ロシアによる軍事侵攻で、ウクライナから周辺国へ避難する人の数は増え続けている。認定NPO法人「難民を助ける会」(AAR JAPAN)はスタッフ3名をウクライナの隣国モルドバに派遣し、避難してきた人々に食料支援や物資配付などの支援活動を行っている。現地の様子は同会のウェブサイトで公開中。3月26日には、ポーランドから帰国した職員の緊急報告会「ウクライナ支援緊急報告会」をオンラインで開催する。
同会によると、侵攻によって、これまでに320万人もの人々がウクライナから周辺国に避難しており、モルドバに流入した難民の数は35万人に上る(3月17日時点)。難民の多くはモルドバを通過してルーマニアなど他のEU諸国に逃れているが、約10万人はモルドバに留まっている。現地の支援関係者によると、戦争が早期終結することを期待して、すぐにウクライナに戻れるようモルドバに残る人も多いという。
しかし、モルドバは経済規模が大きいポーランドなどの他の避難国と比べ、難民を受け入れる体制が十分に整っていない。「今後も大規模な難民の流入が続くと政府・一般市民の受け入れ能力の限界を超え、対応できなくなる恐れもある」と同会は訴える。
同会は侵攻開始後、日本人2名とトルコ人1名を派遣して緊急支援を開始。国際機関や現地の協力者と連携し、避難している人々に食事を提供し、物資配付などの支援の検討も進める。今月22日付のレポートでは、首都キシナウ市内にある大学の学生寮で、ウクライナ難民への食料支援の様子として、食事に感謝する人々の声やメニューを掲載している。同会はモルドバにある避難場所の受け入れ状況、難民の人々のニーズを見ながら、食料支援を続ける予定。
オンラインシンポジウム「ウクライナ支援緊急報告会」は、2022年3月26日午後4時から5時半まで開催する。難民の大半が避難するポーランドにいち早く現地入りした東京事務局の中坪央暁氏から動画を交えた報告、モルドバからのオンライン中継などを予定している。ポーランドから帰国した職員が、現地で目にした難民の状況と必要な支援を報告する予定。参加費無料。定員450名(先着順、要事前申し込み)。申し込み締切は3月25日正午。申し込み後、25日にZOOMのURLとパスワードを連絡する。
同会は1979年にインドシナ難民支援を目的に日本で発足。以来、活動地域や分野を広げながら、65を超える国・地域で支援を展開。現在は世界15ヶ国で活動している。ウクライナ緊急支援で寄付を受付中。
【関連サイト】AAR JAPAN「ウクライナ支援緊急報告会」
【参照リリース】AAR JAPAN「ウクライナ難民支援:モルドバでの活動を開始しました」
【関連記事】ウクライナを寄付で支援するには?在日大使館の寄付先や支援団体も
HEDGE GUIDE 編集部 寄付チーム
最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 寄付チーム (全て見る)
- 日常の決済で寄付できるクレジットカード「Nudge」、寄付が3万件を突破 - 2024年8月23日
- 56,584人から9.1億円超を集めた国立科学博物館が大賞受賞、第14回「日本ファンドレイジング大賞」 - 2024年3月9日
- 「物価高で十分に食べられない子どもに継続的な支援を」認定NPOのキッズドア、「マンスリーサポーター」を募集 - 2024年2月17日
- さとふる、「令和6年能登半島地震 被災地応援お礼品特集」を公開 - 2024年2月1日
- ふるさと納税で被災地を支援。さとふる、ふるさとチョイス、ふるなびが特設サイトで寄付受付け中 - 2024年1月12日