⼀般社団法⼈⽇本承継寄付協会は、遺贈寄付の相談・遺言書作成を無料で行う啓発キャンペーン「無料遺言書作成キャンペーン」を日本で初めて行う。同協会は⼀般財団法⼈⽇本寄付財団「2021年度助成事業」の助成団体に選定されており、遺贈寄付の遺⾔書作成に伴う専⾨家費⽤の一部助成を行う。キャンペーンはこれを受けた啓発活動で、一般社団法人全国司法書士法人連絡協議会などが共催。開催期間は今年8月、一週間程度を予定している。
遺言書作成費用の一部助成、無料作成キャンペーンとも日本初の取り組み。作成にかかる経済的負担および相続財産や寄付に対する⼼理的負担が軽減されることで、⽇本承継寄付協は「寄付文化醸成に貢献できることが期待できる」としている。
2021年に同協会が行った全国の50~70代男女1000名を対象とする「遺贈寄付に関する実態調査」では、「遺贈寄付に興味がある」と回答した人の 8割が何らかの手続きが必要と感じていた。しかし、同時に「どこに相談してよいかわからない」という答えも多かった。一方で「お金を払ってまで寄付の相談をするのはためらう」という声も多く、遺言書の相談・作成費用にかかる費用も、行動が起こしづらい原因となっていると同協会は分析。今回の取り組みに繋がった。
助成の実施期間は8月~11月を予定。遺贈寄付先は、すべての非営利組織(NPO法人、社団法人、財団法人、大学、自治体など)。助成対象者は「承継寄付診断士講座」を受講した弁護士、司法書士、行政書士、または同等レベルの遺贈寄付知識を有すると同協会が認めた支援機関(金融機関、士業、公証役場など)専門家の下で遺贈寄付遺言書を作成した人。これに合わせ、専門家を対象とした説明会を後日開催。賛同団体も合わせて募集する。
無料遺言書作成キャンペーンでは、遺贈寄付の相談・遺贈寄付を伴う遺言書の作成を無料で行う。同協会によると、イギリスでは「フリーウィルウィーク」として専門家が遺言書を無料で作成するキャンペーンが毎年行われており、この活動が欧米に波及した結果、各国の遺贈寄付増加に大きく影響した。国内の遺贈寄付のすそ野を広げるためのチャレンジとなる。
対象者は、遺贈寄付を考えている、または関心のある人。参加費、相談料、遺贈寄付遺言書作成費は無料。詳細は同協会ウェブサイト(https://www.izo.or.jp/)で決定次第発表する。
遺贈寄付は、相続財産の一部を、遺言を通じて「亡くなった後」に寄付する方法。寄付者は教育・環境・医療・貧困・文化・動物・地域・災害支援など、応援したいNPO法人、財団・社団や、大学、故郷の自治体などを寄付先に選択し、最後に残った財産の一部を託すことができる。数万円の少額から誰でも可能な、新しい社会貢献の方法として注目されている。
「遺贈寄付は『誰もが負担なく想いをかたちにできる』ものだが、相談先も少なく、寄付の意志があっても実現できていない」と同協会は現状を指摘する。同協会は、地域や社会の未来のために財産の一部寄付することで社会貢献をしたいと考える人を支援し、持続可能な経済社会の実現を促進するためのプラットフォームとして活動中。第三者的立場である全国の相続実務家が相談を受ける仕組みを構築しており、財産の数%だけを遺贈寄付するといったサポートができる。
「『遺贈寄付はお金持ちがするもの』といった誤解を解消し、寄付したい人が誰でも無理なく寄付できる体制を整えることで承継寄付の間口を広げ、『おもいやりのお金が循環する社会』を目指していく」としている。
【関連サイト】一般社団法人 日本承継寄付協会
【関連サイト】日本承継寄付協会からのお知らせフォーム
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