信用取引の金利が低い証券会社は?主要7社の買方・売方金利を比較

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信用取引の金利とは、信用取引を行う際に発生する金利のことです。信用取引では、株式を直接購入するのではなく、事前に保証金というお金を証券会社に預け入れ、その保証金を担保に株取引を行います。

信用取引のメリットは自己資金以上の取引ができたり、売りから取引をスタートできたりする点ですが、実際の取引の際には信用取引手数料に加え、実質的なコストとなる金利が発生する場合もあります。

そこでこの記事では、信用取引の金利が低い証券会社について詳しくご紹介します。信用取引の金利で証券各社を比較したい方や、信用取引に興味がある方は参考にしてみてください。

※この記事は2023年9月8日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 信用取引の金利とは
    1-1.買方金利
    1-2.売方金利
  2. 信用取引の金利が低い証券会社7選
    2-1.SBI証券
    2-2.SBIネオトレード証券
    2-3.楽天証券
    2-4.LINE証券
    2-5.SMBC日興証券
    2-6.松井証券
    2-7.大和コネクト証券
  3. 信用取引の金利以外でかかる諸経費
  4. まとめ

1 信用取引の金利とは

信用取引の金利とは、信用取引を行う際に発生する金利のことで、買方金利と売方金利の2種類があります。

1-1 買方金利

買方金利とは信用取引で株式を購入して、買建玉(買いポジション)を保有する際に発生する金利のことです。 証券会社から借りた資金に対して取引のない休日も含めて1日単位で計算され発生し、日歩とも言われています。

1-2 売方金利

売方金利とは信用取引で株式を売却して、売建玉(売りポジション)を保有する際に発生する金利のことです。

買方金利は買いポジションを保有する投資家が支払うのに対し、売方金利は売りポジションを保有する投資家が受け取るのが特徴です。

通常の現物株取引とは異なり、信用取引では自己資金で株式を購入するのではなく、証券会社に預け入れた資金を担保に株取引を行います。そのため、買いの場合は証券会社から資金を借り、売りの場合は証券会社を通じて売却する株式を借りる仕組みになっています。この時に発生する金利がそれぞれ買方金利・売方金利と呼ばれています。

信用取引は、レバレッジをかけた取引や空売りなど戦略の幅を広げられる一方、取引時のコストとなる金利についてもよく把握しておく必要があります。

2 信用取引の金利が低い証券会社7選

信用取引のできる証券会社を選ぶ際は、買方金利・売方金利に注目することも大切です。主要証券各社の金利コストを確認してみましょう。

項目 買方金利 売方金利
SBI証券 制度信用取引 2.80% なし
一般信用取引 2.80% なし
SBIネオトレード証券 制度信用取引 2.30% なし
一般信用取引 2.75% なし
楽天証券 制度信用取引 2.80% なし
一般信用取引 2.80% なし
LINE証券 制度信用取引 2.80% なし
SMBC日興証券 制度信用取引 2.50% なし
一般信用取引 3.00% なし
松井証券 制度信用取引 3.10% なし
一般信用取引 4.10% なし
大和コネクト証券 制度信用取引 2.00% なし

2-1 SBI証券

SBI証券SBI証券は、SBIホールディングス傘下のオンライン証券会社で、口座開設数で国内トップクラスのオンライン証券業界を代表する企業です。制度信用取引、一般信用取引の両方を取り扱っており、売建できる銘柄数も業界最多水準です。

SBI証券の信用取引における買方金利は2.80%となっています。口座の利用状況などによっては優遇金利が適用される場合もあります。また、売方金利は発生しません。

SBI証券の信用取引手数料には主に2つの料金プランがあります。「スタンダードプラン」では1注文の約定代金に応じた手数料が発生し、例えば、約定代金10万円までは信用取引手数料税込99円、約定代金20万円までは信用取引手数料税込148円が取引手数料となります。

一方、「アクティブプラン」は1日の約定代金に応じた料金設定となっており、約定代金が100万円以下の場合、信用取引手数料無料となります。

買方金利 制度信用2.80%、一般信用2.80%
売方金利 なし
信用取引手数料 約定代金10万円分まで税込99円
信用取引の種類 制度信用・一般信用

2-2  SBIネオトレード証券

SBIネオトレード証券SBIネオトレード証券は、もともと70年以上の社歴を持つライブスター証券という会社でしたが、2020年にSBIグループに入り、2021年より社名を変更しています。業界最低水準の取引手数料体系が支持されており、顧客満足度の高さが強みです。

SBIネオトレード証券の買方金利は制度信用取引と一般信用取引で異なり、制度信用取引の場合2.30%、一般信用取引の場合2.75%となっています。また、週次・月次の入金・入庫額や、新規建約定代金、信用残高による金利優遇プログラムが用意されており、制度信用取引の金利が最良優遇金利で1.19%%まで下がる制度があります。一方、売方金利は発生しません。

信用取引手数料は、手数料のプランや取引銘柄に関わらず無料ですが、一般信用取引で売り方の取扱いがない点には注意も必要です。

SBIネオトレード証券は、信用取引の金利や取引手数料の安さが強みなので、信用取引の金利や手数料を最優先に証券会社を選びたい方に適しています。

買方金利 制度信用2.30%、一般信用2.75%
売方金利 なし
信用取引手数料 無料
信用取引の種類 制度信用・一般信用

2-3 楽天証券

楽天証券は楽天グループに所属するオンライン証券会社であり、口座開設数もトップクラスとなっています。ポイントプログラムなど楽天経済圏の連携を活かしたサービスが特徴ですが、信用取引関連にも力を入れています。

信用取引の買方金利は、制度信用取引・一般信用取引ともに2.80%となっており、売方金利は発生しません。取引手数料は、1注文の約定代金ごとに料金設定された「超割コース」と、1日の約定代金ごとに料金設定された「いちにち定額コース」があり、SBI証券などと似た料金体系になっています。

このほか、楽天証券の信用取引には、「いちにち信用」というデイトレード向けの信用取引サービスがあります。「いちにち信用」では、ポジションを保有できる期間(=返済期限)が当日中と短くなっている反面、買方金利や信用取引手数料が優遇されるほか、制度信用取引では売建できない銘柄が売建できるなど、デイトレードに適しています。

「いちにち信用」を利用すると取引手数料が原則0円となる上、買方金利も1約定当たりの売買代金が50万円以上で0%、1約定当たりの売買代金が50万円未満でも1.80%と業界最安水準になります。

楽天証券は信用取引でデイトレードをしたい方や、楽天グループのサービスをよく利用する方に向いている証券会社です。

買方金利 制度信用2.80%、一般信用2.80%
売方金利 なし
信用取引手数料 約定代金10万円分まで税込99円など
信用取引の種類 制度信用・一般信用

2-4 LINE証券

LINE証券LINE証券は、2019年にLINEグループと野村證券が共同で立ち上げた証券会社で、国内主要SNSである「LINE」と連携した証券サービスを強みとしているため、20代・30代を中心に利用が拡大しています。

LINE証券の信用取引は、買方金利2.80%、売方金利なしとなっており、他の主要オンライン証券と同水準です。また、信用取引手数料は、銘柄や約定代金に関わらず無料となります。

なお、利用できる信用取引は制度信用取引のみで、一般信用取引の取扱いは2023年9月3日時点ではありません。

LINE証券は、信用取引手数料を無料にしたい方や、若年層でスマートフォンやLINEをよく利用する方に向いています。

買方金利 制度信用2.80%
売方金利 なし
信用取引手数料 無料
信用取引の種類 制度信用のみ

2-5 SMBC日興証券

SMBC日興証券SMBC日興証券は、創業100年以上の歴史を持つ三井住友フィナンシャルグループの証券会社です。メガバンク系の証券会社としてはオンラインサービスにも積極的で、同社の提供する日興イージートレードは幅広い年齢層に利用されています。

信用取引の買方金利は、制度信用取引2.50%、一般信用取引3.00%となっています。売方金利は発生しません。また信用取引手数料は、オンライン取引専用の「ダイレクトコース」を利用する場合、銘柄や約定代金に関わらず無料です。

また、一般信用取引では約2,000銘柄を売建できるため、空売りで利益を狙いたい方にとっては有力な選択肢となります。SMBC日興証券は、大手の信頼性を重視したい方や、手数料の安さ・取扱銘柄の豊富さを重視したい方に適しています。

買方金利 制度信用2.50%、一般信用3.00%
売方金利 発生しない
信用取引手数料 無料
信用取引の種類 制度信用・一般信用

2-6 松井証券

松井証券松井証券は日本国内において、早くからインターネットによる証券取引サービスを提供した証券会社です。松井証券自身も東証プライムに上場しており、創業100年以上の歴史を持ちます。

信用取引の買方金利は制度信用取引3.10%、一般信用取引4.10%となっています。また売方金利は発生しません。信用取引手数料は1日50万円以下の約定代金の場合0円となります。また、25歳以下の方の場合も、約定代金に関わらず無料です。

また、松井証券ではデイトレードに適した「一日信用取引」を利用することができます。一日信用取引は、信用取引をデイトレードで行った場合に手数料や金利が優遇されるサービスで、手数料は約定代金に関わらず無料となります。

また、1注文あたりの約定代金が100万円以上の場合は金利0%で、1注文あたりの約定代金が100万円未満の場合1.80%となります。

さらに、松井証券では電話によるサポート体制も充実しており、オンラインだけでは不安という方も電話で相談可能です。積極的な短期売買を行いたい方や、信用取引が初めての方にも適した証券会社です。

買方金利 制度信用3.10%、一般信用4.10%
売方金利 発生しない
信用取引手数料 約定代金50万円分まで無料など
信用取引の種類 制度信用・一般信用

2-7 大和コネクト証券

大和コネクト証券大和コネクト証券は大和証券グループ傘下のオンライン証券で、スマートフォン向けのアプリ証券として2020年に開業した証券会社です。アプリによる手軽な取引や、大和証券グループの強みを活かしたサービス展開を進めており、若年層を中心に利用者を増やしています。

信用取引は制度信用取引のみですが、買方金利は2.00%と業界最安です(大口利用者向け・一日限定の優遇を除く)。また、売方金利は発生しません。

取引手数料の設定も特徴があり、約定代金が100万円以下であれば手数料は約定代金の0.033%となり、約定代金が100万円を超えると一律で330円となります。さらに手数料が無料となるクーポンが定期的に配布されるため、取引頻度が少ない場合、実質的に取引手数料無料で口座を利用することも可能です。

大和コネクト証券は買方金利の低さを重要視する方や、スマートフォンで手軽に信用取引をしたい方に適した証券会社です。

買方金利 制度信用2.00%
売方金利 なし
信用取引手数料 取引金額に対して0.033%(上限330円)
信用取引の種類 制度信用のみ

3 信用取引の金利以外でかかる諸経費

信用取引では、信用取引手数料や買方金利・売方金利のほかにも諸経費がかかる場合もあります。

例えば、信用売りする時に株式を借りるため証券会社に支払う「貸株料」が挙げられます。貸株料は、主要証券各社ではおおむね1.10%〜1.15%に設定されているケースが多く、株を借りている日数に応じて発生するため、売りポジションを保有する期間が長くなると、貸株料も高くなります。

次に「逆日歩」です。逆日歩とは、信用取引の売方が買方に対して支払う費用ですが、必ず発生するものではありません。通常、ある銘柄の売り需要が高まり、貸し出される株式が不足した場合、逆日歩が発生します。

逆日歩が発生した場合、売り手は逆日歩を支払い、買い手は逆日歩を受け取ることになります。逆日歩は需給によってその金額も変動するほか、株式の受渡日を基準とした保有の日数に応じて発生します。逆日歩は制度信用取引でのみ発生し、一般信用取引では発生しません。

まとめ

信用取引の金利とは、信用取引を行う際に発生する買方金利や売方金利のことであり、証券会社によって利率が異なります。そのため、証券会社を選ぶときの重要な判断材料となるほか、信用取引では取引手数料に加え、金利や諸経費など、現物取引にはない各種費用もかかります。

信用取引では現物取引よりも大きな利益を狙える半面、多額の損失が発生する可能性もあります。実際の取引にあたっては、信用取引のリスクについて事前に十分把握しておくことが大切です。

信用取引を行う際には各証券会社の金利や手数料、サービス内容をよく理解した上で、検討してみてください。

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