スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カーズは5月21日、Googleとのパートナーシップを拡大し、Googleの最新AI「Gemini」をボルボ車に統合すると発表した。この協業深化により、ボルボ車オーナーはAndroid Automotive OSの最新イノベーションをより迅速に享受できるようになる。ボルボ・カーズは、この取り組みをGoogle I/O 2025でボルボEX90のデモンストレーションを通じて公開した。
今回の提携強化により、Google built-inを搭載したボルボ車のドライバーは、最新の対話型AI技術であるGeminiの恩恵を最初に受ける層の一つとなる。Geminiは、自然な会話を通じてドライバーの意図をより深く理解し、メッセージの作成や他言語への翻訳、車両の取扱説明書に関する質問への応答、目的地に関する詳細情報の提供などを実行する。この自然な会話インターフェースは、ドライバーが運転に集中できるよう認知負荷を軽減し、車内の全員にとって注意散漫となる要素を減らすことを目的としている。Geminiは、年内に現行のGoogleアシスタントに代わってボルボ車に搭載される予定だ。
さらに、このパートナーシップ拡大の一環として、ボルボ車はGoogleによる将来の車載Android開発におけるリファレンスハードウェアプラットフォームの一つとしての役割を担う。これは、Googleが新しい機能やアップデートを主要なAndroidコードベースに組み込む前に、ボルボ・カーズを主要な開発パートナーとして活用することを意味する。この緊密な連携は、Googleとボルボ・カーズが共同で新しいコネクテッド体験を革新し、ボルボのドライバーが最新のAndroid機能やパフォーマンス向上をいち早く利用できる体制を構築するものだ。
ボルボ・カーズのグローバルソフトウェアエンジニアリング責任者であるアルウィン・バッケネス氏は、「私たちは人間中心のテクノロジーを提供することに努めており、素晴らしい顧客体験はその不可欠な要素だ。Googleとのパートナーシップを通じて、主要な消費者エコシステムの最新機能と能力を当社の製品にいち早く導入できる」と述べた。
GoogleのAndroid for Cars担当バイスプレジデント、パトリック・ブレイディ氏も、「このパートナーシップはボルボ顧客の運転体験を向上させるだけでなく、自動車業界に新たな基準を打ち立てるだろう」とコメントした。両社は、この協力関係がコネクテッドカー分野の進歩を加速させ、自動車業界全体と世界中のドライバーに貢献すると期待している。
なお、ボルボ・カーズは2024年通期で過去最高となる270億スウェーデンクローナの中核営業利益を記録し、売上高も同じく過去最高の4002億スウェーデンクローナ、世界販売台数は76万3389台に達した。同社は2040年までにネットゼロ温室効果ガス排出を達成するという目標を掲げ、完全な電気自動車メーカーになることを目指している。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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