つみたてNISAで購入できる投資信託は?具体的な10銘柄を紹介

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つみたてNISAは、老後の資産形成などを効率良く進められるよう創設された、税制優遇により投資を支援する制度です。2018年に開始された比較的新しい制度であり、初めて投資にチャレンジする方でも利用しやすく、メリットも多いのが特徴です。

そこでこの記事では、つみたてNISAの特徴、つみたてNISAの対象銘柄、銘柄を選ぶ際のポイントについて分かりやすくご紹介します。投資初心者の方や、つみたてNISAの活用を検討されている方は参考にしてみてください。

目次

  1. つみたてNISAの特徴
    1-1.つみたてNISAを利用可能な人
    1-2.つみたてNISAの口座開設
    1-3.つみたてNISA投資対象の金融商品
    1-4.非課税対象と非課税投資枠
    1-5.つみたてNISA非課税期間
  2. つみたてNISA対象の主な銘柄10選
    2-1.eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
    2-2.eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
    2-3.たわらノーロード 全世界株式
    2-4.たわらノーロード バランス(8資産均等型)
    2-5.<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)
    2-6.SBI・全世界株式インデックス・ファンド
    2-7.SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
    2-8.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
    2-9.楽天・全世界株式インデックス・ファンド
    2-10.iFree 日経225インデックス
  3. つみたてNISAの銘柄を選ぶポイント
  4. まとめ

1 つみたてNISAの特徴

つみたてNISAは、2018年1月からスタートした投資を支援するための非課税制度です。少額からの長期・積立・分散投資に特化した支援内容となっており、投資初心者をはじめとして幅広い年齢層の効率的な資産形成を後押ししてくれる制度となっています。

株や投資信託などに投資し利益が発生した場合、基本的に所得税が発生しますが、つみたてNISAは、投資した金融商品から発生する利益に税金がかからないのが特徴です。普通預金などのわずかな利息に対しても課される所得税について、つみたてNISAの場合、特定の範囲内においては一切非課税となるため、将来に向けた効率的な資産形成ができる制度となっています。

ただし、投資対象となる金融商品が限られていることや、通常のNISAとの併用は原則不可能となっているなどの注意点もあります。そこで、まずはつみたてNISAという制度について特徴などを詳しく確認してみましょう。

1-1 つみたてNISAを利用可能な人

日本に居住している投資家が対象で、口座を開設する年の1月1日現在で20歳以上(注)の方が利用できる制度です(※19歳以下の方はジュニアNISAを利用することができます)。

1-2 つみたてNISAの口座開設

つみたてNISAを利用して金融商品を購入する場合、事前に証券会社などでNISA口座を開設しなければなりません。この口座は全ての金融機関を合わせて原則1人1口座しか開設できない仕組みとなっており、金融機関を変更する場合、1年単位で変更することとなり各種手続きも必要です。

また、つみたてNISAと一般NISAの併用は基本的にできませんが、1年単位でつみたてNISAと一般NISAの変更を行うことは可能となっています。

1-3 つみたてNISA投資対象の金融商品

つみたてNISAでは長期の積立・分散投資に適した投資信託が投資対象の金融商品です。金融庁に届け出された金融商品のみが対象となっており、2020年9月15日時点で183本の商品をつみたてNISAを利用して購入することができます。

中でも比較的安めの運用コストで分散投資が可能なインデックス投信が183本中158本を占めており、リスクを抑えた長期的な資産運用に向いています。

なお、口座を開設する金融機関によって取り扱っている商品が異なるケースもあるため、購入したい商品が決まっている場合、事前に商品ラインナップなどを確認しておくことが大切です。

1-4 非課税対象と非課税投資枠

つみたてNISAでは、投資対象となる投資信託から得られた分配金や譲渡益が非課税です。1年間の新規投資額は40万円が上限となっており、この限度額の範囲内の場合、税金を課されることなく投資信託を購入することができます。

1-5 つみたてNISAの非課税期間

1年あたり40万円の限度枠内で購入できる投資信託は、保有している間に得られる分配金、値上がり時の売却によって得られる譲渡益等が購入した年から20年間非課税となります。


(参照:金融庁「つみたてNISAの概要」

また、つみたてNISAは2018年の開始から2037年までが投資可能期間と定められているため、毎年40万円分の投資信託を購入した場合、非課税で保有できる投資総額は最大800万円となります。

このように、つみたてNISAは長期間にわたって運用益が非課税となるため、長期的な視点での将来に向けた資産形成が可能です。金融機関によっては毎月100円から積み立てることも可能となっているため、投資の初心者にも利用しやすい制度となっています。

2 つみたてNISA対象の主な10銘柄

こちらでは、各ファンドの特徴や手数料、過去の運用実績などを確認しながら、つみたてNISA対象の主な10銘柄をご紹介します。

※2020年10月時点の情報に基づいて記載しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します)。

2-1 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

ファンド名 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
運用会社 三菱UFJ国際投信
信託報酬(年率・税込) 0.1144%以内
騰落率(6か月) 21.48%

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、三菱UFJ国際投信がファンドの運用を行っている投資信託です。日本を含む先進国および新興国の株式等に分散投資できるファンドとなっています。原則として為替ヘッジを行わずに運用が行われますが、1年のトータルリターンは8.00%となっており、世界各国に分散投資を行いながら運用成果を上げているファンドの一つです。

2-2 eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)

ファンド名 eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
運用会社 三菱UFJ国際投信
信託報酬(年率・税込) 0.1144%以内
騰落率(6か月) 20.61%

eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)は、日本を含む先進国および新興国の株式等に分散投資できるファンドです。日本国内株式と先進国株式、新興国株式等を均等な割合で投資することをベースに運用益を上げており、1年のトータルリターンは6.93%をマークしています。

2-3 たわらノーロード 全世界株式

ファンド名 たわらノーロード 全世界株式
運用会社 アセットマネジメントOne
信託報酬(年率・税込) 0.132%以内
騰落率(6か月) 21.41%

たわらノーロード 全世界株式は、国内外の金融取引所に上場している株式を実質的な投資対象とするファンドです。2019年7月の設定以降、1年ほどしか経過していないため純資産額は363百万円とあまり規模は大きくないファンドですが、1年のトータルリターンは7.79%をマークするなど、堅調なスタートを切っています。

2-4 たわらノーロード バランス(8資産均等型)

ファンド名 たわらノーロード バランス(8資産均等型)
運用会社 アセットマネジメントOne
信託報酬(年率・税込) 0.154%以内
騰落率(6か月) 11.39%

たわらノーロード バランス(8資産均等型)は、8つの資産に分散投資できるファンドです。マザーファンドへの投資を通じて実質的に国内株式、国内債権、先進国株式、先進国債権、新興国株式、新興国債権、国内リート、先進国リートといった8つの資産を均等に投資対象とすることで、リスクを分散させながら運用益を目指しています。

1年間のトータルリターンは-0.22%となっていますが、設定来のトータルリターンは9.99%を達成しており、長期的な分散投資に向いたファンドの一つです。

2-5 <購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)

ファンド名 <購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)
運用会社 ニッセイ・アセットマネジメント
信託報酬(年率・税込) 0.1144%以内
騰落率(6か月) 5.80%(3か月)

<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は2020年6月に設定されたばかりのファンドです。マザーファンドを通して実質的に国内株式、外国株式、新興国株式に分散投資することで中長期的な運用を目指しています。設定から3か月ほどしか経過していないものの、基準価額は順調に値上がりを続けており、トータルリターンも6.3%をマークしています。

2-6 SBI・全世界株式インデックス・ファンド

ファンド名 SBI・全世界株式インデックス・ファンド(別名:雪だるま(全世界株式))
運用会社 SBIアセットマネジメント
信託報酬(年率・税込) 0.1102%程度
騰落率(6か月) 21.64%

SBI・全世界株式インデックス・ファンドは、米国株式、米国を除く先進国の株式、新興国の株式にマザーファンドを通じて分散投資を行うファンドです。世界中の株式に幅広く投資するファンドの中でも、信託報酬が0.1101%程度と割安に設定されており、運用コストを抑えて幅広い株式に分散投資できる商品となっています。1年のトータルリターンも7.07%となっており、コストを抑えて長期的な運用を目指せるファンドです。

2-7 SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

ファンド名 SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(別名:SBI・バンガード・S&P500)
運用会社 SBIアセットマネジメント
信託報酬(年率・税込) 0.0938%程度
騰落率(6か月) 21.10%

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動するETFに投資し運用成果を目指すファンドです。2019年9月に設定された比較的新しいファンドですが、順調な販売が続いており2020年10月には純資産額が78,437百万円に達しています。1年のトータルリターンも11.81%と高い実績となっています。

2-8 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

ファンド名 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
運用会社 三菱UFJ国際投信
信託報酬(年率・税込) 0.0968%以内
騰落率(6か月) 21.24%

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は米国株式を実質的な投資対象とし、S&P500に連動する投資成果を目指すファンドです。2018年7月の設定以来、トータルリターンは21.13%をマークしており、1年でも12.07%となっています。販売も堅調に推移しており、2020年10月には純資産額が174,759百万円に達しています。

2-9 楽天・全世界株式インデックス・ファンド

ファンド名 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
運用会社 楽天投信投資顧問
信託報酬(年率・税込) 0.132%
騰落率(6か月) 24.0%

楽天・全世界株式インデックス・ファンドは米国・欧州・日本などの先進国株式だけなく、中国・インドなどの新興国株式にも分散投資を行うファンドです。約8,000銘柄の株式に分散投資しているものの、ここ1年のトータルリターンは11.83%となっています。

2-10 iFree 日経225インデックス

ファンド名 iFree 日経225インデックス
運用会社 大和アセットマネジメント
信託報酬(年率・税込) 0.154%
騰落率(6か月) 21.05%

iFree 日経225インデックスは、日本国内の株式に分散投資することで運用成果を目指すファンドです。投資対象は日本の株式のみとなっていますが、日経平均株価(日経225)の動きに連動した投資成果を目指すファンドのため、投資対象をイメージしやすいファンドとして選ばれることもあります。2016年の設定来堅調な運用成果を上げており、1年のトータルリターンも8.67%をマークしています。

3 つみたてNISAの銘柄を選ぶポイント

つみたてNISAの運用で赤字となった場合、他の株式取引などと損益を通算することや翌年以降に譲渡損失を繰り越すことができません。そのため、つみたてNISAの商品選びではリスクが大きすぎる商品やポートフォリオを避けて、堅実な運用を目指すことがポイントの一つです。例えば、幅広い投資対象から構成されるファンドでは高いリスク分散効果を見込むことができます。

また、運用成果が思わしくないファンドや、資金が集まらないファンドの場合、運用会社が途中でファンドを打ち切る可能性もあります。この場合、繰上償還となり強制的に運用を打ち切られることもあるため注意が必要です。

特に、資金の集まらない・売れていないファンドは運用成績が厳しくなることもあるため、なるべく純資産額の大きいファンド(たとえば30億円以上)を選ぶことで繰上償還のリスクを下げることも可能です。

まとめ

つみたてNISAは税制上のメリットのある制度となっているため、上手に活用することで将来の資産形成を有利に進めることも可能です。ただし、つみたてNISAの銘柄選びでは注意したいポイントもあるため、実際に投資を行う際は慎重な判断が必要になります。

つみたてNISAでの投資を検討する際は、この記事等を参考にご自身の投資スタイルに合った銘柄選びを行うようにしてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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