米政府が、ステーブルコインに銀行規制を適用する考えを持っていることが、10月1日にウォール・ストリー・ジャーナルによって報じられた。ステーブルコインの発行体に対して、銀行としての登録を求める可能性があるという。
ステーブルコインの規制を明確にするために、政府は議会に対してステーブルコイン専用の法案を作成することを求める方針のようだ。具体的には、既存の銀行規制をもとにステーブルコイン発行体に対してライセンス登録を求める。
ステーブルコインの発行体に銀行登録を求める流れは、以前からも指摘されていた。そのため、USDCの運営企業CircleやUSDPの運営企業Paxosなどが、条件付きのライセンスを取得したり国法銀行ライセンスの取得を目指す方針を発表していたりする。
ステーブルコインは、暗号資産やCBDCの取り組みが盛り上がるにつれて、年々規制対象として注目されるようになってきた。米国では、通貨監督庁(OCC)と証券取引委員会(SEC)が規制の厳格化を主張しており、議長のゲンスラー氏はステーブルコインを「カジノのチップ」と揶揄している。
27日には、大手ベンチャーキャピタルa16zが、ステーブルコイン規制の三原則を提案した。a16zは、ステーブルコインを「金融が民主化された次世代のサービス」と表現し、次の3つを盛り込んだ規制を整備すべきと主張している。
- 公平なアクセス
- 発行体の持つ準備金と整合性を担保
- 技術的かつ実用的な回復力の強化
a16zはまず、金融包摂の実現のために、ステーブルコインを全ての利用者に平等に提供すべきとの見解を示した。そのためには、流通コストや非効率性を排除する必要があるという。
また、テザー問題などで懸念されるようになったステーブルコインの準備金を透明な状態に管理すべく、公開情報との整合性が重要になると説明している。
2021年に入り次々と誕生している無担保型(アルゴリズム型)のステーブルコインについても見解を示しており、技術的な整備を進めて不具合が生じたときに迅速に復旧できる回復力が求められると主張した。
【参照記事】Biden Administration Seeks to Regulate Stablecoin Issuers as Banks – WSJ
株式会社techtec リサーチチーム
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