一般社団法人日本承継寄付協会は、元陸上選手の為末大氏とSansan株式会社の創業者の寺田親弘氏が理事に就任したと発表した。二人の理事の強みを活かし、遺言書そのものの再定義・再認識の促進や、遺贈寄付の普及を加速させる狙いがある。
日本承継寄付協会は2019年の設立から、人々の思いやりが次の世代につながるように、遺言(Will)を書くことが人々の選択肢になるように、遺贈寄付の認知拡大や実行のハードルを下げるためのさまざまな取り組みを行ってきた。同協会が発行する遺贈寄付の専門雑誌「えんギフト」の発行部数はのべ16,500部、遺贈寄付の専門知識を有する「承継寄付診断士」の受講者は約390名にのぼった。遺言書作成に助成金を提供するフリーウィルズキャンペーンでは、2回の開催で合計20億2,390万円の遺贈寄付が創出される予定など、遺言や遺贈寄付の認知と実行は広がっている。
一方で、第一次ベビーブーム時に生まれた団塊の世代が75歳以上を超える大相続時代が2025年から始まることもあり、取り組みをさらに加速させていく必要性がある。そこで、新たにスポーツ界から為末大氏、ビジネス界から寺田親弘氏を理事として起用することを決めた。両氏は2024年9月から理事に就任し、すでに活動を開始している。
日本承継寄付協会の三浦美樹代表理事は「為末さんとは、今回理事になっていただくにあたり、何度もミーティングを重ねました。この取り組みを社会にわかりやすく言語化し、拡散する。皆に興味を持ってもらう。広報の柱としての理事をお願いしたいと考えています。寺田さんには、ビジネス観点でのアドバイスをたくさんいただきながら、日々進んでいます。より人々が遺言に向き合いやすくなるような仕組みづくりを担ってもらいます」と期待した。
為末氏は「三浦さんとお会いして『遺贈を文化に』という言葉に感銘を受けました。こうだったらいいなという未来のあり方が急にイメージできたからです。free willの文化が根付くことで、未来に繋ぎ、繋いでくれた人に感謝し、繋いでいく先に恩を送ることができ、良い社会を承継していくことができると信じています」とコメント。寺田氏は「遺言は、私がSansanを創業した際に感じた『皆が不便に思っているけど、そのままにしている課題』だと感じています。Sansan、神山まるごと高専に次ぐ、3つ目の私の時間の使い場所として、日本承継寄付協会にコミットし、遺言を再定義する。Will に変えていきたいと思います」と意気込みを語った。
【関連サイト】一般社団法人 日本承継寄付協会
岡村 幸治
Twitter:@koji__O
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