NISAのつみたて投資枠は、毎月一定額の投資商品を購入して積み立てていく資産形成の制度です。買付した投資信託の運用益や売却益が非課税になるため、住宅購入資金や子どもの教育資金の確保など、長期的な資産形成に向いています。
各証券会社ではNISAを取り扱っていますが、中でも楽天証券はクレジット決済でNISAのつみたて投資枠の投資を行いながらポイントを貯められるメリットがあります。そこでこの記事では、楽天証券の「NISAのつみたて投資枠+クレジット決済」のメリットと注意点について詳しく解説していきます。NISAを検討している方、ポイントを効率的に貯めたい方は参考にしてみてください。
楽天証券
楽天証券は、1999年に設立された楽天グループ傘下のネット専業証券会社です。楽天証券の取扱金融商品は、国内株式・海外株式、債券、投資信託、外貨預金、FX(外国為替取引)、金・プラチナ取引、ロボアドバイザー等のおまかせ運用と幅広く、利用者の投資目的に合う商品を選べるのが特徴です。
株式投資は1株、投資信託は100円から購入可能なので、お小遣い程度の余裕資金があれば投資を始められます。楽天ポイントは株や投信の買付資金に使えるので、ポイント投資も手軽です。さらに、楽天ポイントは証券口座を開設したり、投資信託の保有金額に応じて付与されたりなど、楽天市場などの買い物に利用可能です。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- NISAのつみたて投資枠の特徴
- 楽天カードのクレジット決済の特徴
- 「つみたて投資枠+楽天カードのクレジット決済」のメリット
3-1.クレジット決済で買付するとポイントが付与される
3-2.クレジット決済とポイント買付の併用も可能
3-3.買付する全額をクレジット決済可能
3-4.つみたて投資枠の対象ファンドが豊富 - 「つみたて投資枠+楽天カードのクレジット決済」の注意点
4-1.クレジット決済で利用できないカードがある
4-2.ポイントで買付をしないほうが良い場合もある
4-3.毎月の積立日をユーザー側で選べない
4-4.引落方法をクレジット決済に変更するタイミング - まとめ
1 NISAのつみたて投資枠の特徴
NISAのつみたて投資枠とは、2024年1月から始まったNISAの新制度です。従来のNISAにおいても投資で得た利益が非課税になる制度でしたが、非課税期間が限定されていたり、年間投資額が制限されているという注意点がありました。新しいNISAは非課税期間が無期限となり、年間投資上限額も引き上げとなるなど、利用者のメリットが大きくなっています。
新NISA(2024年1月から)
※画像引用:金融庁「NISAを知る」
- 制度の恒久化と非課税期間の無期限化
- 年間投資上限額の引き上げ
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に
- 非課税保有限度額の新設と空き枠の復活
NISAのつみたて投資枠は、未経験の方や経験の浅い方でも始めやすいように、買付できる金額の上限が年間120万円となっています。また、NISAのつみたて投資枠の口座での買付方法は、積立方式に限定されます。毎月少額の資金を積立方式で買付を行い、長期的な運用を目指すための非課税制度なので、スポットによる買付はできません。この点は、積立およびスポットの買付方法いずれも認められる成長投資枠と異なります。
つみたて投資枠の投資対象は、国が定める一定基準を満たした投資信託に限られます。金融機関が販売している投資信託の中には、購入手数料や信託報酬が高く、長期的な運用に適さないファンドもありますが、つみたて投資枠の口座で買付できるファンドの中からは除外されています。
つみたて投資枠の口座で買付できるファンドは、低コストで長期的な運用に適した銘柄となっているため、投資未経験の方や経験の浅い方でも始めやすいのが特徴です。
2 楽天カードのクレジット決済の特徴
楽天カードのクレジット決済では、カード払いで投資信託を買い付けることができます。つみたて投資枠の口座で買付する場合も、楽天カードのクレジット決済の利用が可能なほか、積立可能な投資信託の買付を行う場合、一般NISAの口座や通常口座でも楽天カードのクレジット決済を利用できます。
クレジット決済による買付は毎月10万円までで、投資信託の積立で設定できる最低金額は100円です。楽天カードの認証は、毎月13~15日に行われるため、クレジット決済の積立設定申込の締切日は、毎月12日までとなっています。楽天カードのクレジット決済による積立指定日は毎月1日で、買付代金の引落がなされるのは当月の27日です。
12日までに積立設定の申込を行えば、その翌月1日にクレジット決済による買付がなされます。一方、積立設定の申込日が13日以降になった場合、クレジット決済による買付がなされるのは、その翌々月の1日になります。
クレジット決済による投資信託の買付を行えるのは、楽天カードまたはその提携カードです。通常の楽天カードのほか、「楽天銀行カード」「楽天ゴールドカード」「楽天プレミアムカード」「楽天ブラックカード」などもその対象です。
ただし、未成年口座、ジュニアNISA口座、iDeCo等では、楽天カードのクレジット決済の方法では買付できません。また、楽天証券が提供するファンドラップサービスの「楽ラップ」で投資を行う場合も、楽天カードのクレジット決済を利用できません。
3 「つみたて投資枠+楽天カードのクレジット決済」のメリット
NISAのつみたて投資枠と楽天証券のクレジットカード決済を連携させると、ポイントが貯まりやすくなるなどの様々なメリットがあります。詳しく確認してみましょう。
3-1 クレジット決済で買付するとポイントが付与される
クレジット決済を利用して買付を行うと、ポイント付与の恩恵を受けられます。楽天カードで代金の支払いをした場合、100円につき最大1ポイント付与され、クレジット決済で投資信託の買付を行った場合も同様にポイントが付きます。
例えば、つみたて投資枠の口座で毎月3万円分の投資信託をクレジット決済で買付した場合、最大で3万円の1%に当たる300ポイントが毎月付与されます。また、楽天カードのクレジット決済で付与されるポイントは、利用期間制限のない通常ポイントなので、期限切れを心配する必要もありません。
3-2 クレジット決済とポイント買付の併用も可能
楽天証券では、投資信託の買付代金の全部または一部をポイントで支払うことも可能です。クレジット決済を行う際にも、上記のポイント買付と併用できるので、貯まったポイントがあれば無駄なく使用することができます。
3-3 買付する全額をクレジット決済可能
楽天カードのクレジット決済を利用して買付できる上限金額は月10万円です。NISAの口座では年間120万円まで買付を行えるため、一ヶ月の平均買付金額も10万となり、つみたてNISAの口座内で買付できる全額を楽天カードのクレジット決済で支払いできます。
3-4 つみたて投資枠の対象ファンドが豊富
楽天証券は、クレジット決済の方法で買付できるつみたて投資枠の対象ファンドは227銘柄と豊富です(2024年7月12日時点)。買付できるファンドの中には、運用期間中にかかる手数料である信託報酬が0.1%前後の低コストのタイプもあります。クレジット決済で買付をする際に低コストで自分の好みに合ったファンドを選びやすいのも楽天証券のメリットです。
4 「つみたて投資枠+楽天カードのクレジット決済」の注意点
楽天証券のつみたて投資枠とクレジット決済を連携させる際は、以下のポイントに注意も必要です。
4-1 クレジット決済で利用できないカードがある
楽天証券でクレジット決済できるのは、楽天カードまたはその提携カードです。しかし、ビジネスカード、家族カードなどクレジット決済で利用できないカードもあります。
また、楽天銀行が発行するデビットカードもクレジット決済に利用できません。デビットカードは、決済後に即支払い代金が口座から引き落とされるタイプで、信用に基づいて後払いが認められるクレジットカードとは異なります。
保有しているカードが対象外のものである場合、対象カードを新たに発行しなければ、クレジット決済の方法ではNISAのつみたて投資枠を始められません。そのため、楽天カードのクレジット決済の方法でつみたて投資枠を始めようとする際、この点に注意しておく必要があります。
4-2 ポイントで買付をしないほうが良い場合もある
楽天証券では、つみたて投資枠の口座内でクレジット決済によりファンドを買付する場合、ポイント買付を併用することで、クレジット決済の支払い負担を少なくできます。
しかし、ポイント買付を併用した場合、買付金全額からポイント買付分を差し引いた金額のみがクレジット決済によるポイント付与の対象額となります。そのため、クレジット決済とポイント買付を併用すると得られるポイント数も少なくなる点には注意も必要です。
例えば、毎月の買付金額が5万円で全額をクレジット決済すると、最大で月500ポイントが付与されます。一方、毎月の買付金額5万円のうち、5,000円分をポイント払いした場合、その分を差し引いた4万5000円分がポイント付与の対象額となるため、もらえるポイントも最大450ポイントに減ります。
4-3 毎月の積立日をユーザー側で選べない
楽天証券のつみたて投資枠の口座内において、クレジット決済で買付を行う場合、積立日は自動で毎月1日に設定されます。クレジット決済をしない場合は、積立日を自由に選択できますが、クレジット決済をする場合はユーザー側で自由に選べない点に注意しましょう。
4-4 引落方法をクレジット決済に変更するタイミング
つみたて投資枠の口座内で、買付の注文設定をクレジット決済へ変更する場合、申し込むタイミングによっては積立注文が途切れる場合もあります。
楽天証券では毎月12日が翌月の積立申し込みの締切日となっているので、例えば、現在の積立日を1~12日までに設定している場合、その注文がなされた後、現在の設定を解除した上で、新たにクレジット決済による積立設定をする必要があります。
現在の積立設定を解除せずに楽天カードのクレジット決済に乗り換えようとする場合、上限40万円を超える買付済の積立分があると、積立設定を行えません。
そのため、現在の積立を途切れさせず引落方法を変更するには、現在の積立日が12日より後である場合には設定中の積立日を12日より前に変更し、変更した積立日に注文がなされた後、古い設定を解除します。そして、クレジット決済の積立設定を新たに行います。
このように、現在の設定が証券口座または楽天銀行や他金融機関の場合、クレジット決済へ変更する際はタイミングに注意する必要があります。
まとめ
楽天証券のつみたて投資枠をクレジット決済にすると、ポイント付与を受けられたり、ポイントを買付に利用できたりするなど、様々なメリットがあります。また、楽天証券のつみたて投資枠は対象ファンドも豊富なので、自分の投資目的にあった商品を選びやすいのも大きな特徴です。
一方、楽天カードにはクレジット決済に利用できないカードがあるほか、現在の引落設定をクレジット決済に変更するタイミングを間違えると積立が途切れることもあるので、注意しましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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