英国自動車製造販売業者協会(SMMT)は7月8日、2025年版の自動車産業サステナビリティ報告書を発表した。同報告書は、英国政府が新たに打ち出した産業戦略と貿易戦略を踏まえ、自動車業界が気候変動対策とゼロエミッション化に向けて果たすべき役割と進捗状況をまとめたもの。英国自動車業界は2050年のネットゼロ目標達成に向けて、製造プロセスの脱炭素化やゼロエミッション車の開発・普及に取り組んでいることを強調している。
報告書によると、英国自動車業界は気候非常事態と道路輸送による温室効果ガス排出の深刻さを認識し、ネットゼロ達成において重要な役割を担っているとの見解を示した。「私たちが脱炭素化しなければ、英国の2050年ネットゼロ目標は達成できない」と明記し、製造施設や製品、プロセスへの継続的な投資とイノベーションの必要性を訴えている。政府が発表した長期的かつ成長重視の政策枠組みは、自動車産業を中核に据えており、業界の国際競争力再構築の基盤となることが期待される。
業界はすでにゼロエミッション車やバッテリー技術の開発、製造プロセスの脱炭素化、ネットゼロに向けた人材育成などで大きな進展を遂げている。一方で、さらなる前進と経済成長の実現には、政府との連携強化が不可欠だと指摘。特に、英国内でのゼロエミッション車とバッテリー製造への投資を呼び込むためには、全政府部門にわたる規制と政策の整合性が重要だとしている。政府が2025年秋に発表予定のサーキュラーエコノミー戦略についても、原材料依存の低減やサプライチェーンの強靭化につながるものとして歓迎の意を表明した。
今回で26回目となる年次サステナビリティ報告書は、厳しい経済環境下でも英国自動車産業が複数の指標で継続的な改善を達成していることを示している。報告書は、ゼロエミッションの未来に向けた英国自動車エコシステムの構築という政府と業界の共通目標に向けて、最先端技術の開発や輸出拡大を通じて経済成長を牽引する業界の決意を改めて表明するものとなっている。
【参照記事】SMMT Automotive Sustainability Report 2025
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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