DANベンチャーキャピタル株式会社は11月11日、株式投資型クラウドファンディング(CF)「CAMPFIRE Angels(キャンプファイヤー・エンジェルス)」の登録投資家670人の分析結果を発表した。登録データから年齢、性別、職業などの属性を抽出、投資行動の理由を考察している。基本属性で最も多かったのは「35歳男性」「未上場会社員」次いで「上場会社員」で、年収は「500~1000万円」、保有資産「300~1000万円」がボリュームゾーンだった。
60%以上が「長期的な成長期待」が投資目的と回答、特に興味がある分野として「AI」「IoT」といった成長産業を挙げた。一方、約70%が非上場株式投資は未経験という結果だった。
登録投資家の基本属性とは、92.6%が男性、7.4%が女性と、圧倒的に男性が多い。年齢は「35歳男性」が最多で、「36歳」「37歳」が続く。同社は「10年以上の社会人経験を経て、一定程度の経済的安定と金融リテラシーを得た層」と分析した。最も多い職業は「未上場会社の会社員」(30.7%)2位が「上場会社の会社員」(21%)で、「未上場会社役員」(14.8%)、「未上場会社オーナー」(9.0%)が続く。
年収は、「500万~1000万円」が44.7%、次いで「1000万円~5000万円」で29.7%となった。資産は「300万~1000万円」が47.6%、次点が「1000万円~1億円」が43.3%だった。資産の金額は幅が広いが、年収500万円~1000万円、資産300万円~1000万円がボリュームゾーンといえる。同社は年収については「経営との距離感やスタートアップビジネスへの興味関心・理解度が高いと推測される、未上場会社に勤務する会社員」と見る。
さらに「所属する会社とは違った特性を持つスタートアップへの興味を持つ上場会社に勤務する会社員の興味も集めている」(同社)と掘り下げている。資産については「金融商品としては流動性の低い非上場株式に少額投資をする層として、最も適切な投資余力を保有する投資家層」と分析した。
投資目的の質問には、62.2%が「長期的な成長期待」と回答、次いで24.7%が「事業への共感」となった。配当や株主優待を目的にする投資家も多い上場株式と比較して、短期的なリターンではなく、長期的な成長を期待して投資する投資家が多いといえる。事業への共感への回答数について、同社は「スタートアップ特徴でもあり、社会課題解決を目的としたスタートアップビジネスに対して、共感から投資をする投資家層の存在が顕在化した」とまとめた。
特に興味を持たれている分野では「AI」「IoT」への人気が集まり、次いで「ブロックチェーン」「Fintech」という順位だった。目下成長中のAI、IoT分野、さらに次世代技術として多様な分野での活用が期待されているブロックチェーン、その活用分野であるFintechも関心を集めていることがうかがえる。
今回の調査で、登録投資家の68.1%が「非上場株式投資は未経験」と回答した。一方、上場株式への投資経験は41.8%が「10年以上」となっている。結果について、同社は「株式投資型CFは市場自体が黎明期だが、新興のキャンプファイヤー・エンジェルスで70%に近い『初めてのエンジェル投資』を生み出すことができている。また、上場株式において10年程の経験者には、新しい投資手法として株式投資型CFが浸透していく」と予測した。
【参照記事】株式投資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Angels」投資家動向に関する調査
【関連サイト】CAMPFIRE Angels
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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