がん治療研究を支援するNPO(特定非営利活動法人)deleteC(デリート・シー)は10月5日、今年9月に実施したSNSでの投稿や拡散が寄付に繋がるキャンペーン「#deleteC大作戦」に総額688万円が集められたと発表した。同月は公益財団法人日本対がん協会が定めた「がん征圧月間」で、デリート・シーでは、がん治療研究応援の啓発の強化月間として同キャンペーンに参画を呼び掛けた。9月4日から30日の間に投稿数2万件、79万回超のリアクションがあり、延べ5000万人にリーチした。寄付金はがん治療研究への寄付・啓発費用に充てられる。
デリート・シーは、個人、企業、組織などが「がんを治せる病気にしたい」という想いを自由に意思表示することで、誰もががん治療研究を応援できる仕組みをつくり、寄付と啓発を通じて貢献する活動を行っている。具体的には、プロジェクトに参加する企業・団体・自治体・個人が自身のブランドロゴや商品、またはサービス名からCancer(がん)の頭文字「C」の文字を消したり、deleteCのロゴやコンセプトカラーを使うなどして、オリジナル商品・サービスを制作・販売・提供する。購入金額の一部は医師・研究者が推進するがん治療研究に寄付する仕組み。
キャンペーンは今年2回目。「あつまれ、想い。」をテーマに、企業21社(前回8社)をはじめ、アンバサダー、インフルエンサー、医師・研究者、がん経験者などが参加、がん治療研究への応援の想いを自由に表現した。寄付先のがん治療研究は、2022年1月に開催予定のイベント「deleteC 2022 ―HOPE-」で発表する。デリート・シーでは全投稿の画像をモザイクアートにし「THANK YOU」と参加者への感謝を表現している。
デリート・シーの創業代表理事である中島ナオ氏は、今年4月に他界している。代表理事の小国士朗氏は「9月と言えば『#deleteC大作戦』と言ってもらえるような新しい寄付・応援の“文化”を作りたい。まだまだ日本ではハードルの高い寄付という行為や、ふだんの暮らしからは距離のあるがん治療研究という存在を身近に感じてもらえるのではないか」とコメント。また、最近「CSR、CSVの次は、CSA(Casual Social Aciton)ではないか。ソーシャルアクションと呼ばれるものは、もっともっと軽やかにカジュアルにできたほうがいい。社会課題を前にして、理屈や意義にとらわれすぎて動けなくなるより、自分にできることがあるなら、まずはやってみちゃえばいい」と、SNSを活用した新しい寄付活動の広がりに期待を寄せた。
【関連サイト】deleteC大作戦2021
HEDGE GUIDE 編集部 寄付チーム
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