米国環境保護庁(EPA)は7月17日、石炭燃焼残渣管理ユニット(CCRMU)に関する規制要件の遵守期限を延長する規則を発表した。地下水モニタリング要件の期限を2029年8月8日まで延長し、施設評価報告書の提出時期も調整する。リー・ゼルディンEPA長官は「電力部門に必要な規制緩和を提供する」と述べた。
今回の措置により、石炭火力発電所などの事業者は、施設評価報告書の複数セクションを同時に提出できるようになる。EPAによると、施設評価報告書と地下水モニタリング要件は他のCCRMU要件を順守するために必要であることから、関連する遵守期限についても同様の延長を行うという。
EPAは今年3月12日に「米国史上最大の規制緩和の日」として、州の許可プログラムの見直しや石炭灰規制の更新を含む迅速な措置を約束していた。その後、ノースダコタ州のCCRプログラム申請を承認する提案を行い、州政府が連邦政府に代わって石炭灰処分を管理できるようにする動きを進めている。ワイオミング州など他の州も独自のCCRプログラム管理を目指しており、EPAは州政府との協力を強化している。
今回の規制緩和は、トランプ政権が掲げる「Powering the Great American Comeback Initiative」の一環として位置づけられる。同イニシアチブは、米国のエネルギー優位性の回復、許認可改革、連邦と州の協調主義の推進などを柱としている。EPAは提案に対する意見を連邦官報掲載後30日間受け付け、最終規則は不利な意見がない限り6か月後に発効する予定だ。
【参照記事】EPA Announces Next Set of Actions on Coal Ash Program

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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