BNPパリバAM、新たに低炭素移行インフラ株式ファンド立ち上げ。クリーンエネルギーや持続可能なモビリティなどに投資

BNPパリバ・アセット・マネジメント(BNPパリバAM)は12月5日、低炭素移行インフラ株式ファンド「BNP Paribas Low Carbon Transition Infrastructure Equity Fund I」の立ち上げを発表した(*1)。

保険会社、年金基金、企業などの機関投資家から7億5000万ユーロ(約1,200億円)の資金調達を目標とする。BNPパリバ・グループが4億ユーロの投資をコミットすることで、BNPパリバAMの低炭素インフラ株式戦略のファースト・ヴィンテージ(第1号ファンド)を支援する。

同ファンドは、中規模市場セグメントにおけるコアプラス型およびバリューアッド型の資本集約型インフラプロジェクトへ少額出資(マイノリティー出資)し、8~12の株式投資からなる分散したポートフォリオの構築を目指す。

投資対象は欧州諸国に限定し、クリーンエネルギー、持続可能なモビリティ、サーキュラーエコノミー(循環経済)に重点を置き、バッテリー、水素、炭素回収などの新分野を含むエネルギー転換プロジェクトを支援する。ファンド運用チームは、BNPパリバのネットワークと専門知識、特にBNPパリバCIBの低炭素転換グループのリソースを活用する。

同ファンドは欧州連合(EU)のサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)第8条ファンド(#1)に分類される。BNPパリバAMのサステナビリティセンターと共同で策定した厳格な選定基準を適用し、エネルギー転換の鍵となるプロジェクトに資本を効率的に投入することを目指す。2024年にすでに2件の投資を行っている。

7月には、イタリアの再生可能エネルギー開発企業で、太陽光発電、風力発電、蓄電プロジェクトからなる3.0ギガワット(GW)規模の案件開発を目指すAbsolute Energyの少数株式を取得した。11月には、急速に成長しているフランスの再生可能エネルギー開発企業で、同国の屋上設置型太陽光発電市場で第2位のIPP(独立系発電事業者)であるArkolia株も取得している。

BNPパリバAMのリアルアセット部門責任者を務めるカレン・アズーレイ氏は「18年以降、当社は80件以上のインフラ取引に投資し、当社のアプローチの強さと経験豊富な投資チームの専門性を実証してきた。低炭素ソリューションにおける確かな実績、BNPパリバ・グループの支援、低炭素インフラ株式分野に対する顧客の高い関心により、当社の成長において大きなマイルストーンとなる資金調達を成功させる自信がある」と述べた(*1)。

(#1)第8条ファンド…サステナブル投資には該当しないものの、結果としてESG(環境・社会・ガバナンス)のうちEまたはSを促進している投資を運用ポートフォリオのメインに据えたもの。ライトグリーン・ファンドとも呼ばれている。

【参照記事】*1 BNPパリバAM「BNP Paribas Asset Management launches €750m Low Carbon Transition Infra Equity Fund I

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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