EU、衣料品・靴製品の環境影響評価で統一基準を導入

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欧州委員会は6月25日、衣料品と靴製品の環境影響を科学的に評価する新たな統一基準「製品の環境フットプリントカテゴリー規則(PEFCR)」を正式導入したと発表した。同基準は原材料調達から製造、物流、使用、廃棄まで製品ライフサイクル全体の環境負荷を一貫した手法で測定できる仕組みを提供する。

新基準の開発には5年の歳月をかけ、繊維・アパレル業界、NGO、各国政府機関が参加し、欧州委員会が支援した。規則では特定の素材や繊維を優遇せず、すべての材料を平等に扱う科学的で公平な評価手法を採用している。企業は自社製品の環境フットプリントを客観的に測定し、改善点を特定できるようになる。

この取り組みは、EU「持続可能で循環型の繊維戦略」の一環として位置づけられ、製品の耐久性や修理可能性向上を目指す「持続可能な製品のためのエコデザイン規則」とも連動している。PEFCRの導入により、企業はより持続可能な設計・製造手法の採用が促進され、EUの競争力ある循環経済への移行が加速すると期待される。

今後は評価基準をさらに精緻化し、マイクロプラスチックの放出や生物多様性への影響なども評価項目に組み込む方針だ。EUでは既に2024年から企業サステナビリティ報告指令(CSRD)が段階的に施行されており、今回の統一基準により繊維・アパレル業界における環境情報開示の標準化が一層進展する見通しである。

【参照記事】New EU rules for measuring environmental impact of clothes and shoes

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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