カナダの年金基金大手であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)とヌビーン・グリーン・キャピタル(NGC)は10月7日、持続可能な商用不動産開発に向けて6億ドル(約888億円)の融資プログラムを開始すると発表した(*1)。
同プログラムは、米国の商用不動産市場を対象とした事業用不動産評価クリーン・エネルギー(C-PACE)融資とブリッジローンおよび建設ローンを組み合わせたものとなる。NGCは全米におけるC-PACEの主要プロバイダーだ。CDPQの長期的な資本とNGCの幅広い専門性を融合したサステナブルファイナンスを提供する。
競争力のある単一ソースのプログラムは、商用ビルでサステナビリティの取り組みを推進しながら、新規の大規模な建設ファイナンスおよびブリッジファイナンス向けに資本を提供することになる。
CDPQのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼債券部門責任者のマーク・コルミエ氏は「より環境に配慮した建物を開発し、建設環境における二酸化炭素(CO2)排出量を削減することにより、大きな価値を生み出せる。今回の特徴的な融資プログラムを通じ、商用不動産の所有者や開発者に対して環境に配慮した対策の実施を加速させることができる」と述べた(*1)。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿ったC-PACEは、よりクリーンで安全な建設環境を推進する米国の商用不動産融資イニシアティブである。C-PACEが提供されている40州では、商用不動産の所有者は新規開発、改築、または建設後の資本強化に際し、エネルギー効率化、再生可能エネルギー、保水、気候変動へのレジリエンスに対して、長期的なファイナンスを受けることができる。
2014年にC-PACEプログラムを立ち上げて以来、プライベート・キャピタル(非公開市場資産)分野のリーディングカンパニーだ。現在、米国のC-PACE市場は70億ドル超に成長し、2,300件以上のプロジェクトが実施されている。23年にはNGCがC-PACEの組成額の41%を占めた。
【参照記事】*1 CDPQ「CDPQ and Nuveen Green Capital launch USD 600-million integrated financing program for sustainable commercial real estate development」
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