「投資信託を始めようと思っているけど、どこで買えばいいのかわからない」、このように考えている方は結構多いのではないでしょうか。
かつて投資信託は、全国の証券会社でしか購入することができませんでした。しかし、1997年の金融システム改革のプランに持ち込まれた、いわゆる「金融ビッグバン」によって金融業務の自由化が進行し、以後は多くの金融機関が投資信託を取り扱うようになりました。現在では、証券会社、ネット証券、銀行、保険会社、郵便局、信用組合、信用金庫、農協など、さまざまな金融機関で購入できるようになっています。
そこで今回は、現役ファンドマネージャーの筆者が、投資信託をどこで買うべきかという視点で取り扱う会社について解説したいと思います。
目次
- 投資信託の購入方法
1-1.証券会社や銀行などの店頭窓口
1-2.モーニングスターで条件を検索後、該当取り扱い会社へ
1-3.ネット検索が簡単な会社にて購入 - ネット証券の魅力
2-1.コストが低い
2-2.積み立て頻度の選択肢がある
2-3.引き落とし方法の種類が豊富
2-4.サポート体制が充実している
2-5.ポイントサービスなどの特典がついてくる - 2大ネット証券比較
- まとめ
3-1.SBI証券の特徴・メリット
3-2.楽天証券の特徴・メリット
1.投資信託の購入方法
まずは主な投資信託の購入方法について解説します。
1-1.証券会社や銀行などの店頭窓口
金融機関に赴き、窓口で口座開設を行うという、昔からある伝統的な方法です。馴染みの担当者がいるなら相談しやすいというのがメリットです。自分のリスク許容度、資産状況などかなり親密に相談できるのであれば、ピッタリの商品を探してくれるでしょう。
ただ、近所にあるからという理由で店頭を訪ねても、自分に合った商品を紹介してくれるかは微妙です。今流行りの商品を勧められて、購入した時点が高値ということにもなりかねないので気を付けましょう。
1-2.モーニングスターで条件を検索後、該当取り扱い会社へ
ある程度購入したい商品が決まっているのであれば、まずはモーニングスターを使って検索すると効率的です。色々な気になる項目を条件に入れて、それぞれ比較も簡単にできます。ここである程度銘柄を絞った上で、その取扱い会社の店頭に行くかネットを使って購入するという方法です。
※モーニングスター:投資信託の格付け評価を中心として、アナリスト等による世界規模の金融・経済情報の提供を機関投資家およびセミプロな個人投資家向けに手がける企業
1-3.ネット検索が簡単な会社にて購入
証券会社や銀行のうち、検索がしやすいホームページの会社から購入する方法です。ただ、投資信託は銘柄が6,000ほどあります。その中から自分に合った商品を見つけ出すのは至難の技のため、まずはある程度購入する会社を絞るというのも有効な手段です。この場合、取扱商品数や検索方法の容易さなどでネット証券会社が一歩抜きん出ています。
2.ネット証券の魅力
どこかの会社の専属の担当者が付いていないという前提で考えると、ネット証券がもっとも便利です。デメリットとして、購入する際にお勧め商品などの紹介が受けられないということはありますが、それ以外のメリットが上回っています。
2-1.コストが低い
購入手数料がかからない、「ノーロード型」の商品が多数取り揃えられていますが、全体的に手数料は店頭取引と比べて低く設定されていることが多い傾向です。
2-2.積み立て頻度の選択肢がある
投資信託の積み立て方は、月1回積み立てる「毎月積立」が基本ですが、ネット証券によっては、週1回積み立てる「毎週積立」、毎日積み立てる「毎日積立」が選べるところも出てきました。
「毎月積立だと間隔が空きすぎていて、その間に値下がりするかもと思うとこわい」「少額でもいいから短い間隔でコツコツ積み立てたい」という人は、毎週積立もしくは毎日積立を選択することも可能です。
2-3.引き落とし方法の種類が豊富
投資信託の購入にあてる資金は、銀行口座からの自動引き落としのほか、クレジットカードからの引き落としが選べるケースもあります。カード引き落としの場合にはポイントが貯まります。
2-4.サポート体制が充実している
困ったとき相談できるように、コールセンターやオンラインチャットなどのサポート窓口が用意されています。とくに平日昼間は仕事で忙しい人は、休日や夜間のサポート体制を整えている会社もありますのでチェックしましょう。
2-5.ポイントサービスなどの特典がついてくる
キャッシュバックやポイント付与などのサービスが付いていることも多くあります。ポイントの付与率や還元率の差で選ぶという方法も考えられます。
上記5つのチェックポイントを元に各ネット証券会社を独自比較してみた結果、2大ネット証券であるSBI証券と楽天証券が上位となりましたので、下記では二つの会社を比較していきます。
3.SBI証券・楽天証券の2大ネット証券を比較
以下、SBI証券と楽天証券のメリットや特徴を比較しました。
3-1.SBI証券
SBI証券の特徴・メリットは以下の通りです。
- 投資信託の商品数はネット証券の中でもトップ
- インデックス取り扱いの品が多く、今後、魅力的なインデックスファンドが新しく発売されたとき、いち早く販売会社に名を連ねる可能性が高い。
- 毎月購入のほか、毎週購入、毎日購入も選べる
- 最低購入額は100円から少額でも積立可能
- 取り扱う投資信託のすべてが購入手数料無料
- 指定の銀行口座から毎月自動的に引落しするサービス有り
- リモートサポートや24時間対応のチャットサポートなど充実のサポート体制
- ファンドロボ(AI)にて自分にピッタリな投資信託を選べる
- 投資信託の買付代金に1ポイント1円分としてTポイントが利用可能
- 対象投資信託の月間平均保有額(1,000万円未満は0.1%、1,000万円以上は0.2%)によりTポイントが還元されるサービス有り
- 証券業界随一のマーケット情報
- リアルタイム株価、チャート、株主優待検索、四季報情報など豊富な投資情報が無料で簡単にチェックできる
※上記情報は、2020年12月調査時点のもの
楽天証券に比べると、積立購入の頻度を「毎週」にも設定できること、自動引き落としサービスがあることがメリットだと言えます。また、SBI証券ではTポイントの還元・使用が可能となっている点は、楽天証券の楽天ポイントよりもメリットが大きいと感じる方も一定数いるでしょう。
3-2.楽天証券
- つみたてNISA含め取り扱い商品数が多い
- 中国やASEANを投資対象とした取扱商品が充実している
- インデックスファンドの取り扱いが多く、今後、魅力的なインデックスファンドが新しく発売されたとき、いち早く販売会社に名を連ねる可能性が高い。
- 積立頻度を「毎月」と「毎日」で選択可能
- 最低購入額は100円から少額でも積立可能
- 取り扱う投資信託のすべてが購入手数料無料
- 楽天銀行から自動引き落としが可能
- 24時間対応の有人チャットやAIチャットにて充実のサポート体制
- ロボアドバザー楽ラップにて自分にピッタリな投資信託を選べる
- 投資信託の購入代金を楽天カードクレジット決済すると100円につき1ポイントの楽天スーパーポイントが付与される(利回りに換算すると1%)
- 貯まったポイントは毎月の積み立てに利用できる
- 投資信託の保有残高に応じて楽天銀行ハッピープログラムの取引件数が獲得でき、上がった会員ステージに応じて楽天銀行でのさまざまな特典が受けられる
- 証券業界随一のマーケット情報
- 日本経済新聞や日経速報ニュースなどが閲覧できる「日経テレコン」や「会社四季報」などを無料で見ることができる
※上記情報は、2020年6月調査時点のもの
楽天証券では、SBI証券に対して、アジア圏を対象とした商品が強い、投資信託の購入に楽天カード決済を使うと高い還元率で楽天ポイントが得られる、ハッピープログラムなど楽天グループ特典が受けられるといった優位性を持っています。
まとめ
SBI証券も楽天証券も甲乙つけがたい、充実したサービス内容となっています。投資信託の商品性やサポート体制という意味ではどちらの会社を選択しても大差ありません。唯一違うとすれば、ポイントの部分です。
SBI証券ではTポイントが使える&貯まるのに対して、楽天では楽天スーパーポイントが対象となります。どちらも利用できる範囲が広いポイントサービスなので、よく使う選ぶというのでも良いでしょう。
この記事を参考に、自分にあった投資信託の購入方法を検討してみて下さい。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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