ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画・運営する株式会社トラストバンクは9月30日、地域課題解決の資金をふるさと納税で募る「ガバメントクラウドファンディング」(以下、GCF)の寄附総額が50億円を突破したと発表した。GCFは2013年9月開始、計228自治体が546プロジェクトに取り組み、教育、自然・動物保護、産業振興、伝統文化など多岐にわたる分野で寄附金を活用しており、9月28日に寄附総額が50億円に達した。
GCFはふるさとチョイスがふるさと納税制度を活用して行うクラウドファンディング。自治体が抱える問題解決のため、ふるさと納税の寄附金の「使い道」を具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した人から寄附を募る仕組み。同社によると、サービス名の由来は「地方自治体(ローカルガバメント)が同じ課題を抱え、その課題解決のために広域でそのプロジェクトを行った場合、政府(ガバメント)が行うような大きな課題解決ができると考えた」から。
GCFは“使い道”に特化しているだけで、ふるさと納税と基本構造は同じ。寄附先の選び方は、ふるさと納税と同様に「お礼の品から選ぶ選び方」と「使い道から選ぶ選び方」の2種。税金の控除も受けられる。プロジェクトのカテゴリーは「まちづくり」「子ども・教育」「食・農林水産業・商工業」「観光・PR」「新産業・地域創生」「健康・福祉」「伝統・文化・歴史」「自然・環境」などで、今後も増えていく予定。
自治体はふるさと納税の制度にもとづき事業費を集めている。そのため、クラウドファンディングとは異なり、目標金額が未達成でも集まった金額は必ず事業に充てられ、返金はされない。
GCFは同社がふるさとチョイスを始めた翌年に仕組みを構築し、提供を開始。自治体がふるさと納税を活用して地域課題や解決策を広く発信し、一方で社会貢献したいという寄附者の想いを届ける仕組みとして注目を浴びている。同社では「広域連携ガバメントクラウドファンディング」も展開中で、全国の共通した課題に対し、複数の自治体が連携して寄附を募る。寄附をより広域な課題の解決に向けた取り組みに活用できる。
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