金(ゴールド)に投資できる投資信託・ETFのおすすめは?特徴やファンド比較

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実物資産で需要の高い金は、相場急変時のリスク対策や分散投資先としてよく利用されていますが、現物保有は盗難や紛失のリスクを伴います。一方、金価格に連動する投資信託やETFは少額から購入できる上、金投資のメリットをそのまま享受できるため、初心者の方でも始めやすいのが特徴です。

この記事では、金投資のメリット、金に投資できる投資信託・ETFの種類、金投資の可能な証券会社について詳しくご紹介します。少額から可能な金投資に関心のある方は、参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2021年8月25日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。

目次

  1. 金投資の特徴・メリット
  2. 金に投資できる投資信託・ETF4選
    2-1.iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)
    2-2.三菱UFJ 純金ファンド
    2-3.SPDR ゴールド・シェア受益証券(1326)
    2-4.NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)
  3. 金に投資できる投資信託・ETFを扱う証券会社と手数料
    3-1.SBI証券
    3-2.auカブコム証券
    3-3.松井証券
    3-4.楽天証券
  4. まとめ

1 金投資の特徴・メリット

金は希少価値の高い実物資産であるため、その資産価値がゼロになることは通常ありません。また、貴重な鉱物である金は取引量に制限があるため、資産価値の暴落なども起きにくい仕組みとなっています。

一方、会社が発行する株式は、企業活動や取引市場の相場状況によって、その資産価値が大きく変動します。新規上場時に株価が大きく上昇することもある一方、企業が倒産すれば株価はゼロになる可能性もあります。

また、金はほかの有価証券と比較して、流動性リスクの低い資産です。流動性リスクとは、取引量が少なくなることによって適正な時期や希望する金額で売買できないリスクですが、金は全世界で共通の資産価値を持つため、世界中の各国で取引が常に行われています。

そのため、金の取引量が少なくなることによって流動性リスクの生じる可能性は低いほか、資産に対する投資家からの信用も高いため、信用不安による資産価値の暴落も発生しにくいのが特徴です。

このように金の値動きは株式等の有価証券と比較して激しくないため、株式投資などのリスクヘッジとして金投資が活用されています。

2 金に投資できる投資信託・ETF4選

金投資では、金地金(インゴット)等の現物資産を持つことも可能ですが、価格が高い上、盗難や紛失の恐れもあるため、初心者では運用しにくいのが難点です。

一方、少額購入可能な投資信託やETFの中には金を投資対象としているファンドがあります。以下は、金に投資できる投資信託やETFの中でも、手数料負担の少ないファンドを比較した表です。

ファンド名 信託報酬(税込)
iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし) 年0.51%
三菱UFJ 純金ファンド 年0.99%
SPDR ゴールド・シェア受益証券 年0.40%
NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信 年0.55%

各ファンドの特徴を詳しく見ていきましょう。

2-1 iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)

iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)は、金の現物市場を指標にしているインデックス型の投資信託です。米国のニューヨーク州に本社のある世界的な資産運用会社「ブラックロック」によって運用されています。

運用成果の指標となるベンチマークは、LBMA金価格(円換算ベース)です。LBMA金価格とは、ロンドン時間の午後に発表される金の現物価格のことで、為替を乗じて算出されたものがLBMA金価格(円換算ベース)となります。また、外貨建資産の為替ヘッジは原則として行っていません。

iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)の構成資産内容は、有価証券である「iShares ゴールド・トラスト」が約98%、その他キャッシュ等が約2%となっています。

ファンド運用時に発生する実質的な信託報酬の総額は、年0.5085%(税込)程度と低コストなので、長期の積立投資にも向いています。

2-2 三菱UFJ 純金ファンド

三菱UFJ 純金ファンドは、国内の金価格の値動きを指標として運用されている「追加型投資信託」です。追加型投資信託とは、ファンドの募集期間および運用開始後において、いつでも買付できる投資信託のことです。運用会社は、業界最安水準のコストを追及する「eMAXIS Slimシリーズ」を運用している三菱UFJ国際投信です。

三菱UFJ 純金ファンドは、投資家から提供された資金を当ファンド経由で主に純金上場信託へ投資して運用する仕組みとなっています。投資先は、「金の果実」を愛称とする現物国内保管型の純金上場信託です。現物国内保管型とは、投資対象の金の現物が国内で保管されているものであり、現物自体と交換できるのが特徴です。

三菱UFJ 純金ファンドの構成資産内容のうち、全体の約98%が上記の純金上場信託です。残りの約2%は、コールローンなどで構成されています。また、三菱UFJ 純金ファンドと純金上場信託を対象として、それぞれに信託報酬が発生します。

信託報酬(年率)は、三菱UFJ 純金ファンドに対して年0.55%(税込)、純金上場信託に対して年0.44%(税込)です。そのため、この投資信託で運用する際は合計0.99%(税込)程度の信託報酬を負担することになります。

2-3 SPDR ゴールド・シェア受益証券(1326)

SPDR ゴールド・シェア受益証券とは、円換算した金地金価格(ロンドン金値決め)との連動を目指すETF(上場投資信託)です。2004年11月に設定されて以降、国内で法整備がなされ、2008年に東京証券取引所に上場しています。

SPDR ゴールド・シェア受益証券は金に直接投資し、投資家は信託受益権という形で投資先の金から得られる資産上の利益を享受できます。1口単位での購入が可能なので、最低投資金額は18,550円(2021年8月27日時点)と少額です。信託報酬は年0.4%(税込)程度と低コストなので、積立投資にも向いています。

2-4 NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)

NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信は、円換算後の1g当たりの金価格を指標にして運用されているETFです。そのため、金価格の変動によってファンドの基準価額も上下し、原則為替ヘッジを行わないので為替変動の影響も受けます。

NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信の構成資産全体のうち、金先物が99.7%を占めています。追加型のETFであるため、信託期間の期限は設けられていません。取引単位は10口なので、最低投資金額は5,030円×10口=50,300円となります(2021年8月27日時点)。

また、運用時に発生する信託報酬率は、年0.55%(税込)程度となっています。このほか、運用時には、対象指標にかかる商標使用料(0.0075%)やファンドの上場にかかる費用(最大0.00825%)などのコストも発生します。

3 金に投資できる投資信託・ETFを扱う証券会社と手数料

「SBI証券」「auカブコム証券」「松井証券」「楽天証券」では、ご紹介した4銘柄を含む金に投資できる投資信託・ETFを豊富に取り扱っています。以下は、上記4つの証券会社のファンド購入手数料を比較した表です。

項目 投資信託の購入手数料 ETFの取引手数料
SBI証券 インターネットコース:原則無料
インターネットコース以外:買付口数または金額に応じて、1.65~3.3%
特定銘柄(国内ETF120銘柄、米国ETF9銘柄)は無料
auカブコム証券 取扱全銘柄無料 原則有料
(フリーETFの対象銘柄は無料)
松井証券 取扱全銘柄無料 25歳以下の場合は無料
26歳以上の場合、1日の約定代金合計額が50万円以下の場合は無料、50万円を超える場合は、その金額に応じて1,100円~11万円(税込)
楽天証券 取扱全銘柄無料 特定113銘柄は無料

3-1 SBI証券

SBI証券は、国内の金融持株会社「SBIホールディングス」の傘下にあるネット証券です。取引プランは、「インターネットコース」「ダイレクトコース」「IFAコース」「対面コース」など複数の取引コースが設けられており、投資信託の購入手数料は利用者の選択したコースによって変わります。

インターネットコースを選択している場合、投資信託の購入手数料は原則無料です。例外として、一部の銘柄を購入する際に手数料が発生するケースもあります。インターネットコース以外を選択している場合、買付口数または金額に応じて1.65~3.3%の手数料を負担します。

一方、特定銘柄のETFの取引手数料も基本的に無料です。国内ETFは120銘柄が取引手数料無料の対象となっており、その中には「SPDR ゴールド・シェア受益証券」「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信」の銘柄も含まれています。

3-2 auカブコム証券

auカブコム証券は、国内大手の金融グループである三菱UFJフィナンシャルグループに属するネット専業の証券会社です。会社名は2019年12月1日に「カブドットコム証券」から「auカブコム証券」に変更されています。

auカブコム証券の投資信託の購入手数料は全銘柄無料です。金に関連した投資信託の銘柄は、「ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり・なし)」「ピクテ・ゴールド」「ステートストリート・ゴールドファンド」など豊富にあります。

一方、ETFの取引手数料は基本有料ですが、「フリーETF」の対象銘柄は無料です。「フリーETF」の対象銘柄の中には、「SPDR ゴールド・シェア受益証券」「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信」「純金上場信託(1540)」の3ファンドがあります。

3-3 松井証券

松井証券は、国内で初めて本格的なネット取引サービスを提供した証券会社であり、2019年12月9日より、投資信託全銘柄の購入手数料が無料となっています。

一方、ETFの取引手数料は、利用者の年齢によってその内容が異なります。利用者が25歳以下の場合、取引手数料は無料です。26歳以上の場合は、1日の約定代金合計額が50万円以下であれば取引手数料無料です。しかし、1日の約定代金合計額が50万円を超える場合、金額に応じて1,100円~11万円(税込)の手数料が発生します。

3-4 楽天証券

楽天証券は楽天グループに属するネット専業の証券会社で、2019年12月16日より、投資信託の取扱全銘柄の買付手数料が無料です。

「三菱UFJ 純金ファンド」「MHAM金先物ファンド」「i-mizuhoゴールドインデックス」などの金の値動きを捉える投資信託を豊富に取り扱っており、購入方法や銘柄によっても異なりますが、最低1,000円程度から購入可能です。

一方、ETF銘柄の取引手数料は、113銘柄に限り無料です。その中には低コストの「SPDR ゴールド・シェア受益証券」「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信」等の銘柄も含まれています。

まとめ

金投資は、株価下落の影響を受けにくい上、希少価値が高いため信用リスクが低く、株式などと合わせた分散投資に向いています。さらに、金の値動きに関連する投資信託やETFの場合、金地金などの現物資産と異なり、少額から購入可能なので、まとまった資金を用意する必要がない点も強みです。

運用コストは銘柄によって異なりますが、投資信託の信託報酬はETFよりも高めなので留意しておきましょう。金に投資できる投資信託・ETFに関心のある方は、金投資の特徴や手数料などをしっかり把握した上で、銘柄を選ぶことが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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