証券会社が提供するロボアドバイザーの機能・評判は?4社を比較

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ロボアドバイザーはAIを活用して資産運用のアドバイスや実際の運用などをしてくれるサービスです。最近はフィンテック企業や資産運用会社が初心者向けとして様々な投資支援サービスを提供する中、金融商品の取り扱いにおいて高い専門性を持つ証券会社もロボアドバイザーに力を入れています。

そこでこの記事では、証券会社が提供するロボアドバイザーの特徴や評判、選び方を詳しくご紹介していきます。ロボアドバイザーに関心のある方、各特徴を比較しながら選びたい方は参考にしてみてください。

目次

  1. 証券会社が提供するロボアドバイザーとは
  2. 証券会社が提供するロボアドバイザーの機能・評判を徹底比較
    2-1.投信工房
    2-2.楽ラップ
    2-3.fund eye
    2-4.投信ロボ
  3. 証券会社が提供するロボアドバイザーの選び方
    3-1.助言型or投資一任型
    3-2.コスト
  4. まとめ

1 証券会社が提供するロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーとは、AIのアルゴリズムを活用して、投資商品の選定や資産の配分をアドバイスするほか、中には投資家に代わって運用まで行ってくれるサービスもあります。事前に簡単な質問に答えることで投資家に合わせたリスク許容度を判定し、それに合わせて商品の選定などをしてくれます。

リスクを抑えて効率的に投資できるように資産配分(ポートフォリオ)などもアドバイスしてくれるため、初心者の方でも運用しやすいのが特徴です。また、サービスによっては少額から積立投資できるため、資金や時間の無い方は投資一任型のロボアドバイザーで手間暇をかけずに長期間投資を継続することも可能です。

なお、ロボアドバイザーの種類は、おもに投資商品やポートフォリオなどの提案だけをしてくれる「助言型」、実際に運用まで行ってくれる「投資一任型」に分けられます。

助言型は、金融商品の選定やポートフォリオなどのアドバイス(助言)をしてくれるロボアドバイザーで、投資家自身がアドバイスを基に金融商品の売買などを行います。

投資一任型は、助言型と同様に商品選定やポートフォリオの提案をしてくれますが、その先の運用も投資一任契約に基づいて事業者側が行ってくれるサービスです。

ロボアドバイザーの手数料は、助言型の場合は基本的に無料のため、購入する投資信託の信託報酬等が主に発生するコストとなります。

一方、投資一任型は運用までしてくれるサービスなので、運用管理の手数料として運用資産の0.5~1%程度の手数料がかかります。助言型よりも運用コストは高くなるため、長期運用を予定している場合、手数料の安いサービスを選ぶこともポイントになります。

2 証券会社が提供するロボアドバイザーの機能・評判を徹底比較

証券各社が提供している助言型と投資一任型のロボアドバイザーをご紹介します。それぞれの機能や運用コストなどを比較しながら確認してみましょう。

サービス名
(証券会社)
タイプ 運用商品 主な機能 運用コスト
投信工房
(松井証券)
助言型 投資信託 ・ポートフォリオの提案
・投資信託の選定
・リバランス機能
無料(投資信託の信託報酬等として年率平均0.37%・税込を別途負担)
fund eye
(SMBC日興証券)
助言型 投資信託 ・ポートフォリオの提案
・投資信託の選定
・リバランス機能
無料(購入する投資信託の信託報酬等のみ別途負担)
楽ラップ
(楽天証券)
投資一任型 投資信託 ・ポートフォリオの提案
・投資信託の選定
・自動リバランス
・自動積立サービス
・下落ショック軽減機能(DRC機能)
・固定報酬型
運用資産残高の0.715%
・成功報酬併用型
資産運用残高の0.605%+運用益の5.5%
投信ロボ
(岡三オンライン証券)
助言型 投資信託 ・ポートフォリオの提案
・投資信託の選定
・1本の銘柄に絞ったバランスファンドの提案
・積立シミュレーション
無料(購入する投資信託の信託報酬等のみ別途負担)

2-1 投信工房

松井証券が提供する投信工房は無料で利用できる助言型のロボアドバイザーです。実質的に負担する手数料は、購入する投資信託の信託報酬等(年率平均0.30%、2022年7月2日時点)のみとなっており、低コストでの運用を行えるのが特徴です。

また、リバランス機能が充実しており、一度設定するだけで年4回までポートフォリオのリバランスを予約できるほか、松井証券の投信積立を利用することで100円から毎日や毎週、毎月など自分で決めたタイミングで積み立てることができ、少額から資産運用を始められます。

投信工房の評判

投信工房を利用しているユーザーから、以下のような意見や感想が寄せられています。

  • 「他のロボアドバイザーより手数料が安い」
  • 「100円から積立可能なため、初心者でも無理なく始められる」
  • 「商品の購入やリバランスの設定は面倒くさい」

※いずれも個人の感想です。サービスに関してはご自身でもよくお調べの上、ご利用の判断をしてください。

投信工房は助言型ロボアドバイザーのため、手数料の安さが多くの投資家に評価されています。また、松井証券の口座を利用すると少額から自動で積み立てができる点も評判となっています。

しかし、商品の購入やリバランスの設定などを投資家自身が行わなければならず、手間がかかる点をデメリットとして挙げる利用者もいます。

2-2 楽ラップ

楽天証券の提供する楽ラップは商品やポートフォリオの提案だけでなく実際に運用までしてくれる投資一任型のロボアドバイザーです。

楽ラップでは資産運用する際に手数料が発生し、固定報酬型と成功報酬併用型の2つの料金体系から選択することができます。運用まで自動で行ってくれるサービスのため、ロボアドバイザー自体の利用料が無料となる助言型よりも運用コストは高くなっています。

機能面では、株式市場の大きな値動きがあったときに自動で株式の投資比率を下げてくれる下落ショック軽減機能(DRC機能)なども搭載されており、資産運用をお任せしながらもリスク軽減を図れる点も特徴の一つです。

楽ラップの評判

楽ラップを利用しているユーザーから、以下のような意見や感想が寄せられています。

  • 「運用手数料が他社の投資一任型より安く、2つの手数料を選べる」
  • 「下落ショック軽減機能(DRC機能)によりお任せでもある程度のリスク軽減が可能」
  • 「スマホアプリがないのは残念」

楽ラップでは、2つの手数料体系から選択可能で、他社の投資一任型ロボアドバイザーと比べても相対的に安い手数料水準となっている点も高評価です。また、下落ショック軽減機能によりリスクを抑えられる点も評判となっています。

一方、スマホアプリが無い点はデメリットの一つです。特に、入出金の操作等を頻繁に行う利用者からはスマホアプリの実装を望む意見も挙がっています。

2-3 fund eye

SMBC日興証券のfund eyeでは、初めて投資をする方向けの銘柄選定機能が搭載されており、事前質問の回答内容から利用者の条件に最も合う投資信託をセレクトしてくれます。利用手数料はかからず、投資信託を購入する場合の信託報酬等が実質的な運用コストとなります。

また、既に投資信託で運用している方には、保有している投資信託を入力することで「現在のポートフォリオが理想のものとどれくらい一致しているか」「理想のポートフォリオに近づくためにはどの商品をいくら購入すれば良いか」などを具体的な数字で教えてくれるのも特徴です。

fund eyeの評判

fund eyeを利用しているユーザーから、以下のような意見や感想が寄せられています。

  • 「初めて投資信託を購入する際に利用した」
  • 「リバランス機能を利用するとポートフォリオを維持するのに必要な銘柄が分かる」
  • 「手数料の高い銘柄を提案されることもある」

fund eyeに関する評判では、初心者だけでなく投資経験者からも商品選定やリバランスを評価する声が目立ちます。特にリバランス機能は具体的にどの銘柄をどれくらい買えば良いかなど分かりやすい点が高評価となっています。

なお、fund eyeのリバランス機能では、投資信託を購入する際に「コスト重視」または「利益重視」のどちらかを選択することができます。ただし、「利益重視」の場合、運用実績があっても手数料の高い銘柄が選ばれることもあるため、留意しておきましょう。

2-4 投信ロボ

岡三オンライン証券の提供する投信ロボは、年齢や投資経験などの簡単な質問に答えることで6つの資産カテゴリーごとに最大3本の投資信託を提案してくれるほか、複数の銘柄で運用することを希望しない場合、1本の銘柄にまとめたバランスファンドのみを提案してくれる点が大きな特徴です。

投信ロボの評判

投信ロボを利用しているユーザーからは、以下のような意見や感想が寄せられています。

  • 「分散投資が面倒な人にとってはバランスファンド1本で提案してくれるので手軽」
  • 「信託報酬の安い銘柄のみを提案してもらえる」
  • 「リバランスの機能がないのは残念」

投信ロボでは、低コスト銘柄のみ提案してもらうことも可能で、運用コストを抑えながら資産運用できる点も高評価です。一方、資産配分を調整してくれるリバランス機能は付いていないため、分散投資を図る上で手間に感じるという意見もあります。

3 ロボアドバイザーの選び方

証券会社が提供するロボアドバイザーを選ぶ際は、以下のポイントが参考になります。

3-1 助言型or投資一任型

ロボアドバイザーを選ぶ際、最初に助言型と投資一任型のどちらを選択するか決める必要があります。両者の大きな違いは、積立やリバランスなどの運用を自身で行うか、事業者にしてもらうかです。

例えば、忙しくて資産運用の時間が取れない方は自身で積立やリバランスを頻繁に行うことも難しいため、運用コストが多少高くなっても投資一任型のロボアドバイザーを利用したほうが無理のない投資を続けることができます。

一方、積立やリバランスなどの資産運用に時間を取れる場合で、商品の選定やポートフォリオの構築に自分の意見を反映させたい方は、助言型のロボアドバイザーが適しています。ロボアドバイザーのアドバイスを参考することで、将来自分で運用を行う際の投資知識や経験の蓄積にも繋がります。

このように、ロボアドバイザーを利用する方の状況や資産運用に対する考え方を反映させることも重要です。その上で、機能面なども見比べながら選定することで、利用者によりマッチしたロボアドバイザーを選択しやすくなります。

3-2 コスト

ロボアドバイザーの利用は長期間の運用によって利益を生み出すことが大きな目的です。しかし、期間が長くなればなるほど、運用コストの高いサービスは負担も大きくなり、運用益が出ても手元に残る資産は少なくなります。そのため、少しでも運用コストの負担が少ないロボアドバイザーを選択することも重要なポイントです。

特に助言型ロボアドバイザーは、NISAやつみたてNISAなどの非課税制度を利用しながら運用が可能です。一方、ほとんどの投資一任型は基本的にNISAやつみたてNISAを利用することができません。

非課税制度によって利益に税金が課されないロボアドバイザーを選べば、運用コストの軽減に繋がります。このように税負担なども考慮した上で、コスト負担の少ないロボアドバイザーを選択することが大切です。

まとめ

証券会社が提供するロボアドバイザーは大きく助言型と投資一任型に分かれ、機能や運用コストなども各社でそれぞれ異なります。そのため、ご自身の投資目的や運用スタイルも考慮しながら、最も合うロボアドバイザーを探すことが大切です。

なお、ロボアドバイザーはプロの投資家の運用方針などを取り入れていますが、利益が必ず出る等の保証はありません。市場環境によっては投資の元手が減ったり元本割れも起こしたりする可能性もあるほか、短期間で運用成果が出にくいという特徴もあるので、慎重に選びましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチームは、ロボアドバイザーに関する知識が豊富なメンバーが投資の基礎知識からロボアドバイザーのポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」