年末年始を控え、認定NPO法人キッズドアが子どもたちの食料支援、学習支援のためのクラウドファンディングを募集している。
2024年夏にキッズドアが行った調査では、親1人、子1人の2人家族の場合、約7割の家庭で1か月の食費にかけられる金額が2万円台以下と判明。物価高騰が進む中、1人あたり1万円程度と厳しい生活状況であることが分かった。
今回のクラウドファンディングの実施期間は2024年11⽉12⽇〜12⽉27⽇まで。寄せられた寄付は、困窮家庭の子どもたちが冬休み・年末年始を安心して過ごし、その先の未来につながる学習や体験機会に結び付けられるように活用される。
具体的には3点。1つ目は、進学を控える子どもたちに食料を届けること。冬休みで給食がなくなり不足する食料を補うため、自宅に直接配送する支援を行うという。配送料や手数料などを含めて1世帯あたり1万円×約1250世帯の想定で、計1250万円を見込んでいる。特に進学を控える学年の子ども(入学前・小6・中3・高3)を持つ世帯」に優先して届けるとしている。
2つ目は、栄養の摂れない乳児に粉ミルクを届けること。キッズドアが実施したアンケートにて、経済的な困窮が理由で、粉ミルクを薄めて乳児に与えている事例が数件確認されたという。粉ミルクを薄めることは健康リスクを高めるため、食料支援と並行して粉ミルクを自宅へ配送する支援も行うことを決めた。支援世帯はのべ100世帯程度を想定。1世帯あたり5000円として、合計50万円を充てる。
3つ目は、学習支援の場・居場所を提供すること。同法人では、困窮家庭で学びの機会を奪われている⼩学⽣〜⾼校⽣世代の子どもたちを対象とする完全無料の学習会を、東京都近郊および宮城県内で運営している。⾷事の⽀援も⾏う居場所型学習会も含め2000名ほどの生徒を対象に約70教室を展開。冬休みを含む下半期の運営費のうち、約700万円を各拠点の運営に充てることで、学習支援や生活支援、体験活動の提供などを行っていく。
同法人の渡辺由美子理事長は「今回は受験を控えたり新入学を控えたりするご家庭に食料品を届けたいと思っています。子どもたちにとっても人生の岐路となるこの時期を、ぜひみなさまと一緒に応援してあげたい。私たちにできることは少しですが、それが子どもたちやご家庭にとっては大きな力になります。ぜひご協力のほど、よろしくお願いいたします」と支援を呼びかけた。
【関連サイト】認定NPO法人キッズドア「<冬休み緊急食料支援>不足する食料と学習機会を子どもたちへ届けます」クラウドファンディング募集ページ
岡村 幸治
Twitter:@koji__O
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