SMBC日興証券は、三大証券会社といわれる大手証券会社の一つです。2023年までのNISA制度には「つみたてNISA」と「一般NISA」の2つありましたが、2024年からは一本化されて非課税投資枠も1,800万円に拡大されました。SMBC日興証券では、新NISAに対応した銘柄を豊富に取り扱っているので、利用を検討している方も多いでしょう。しかし「SMBC日興証券のNISAにはどんな特徴があるの?」「最近始まったサービスだからよく分からない」と疑問の声も少なくありません。
この記事では、SMBC日興証券のNISAの特徴やメリット、注意点について解説していきます。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2024年4月13日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
- SMBC日興証券とは
- SMBC日興証券のNISA(つみたて投資枠)の特徴やメリット
2-1.149本の対象商品がある
2-2.スマホアプリで運用状況を確認できる
2-3.必要な積立額をシミュレーションできる
2-4.投信つみたてプランの毎月自動買付・引落しが便利 - SMBC日興証券のNISA(つみたて投資枠)の注意点は?
- SMBC日興証券のNISA(つみたて投資枠)の注目銘柄
4-1.世界経済インデックスファンド
4-2.のむラップ・ファンド(積極型)
4-3.たわらノーロード日経225
4-4.eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー) - まとめ
1.SMBC日興証券とは
運営企業 | SMBC日興証券 |
サービス名 | つみたてNISA |
代表取締役社長(CEO) | 吉岡秀二 |
住所 | 〒100-8325 東京都千代田区丸の内3-3-1 |
設立年月 | 2009年6月15日 |
資本金 | 1,350億円(2024年6月30日現在) |
従業員数 | 9,129人(2023年12月29日現在) ※SMBC日興証券単体 |
登録番号 | 関東財務局長(金商)第2251号 |
事業内容 | 金融商品取引業者 |
上場有無 | 非上場(親会社の三井住友フィナンシャルグループが東証プライム上場) |
口座管理手数料 | 無料 |
最低投資額 | 1,000円 |
自動積立金額 | 1,000円単位 |
取り扱い商品本数 | 149本(2024年4月時点) |
取り扱い金融商品 | 指定インデックス投資信託 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等) |
積立頻度 | 毎月 |
ポイントの種類 | dポイント |
SMBC日興証券は三大証券会社のひとつで、三井住友フィナンシャルグループが親会社です。日興コーディアル証券という会社名を2011年に変更し、現在のSMBC日興証券となりました。
NISA以外にも、SMBC日興証券には投資初心者の人でも少額から投資を行える「キンカブ(金額・株数指定取引)」や、記事を読むだけでポイントを貰えたらり、そのまま株を購入できる「日興フロッギー」などの独自サービスも評判です。
【関連記事】日興フロッギーの評判は?メリット・デメリットや始め方も解説
2.SMBC日興証券のつみたてNISAの特徴やメリット
以下では、SMBC日興証券のつみたてNISAの特徴やメリットについて、詳しく見ていきます。
2-1.149本の金融商品がある
SMBC日興証券のNISAで購入できるつみたて投資枠対象の商品は149本の投資信託です(2024年4月13日時点)。つみたて投資枠の対象商品が全部で282本(2024年2月29日時点)のため、半分以上を取り扱っている状況です。
また、取り扱っている銘柄の特徴は、長期・積立・分散に適した指定インデックス投資信託やアクティブ運用投資信託です。インデックス投信とは、日経平均やダウ平均などの市場全体の動きに連動した成果を目指すタイプのファンドを指し、低リスク・低コストなのも大きな特徴です。
一方、アクティブ投信とは、市場全体の動き以上の成果を目指すタイプのファンドを指し、インデックスファンドよりもリスクやコストがやや高くなるのが特徴です。
SMBC日興証券のつみたて投資枠では、長期の資産形成に適した「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」など指数連動タイプのインデックス投信を多数取り扱っており、世界経済の成長に伴うリターンを期待できます。
なお、SMBC日興証券のつみたて投資枠NISAでは、ETF(上場投資信託)の取り扱いはありません。
2-2.スマホアプリで運用状況を確認できる
SMBC日興証券では、パソコンだけでなくスマートフォンからNISAのつみたて投資枠で買い付けた商品の情報を確認できます。資産管理用アプリの「SMBC日興証券アプリ」では、、基準価額の推移や分配金の発生状況、実現損益などを外出先でも確認することができます。投資信託は100ファンドまで登録可能で一覧で確認できるほか、グループごとに登録ネームを自由に編集して管理することも可能です。
2-3.必要な積立額をシミュレーションできる
SMBC日興証券では、無料で「金融電卓(積立シミュレーター)」が利用できます。初めてNISAのつみたて投資枠を利用する場合、毎月の積み立て金額をどのように設定したら良いかわからない場合などに便利です。シミュレーションできる項目は以下の4点です。
- 目標金額から逆算した毎月の積立金額
- 毎月どれくらい積み立てたら、いくらになるか
- 目標金額を達成するための期間
- 目標金額に必要な資金と利回り
例えば、目標金額500万円を貯めるためには、毎月いくらの積立額が必要になるのかをシミュレーターを使って計算すると、積立期間20年、利回り5%で運用した場合、毎月1.2万円の積立額となります(実際の取引にかかる手数料・税金等は考慮していません)。
現在、大手メガバンクの平均的な金利は定期預金でも0.002%なので、リターンをほとんど望めない状況です。一方、NISA口座で非課税の恩恵を受けながら、預金金利よりもずっと高い利回りで毎月コツコツと積み立てることができれば、マイホームなどの購入に必要な頭金を無理せず作ることができます。
つみたて投資枠で購入できるファンドの利回りはそれぞれ異なりますが、指数連動タイプのインデックスファンドでも年間平均で10%以上の利回りを実現しているものもあり、信託報酬(運用中に発生するコスト)も年率0.1%以下のファンドも多数あります。
このように、さまざまな観点からシミュレーションができる点は大きなメリットです。SMBC日興証券の金融電卓(積立シミュレーター)を利用した場合、NISAのつみたて投資枠を利用した際の将来的な資産を具体的にイメージしながら資産運用の計画を立てることができます。
2-4.投信つみたてプランの毎月自動買付・引落しが便利
SMBC日興証券では、毎月一定額を銀行口座から自動的に引き落として、投資信託を購入できる「投信つみたてプラン」があります。投信つみたてプランは新NISAにも対応しており、毎月1,000円から買い付けることが可能です。
このように定期的に一定額で買い付けることを「ドル・コスト平均法」といい、価格が上昇しているときにはより少ない単位で購入し、市場が下落しているときにはより多い単位で購入することになるため、平均取得単価が市場の変動に応じて調整され、価格変動によるリスクを抑える効果が期待できます。
投信つみたてプランは、NISAのつみたて投資枠だけでなく、成長投資枠でも取引可能です。最初に買付金額を設定すれば、毎日変動する基準価額や購入時期を気にする必要がなく、買付は自動的に行われるので、NISA口座の非課税投資枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を効率良く使い切ることができます。対象ファンドも約700本と豊富です。なお、つみたて投資枠の買付金額の上限は毎月10万円までと設定されている点に注意しましょう。
このように通常の投資信託とNISAそれぞれを自由にカスタマイズして購入できる点も大きなメリットです。
3.SMBC日興証券のつみたてNISAの注意点は?
NISA口座の開設は1人につき1口座まで可能です。他の銀行や証券会社でNISAを開設していると、SMBC日興証券でNISA口座を開設できないので注意しましょう。すでに他の金融機関で開設している場合は解約手続きを行ってから、あらためてSMBC日興証券でNISA口座の開設申し込みを行う必要があります。
また、SMBC日興証券のNISAでつみたて投資枠を利用する場合、SMBC日興証券のつみたてNISAは「投信つみたてプラン」の利用が必須です。
投信つみたてプランでは、月々1,000円から1,000円単位で積立金額の変更が可能です。しかし、他の証券会社では積立額を月々100円から1円単位で変更可能なサービスもあります。より少額で積み立てたい方に向いているサービスではありますが、あまりに小さい金額だと将来必要な資金を作るのに時間が余計にかかるので、毎月の積立額は慎重に検討しましょう。
4.SMBC日興証券のつみたてNISA注目銘柄
SMBC日興証券で購入できる注目銘柄について解説します。それぞれの特徴を見ていきましょう。
4-1.世界経済インデックスファンド
信託報酬 | 0.55% |
純資産総額 | 2932.20億円 |
基準価額 | 36,276円 |
償還日 | 無期限 |
為替ヘッジ | なし |
リターン(10年) | 7.09% |
主に複数のマザーファンドを通じて、国内、先進国、新興国の公社債及び株式(DR(預託証券)を含む)に分散投資するバランス型のファンドです。マザーファンドとは、複数のベビーファンドと呼ばれている投資信託から資金を預かり、まとめて運用する投資信託です。ベビーファンドの資金をまとめることで、個別に運用するよりも効率化を図れます。NISAのつみたて投資枠、成長投資枠の両方で購入できます。
株式と債券の基本資産配分比率は、原則として株式50%、債券50%です。各マザーファンドの基本組入比率は、地域別のGDP(国内総生産)を参考に決定されます。原則、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジを行わないので、現在の円安局面において基準価額の上昇などのメリットがあるタイプです。
4-2.のむラップ・ファンド(積極型)
信託報酬 | 1.518% |
純資産総額 | 2249.75億円 |
基準価額 | 37,117円 |
償還日 | 無期限 |
為替ヘッジ | なし |
リターン(10年) | 9.23% |
国内株式・債券、外国株式・債券、日本を含む世界各国のREIT(投資家から集めた資金で不動産投資を行い、そこで得た家賃収入や土地建物の売買益などが分配される不動産投資信託)に分散投資するバランス型のファンドです。
のむラップ・ファンド(積極型)は、信託財産の成長を図ることを目的とし、積極的な運用をアクティブタイプなので、値動きの幅も大きく、信託報酬(年間コスト)も1.518%と高い一方、リターンも大きいのが特徴です。決算頻度は年1回で2013年より分配金が継続して出ています。原則として、為替ヘッジは行わないので円安時はメリットを受けやすいですが、円高時は不利に働きやすいのも特徴です。
4-3.たわらノーロード 日経225
信託報酬 | 0.143% |
純資産総額 | 1,529.22億円 |
基準価額 | 23,220円 |
償還日 | 無期限 |
為替ヘッジ | なし |
リターン(5年) | 15.75% |
国内の株式に投資し、日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指して運用されるファンドです。
日経平均株価とは、日本経済新聞社が東証プライム上場企業の中から選んだ225社の平均株価からなる指標で、日経225とも呼ばれています。日経平均株価を見れば、日本の多くの企業の株価がわかる代表的な指標であり、「たわらノーロード 日経225」は、原則として日経225の採用銘柄の中から200銘柄以上に等株数投資(同じ株数になるように投資すること)を行います。
年間コストである信託報酬は0.143%と低く長期投資の積立に向いており、つみたて投資枠だけでなく、成長投資枠で購入することも可能です。
4-4.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
信託報酬 | 0.05775% |
純資産総額 | 3兆607億円 |
基準価額 | 24,134円 |
償還日 | 無期限 |
為替ヘッジ | なし |
リターン(5年) | 18.23% |
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに採用されている日本を含む世界中の株式に投資を行い、対象インデックスに連動する投資成果を目指すのが特徴で、純資産総額は国内2位の人気ファンドです。
信託報酬は0.05775%と極めて低く、低コストで長期保有しやすい一方、2018年の設定日(ファンドの運用が開始された日)から見た騰落率は141.34%と、現在2倍以上の基準価額となっています。
まとめ
SMBC日興証券のつみたてNISAは、金融電卓など他の証券会社にはない独自のサービスも多く用意されています。特定・一般口座とNISA口座の金融商品を同時に購入できるなど、幅広い活用が期待できます。
また、NISAは元本割れのリスクはあるものの、長期運用によってリスクを軽減できる可能性を高められます。特にSMBC日興証券のNISAは、1,000円単位の少額から始められるため、投資初心者も比較的利用しやすいサービスです。
メリットとデメリットを踏まえたうえで、SMBC日興証券のNISAの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
鈴原 千景
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