つみたてNISAができるネット証券会社は?主要5社を比較

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つみたてNISAをはじめる場合、まずは証券会社に口座を開設する必要があります。しかし、つみたてNISAを取り扱う証券会社は多くあり、「どこを選べば良いかわからない」という声も少なからず聞かれます。

そこで、この記事では、つみたてNISAの口座開設ができる5つの証券会社について、特徴やメリットについて比較しながら触れて行きます。

目次

  1. つみたてNISAとは
  2. つみたてNISAの口座開設ができる証券会社5社
    2-1.SBI証券
    2-2.マネックス証券
    2-3.松井証券
    2-4.楽天証券
    2-5.auカブコム証券
  3. つみたてNISAの口座を開設するときの注意点
  4. まとめ

1.つみたてNISAとは

つみたてNISAとは長期的な積立や投資をサポートする「少額投資非課税制度」です。2018年1月にスタートし、2019年末時点では188万口座ほどが利用されており、多くの人々がつみたてNISAを利用しています(参照:金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」)。

年間の非課税枠は決まっているものの、毎月・毎週・毎日といった頻度で決まった金額を積立てていくことで、節税メリットを受けながら長期的な資産形成が可能となります。

つみたてNISAでは投資経験がない人でも気軽にスタートしやすくするために、金融庁が示した純資産総額50億円などの一定の基準をクリアした金融商品181本(2020年6月現在の数)のみが対象となっています。

また、つみたてNISAの利用には以下3点の制限があります。

  • 投資できる金額……年間40万円まで
  • 非課税期間……最長20年
  • 口座数……1人1口座のみ

つみたてNISAより先に制度としてスタートした「NISA」は、投資できる金額は年間120万円、非課税期間は5年です。NISAは株式などの売買に対する非課税枠であり、一括購入や数回に分けての購入など、投資の仕方は投資家に委ねられます。

対して、つみたてNISAは少額で長期運用を行う積立投資に対する施策です。相場の変動がどのようなものであっても、少額で積立投資を行うことで大きな損失を防ぎやすくなります。投資経験がない人でも利益を増やせる可能性があるものの、元本割れのリスクは無視できません。金融商品を購入の際はリスクに注意しましょう。

また、つみたてNISAは、多くの証券会社で取り扱われているものの、1人1口座しか保有できないため、異なる証券会社で新たにつみたてNISA口座を開くことはできません。仮に、今までとは異なる証券会社でつみたてNISAを行いたい場合には、移管手続きが必要です。

2.つみたてNISAの口座開設ができる主な証券会社5社

証券会社は数多くあり、それぞれの証券会社で特徴は異なります。また、実際に足を運ぶ必要のないネット証券会社は投資初心者から経験者まで利用しやすく、一般的な選択肢となっています。

そこで、つみたてNISAの口座開設ができる主なネット証券会社を一覧で比較しました。5つのポイントに注目し、どのような違いがあるか見ていきましょう。

ネット証券会社の比較表

証券会社 金融商品本数 最低積立金額 選べる積立頻度 購入可能銘柄 連携 ポイントサービス
SBI証券 153本 100円 毎月・毎週・毎日 ・指定インデックス投資信託
・指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)
Tポイント
楽天証券 158本 100円 毎月・毎日 ・指定インデックス投資信託
・指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)
楽天スーパーポイント
マネックス証券 150本 100円 毎月 ・指定インデックス投資信託
・指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)
マネックスポイント
松井証券 152本 100円 毎月 ・指定インデックス投資信託
・指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)
ポイントプログラム
auカブコム証券 150本 100円 毎月 ・指定インデックス投資信託
・指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)
Pontaポイント

どの証券会社も金融商品本数が150本以上の取り扱いがあり、商品の種類、最低積立額に大きな違いはありません。いずれの証券会社でも「指定インデックス投資信託」「指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)」の金融商品がありますが、「ETF(上場投資信託)」の取り扱いはない点には注意が必要です。

最低の積立金額が月額100円であるため、投資初心者もスタートしやすいといえます。つみたてNISAで投資できる投資信託は、金融庁が定める基準により以下の3点の手数料は0円(ノーロード)です。

  • 購入時手数料
  • 解約(売却)時手数料
  • 口座維持手数料

これらの手数料が0円であることは、どの証券会社を選んでも変わりありません。利用者が負担する手数料は、低水準の信託報酬のみです。なお信託報酬は証券会社ではなく金融商品ごとに違います。

表の5つのポイントで比較した場合、選べる積立頻度や利用できるポイントには差があるため、自分にあったものを検討していきましょう。ここからは、それぞれの証券会社の特徴についてさらに詳しくみていきます。

2-1.SBI証券

SBI証券SBI証券は、NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA口座の開設数が180万超となっており、ネット証券では最大の開設数を誇っています(2020年12月時点)。

取り扱っている銘柄は172本と豊富です。積立頻度は毎月・毎週・毎日の3種類から選択できるため、自分に合った頻度で投資ができます。最低積立金額は100円からと、少ない投資額でつみたてNISAを始められます。

Tポイントは貯めるだけでなく投資にも使えるため、現金での投資には抵抗がある方も気軽に始められます。ポイントを利用する場合でも月額最低100円から投資可能であり、毎日の積立もできます。投資初心者の人も余剰資金やポイントを利用して、無理のない範囲で積立投資を行うことが可能となっています。

2-2.マネックス証券

マネックス証券現在、マネックス証券で選択できる積立頻度は毎月のみであるものの、2020年秋からは毎日積立の設定ができるようになる予定です。マネックス証券は取扱本数や最低積立金額もユーザーフレンドリーですが、積立頻度の選択肢が広がることでさらに利用しやすくなる見込みです。

マネックス証券でつみたてNISAを利用すると、「MONEX VISION(マネックス ビジョン)」と呼ばれるオリジナルの資産設計アドバイスツールが無料で利用できます。資産運用をサポートしてくれる便利なアプリです。

マネックスポイントは、つみたてNISAで金融商品を保有しているだけで貯まります。貯まったマネックスポイントは、TポイントやAmazonギフト券などと交換が可能です。投資に利用することはできない点には注意しましょう。

2-3.松井証券

松井証券のつみたてNISAの魅力は、サポート体制が充実している点です。つみたてNISAの質問だけでなく、パソコン操作の方法などについても電話でサポートしてくれます。気軽に質問したい時はメール・チャットでのサポートもあるため、自分に合った方法でのサポートが期待できます。

また松井証券のサポート体制は、第三者機関からも認められています。HDI-Japan(ヘルプデスク協会)主催による2019年度問合せ窓口格付け(証券業界)では、松井証券のサポート体制は9年連続三つ星を獲得しています。

購入できる金融商品の本数は152本と、多いといえる水準です。また、最低積立金額は100円となっています。見やすいスマホアプリがあるため外出先でも気軽に確認でき、プッシュ通知でさまざまなお知らせを受け取ることが可能です。

2-4.楽天証券

楽天証券楽天証券で購入できる銘柄本数は158本と豊富です。また100円からの投資額でつみたてNISAを始められます。積立頻度も毎月・毎日から選択することができるため、利便性は高いといえます。

楽天証券では、残高や積立金額によって楽天スーパーポイントを貯めることが可能です。貯めるだけでなく、楽天スーパーポイントを使っての積立も可能です。

また、楽天銀行と楽天証券を紐づける「マネーブリッジ」と呼ばれる口座連携サービスを利用すると、楽天銀行の普通預金金利が0.1%と通常の5倍になるサービスもあります。加えて、楽天グループでポイントを共有できるため、投資で付与されたポイントをショッピングなどで使用することもできます。

カードやショッピングなどで元々楽天ユーザーという方であれば、より利用しやすい証券会社だといえるでしょう。

2-5.auカブコム証券

auカブコム証券auカブコム証券は、「どこに投資したら良いかわからない」という人でも簡単に投資信託を選べる「FUND DRESS」というサポートツールが魅力です。「FUND DRESS」は色彩心理に基づいて直感的にファンドを選べるため、投資信託に関する知識がない方に優しい仕組みですちなみに、色彩心理を投資と関連付けているのは「FUND DRESS」のみであり、新しい投資の選択方法ともいえます。

またauカブコム証券でつみたてNISAを利用すると「NISA割」を受けられます。NISA割は、現物株式の売買手数料が最大5%オフになるサービスです。現物株式の取引をしている、または今後する可能性がある人は利用を検討してみましょう。

加えて、auカブコム証券では、auの通信契約があるユーザーであれば、保有残高などに応じてポイントを多くもらえるサービスもあります。

3.つみたてNISAの口座を開設するときの注意点

つみたてNISAでは、1人につき1金融機関でしか口座を開設できません。あとから口座は変更可能であるものの、同一年に別の金融機関で口座を作ることはできないなど、制限がある点には注意が必要です。

また、上記でふれた制限に加えて、下記の注意点を意識しましょう。

  • 一般口座で保有している商品はつみたてNISAには移管できない
  • 損益通算はできない
  • 投資信託を売却しても非課税枠は復活せず、繰り越しはない

このなかでも、つみたてNISAの非課税枠は繰り越しができず、さらに金融商品を売却しても復活しない点に注意が必要です。年間40万円以下の投資であった場合でも翌年に前年の余った非課税枠が加算されるわけではない点は、知識として覚えておきましょう。

まとめ

つみたてNISAでは月100円からと少額で積立投資をスタートできます。また、ほとんどの証券会社ではポイント利用ができるなど、手軽に投資を始められるケースがほとんどです。

今回触れた証券会社には、積立頻度の設定や取扱本数などがそれぞれ異なり、独自の特徴もあります。楽天証券などのようにグループ間でポイントを共有できる会社もあるため、比較しつつ自分に合った証券会社を選択しましょう。

また、つみたてNISAは長期にわたって積立投資を行うことでリスクを低くできる性質があるとはいえ、投資であるため損をする可能性はあります。そのため、余剰資金で投資を行うなど、リスクをふまえた利用を検討しましょう。

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鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。