用する手軽さから「資産運用を始めてみようか」と感じた人もいるのではないでしょうか。

投資を始める際はメリットだけでなく、リスクもきちんと把握してから取り組むようにしましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチームは、ロボアドバイザーや金融知識が豊富なメンバーがロボアドバイザーの基礎知識から投資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」