2022年2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻し、ウクライナの国民の多くが避難を開始、首都のキーウでは外出禁止令が出されています。(2022年3月2日時点)
25日には在ウクライナ日本国大使館のツイッターのアカウントが開設され、現地の情報が発信されています。日本とウクライナは1992年に外交関係を樹立し、友好関係を築いてきました。深刻な状況になっているウクライナを寄付で応援するためには、どのような方法があるのでしょうか?
本記事ではウクライナとはどんな国か、ウクライナの現状、ウクライナを支援できる寄付先をお伝えしていきます。
※この記事は2022年3月22日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※一部の項目で2023年2月時点の情報を追記しました。
目次
- ウクライナとはどんな国か?日本との関係や現状
- ウクライナの寄付はどこが良い?寄付先5つ
2-1.在日ウクライナ大使館のTwitterで公表された口座への寄付
2-2.国連UNHCR協会のホームページから寄付
2-3.認定NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)ウクライナ難民支援の緊急募金
2-4.ユニセフのウクライナ緊急募金
2-5.楽天クラッチ募金・ウクライナ人道危機 緊急支援募金 - まとめ
1.ウクライナとはどんな国か?日本との関係や現状
ウクライナは東ヨーロッパにある人口4,159万人(クリミアを除く・2022年1月4日時点)、国土は日本の約1.6倍の約60万キロ平方メートルの国です。(※参照:外務省「ウクライナ(Ukraine)基礎データ」)
国内の77.8%がウクライナ人17.3%はロシア人であり、2021年12月時点での在留日本人数は251名です。「ヨーロッパの穀倉」と言われることがあり、国土の約7割が農地という農業が盛んな国で小麦・とうもろこし・ばれいしょ・ひまわりの種などを生産し輸出しています。
国内総生産(GDP)のうち9%を農業が占めていますが、近年はIT市場が急速に成長しています。首都キーウを中心にIT関連の人材が豊富で、クラウドデータ・ビッグデータ・サイバーセキュリティー・人工知能(AI)などの事業を展開する多くの企業が所在しています。
日本は1992年にウクライナとの外交関係が樹立して以来、原子力発電所の事故に関する協定の締結や資金援助・人材派遣を行い、2015年には安倍総理大臣(当時)が初めてウクライナを訪問、2016年にはポロシェンコ大統領(当時)が訪日など友好的な関係を築いてきました。
一方で、ウクライナとロシアとの関係性は複雑化しています。2014年3月にロシアがウクライナ領のクリミア自治共和国およびセヴァストポリ市をロシアのものとする条約を締結した「クリミア併合」、東部地域の紛争などにより、ウクライナとロシアの関係は悪化しました。
2014年9月、2015年2月には「ミンスク諸合意」という停戦合意協定が交わされましたが、2021年4月・10月以降にウクライナ国境付近でロシア軍の増強が確認され、2022年2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻することとなりました。これを受け、ウクライナ政府は緊急事態宣言を発出、ゼレンスキー大統領はロシアとの外交関係を断つことを公表しました。
日本の外務省・海外安全ホームページではウクライナの危険レベルを引き上げ、退避を呼び掛けています。(※参照:外務省海外安全ホームページ「ウクライナの危険情報【危険レベルの引き上げ】」)また、在ウクライナ日本国大使館は2月26日にツイッターアカウントを開設し、ロシア軍とウクライナ軍の交戦が各地で続いていること、キーウ市で外出禁止令が出されていることなどを発信しています。
2.ウクライナを支援できる寄付先5つ
- 在日ウクライナ大使館のTwitterで公表された口座への寄付
- 国連UNHCR協会のホームページから寄付
- ユニセフのウクライナ緊急募金
- 認定NPO法人難民を助ける会・ウクライナ難民支援の緊急募金
- 楽天クラッチ募金・ウクライナ人道危機 緊急支援募金
2-1.在日ウクライナ大使館のTwitterで公表された口座への寄付
在日ウクライナ大使館のTwitterアカウントでは、2022年2月25日に「ウクライナを応援したい方々用に、寄付金を送金できる銀行口座の詳細を更新いたします。以下になります。」というツイートと共に寄付先の銀行の口座番号を公表しました。
- 銀行名:三菱UFJ銀行
- 支店名:広尾支店
- 支店番号:047
- 口座種類:普通
- 口座番号:0972597
- 口座名:エンバシーオブウクライナ
上記の銀行口座への振り込みは、他の寄付と異なり個人情報の登録が不要です。
なお、2022年3月7日時点で、ウクライナ駐日大使が日本からの寄付が約15万人から40億円近くの寄付が集まっていることを公表しています。また、寄付金は、避難者の生活支援、インフラ復旧、住宅再建などに使い、大使館に寄せられた寄付は武器には使わないと言及をしています。(参照:NHK「ウクライナへの寄付、どうすればいいの?」)
【関連記事】在日ウクライナ大使館がTwitterで寄付先口座公表。「日本円で受付はありがたい」「平和のために役立てて」善意続々
【関連サイト】在日ウクライナ大使館: Homepage
【関連サイト】在日ウクライナ大使館 Twitter
2-2.国連UNHCR協会のホームページから寄付
国連の難民支援機関・UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本の支援窓口「国連UNHCR協会」のホームページから、ウクライナ・ヨーロッパ地域での救援活動への支援として寄付が出来ます。
ウクライナでは2月24日以降、15万人以上(2022年2月26日時点)が安全を求めて国境を越え避難を行っています。UNHCRは1994年からウクライナでの支援活動を行っており、2014年のウクライナ紛争では、支援対象者に救援物資や避難所を提供しました。
今回も、ウクライナや近隣諸国・パートナー団体などと協力し、避難が必要とされる人々に欠かせない支援を届けるため寄付を呼びかけています。寄付金額は11,000円・24,000円・56,000円から選択、又は任意で1,000円以上から指定の金額の寄付が可能です。
支払い方法はクレジットカード・郵便局・ゆうちょ銀行での振り込み・コンビニエンスストア振り込み・インターネットバンキングから支払いサービス「ペイジー」を利用した支払いの4つから選べます。申し込みの際に氏名・住所・電話番号などの個人情報も登録する必要があり、寄付は寄付金控除の対象となります。
2-3.認定NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)ウクライナ難民支援の緊急募金
認定NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)は、1979年に日本で発足し世界14ヵ国で難民などへの支援活動を行っています。ウクライナ緊急募金のサイトでは、今後欧州連合(EU)内に数十万人~100万人の難民が流入すると予測されていること、ポーランドとモルドバで情報収集を行い、現地の協力団体と連携するなどの形で人道支援活動を開始しています。
難民を助ける会のご担当者の方からは、寄付者の方や寄付を検討されている方に向けて、以下のメッセージが届いています。
「戦争は国家間の問題ではありますが、実際に被害にあっているのは一般市民の方々です。避難する中で家族と離れ離れになってしまった方や、小さいお子さんを連れた方、障がい者の方もいらっしゃいます。もしご自分がいま被害にあわれている方と同じ状況に見舞われた際、『どんな悩みや不安を抱え、どんな支援を必要とするだろうか』といったこともぜひご想像していただき、自分ごととして捉えていただけると幸いです。
私たちも、皆様のお金だけではなく気持ちまで含めて、現場にしっかりと届けたいと考えています。また、現地からは『遠い国の人たちが、私たちに関心を持ってくれているということが勇気になる。本当にありがとう』といった寄付者の方への感謝のメッセージもたくさんいただいており、ウェブサイトにも「活動レポート」として適宜情報を掲載させていただいております。
戦争によって街やインフラも破壊されているため、戦争終結後も街の復興やコミュニティの再構築などには長い時間がかかると予想されます。もちろん寄付者の皆様にもご自身の生活があると思いますので、無理なく継続的に、一緒に活動していくような気持ちで寄付を通じて私たちの活動に参加していただければ大変幸いです。」
また、2022年3月26日には、「ウクライナ支援緊急報告会」を開催し、ウクライナ隣国のポーランドやモルドバなど現地での活動の様子や避難民受け入れの課題などについて動画を交えて紹介しました。
報告会の中で、AAR Japanは参加者に対して「ウクライナ問題は今、トップニュースだが、長期化することで次第に2番目、3番目となり、数も減っていく。でも、難民はいなくなっていないし、困窮している。すすんで情報を得て、広げて欲しい」と呼び掛けを行いました。
AAR Japan「ウクライナ支援緊急報告会」
モルドバは裕福な国ではないため、状況の長期化により難民との間にあつれきが生じないかという懸念もあります。2023年2月時点で、AAR Japanではモルドバの方と難民の方が交流できるコミュニティ支援センターを立ち上げ、一緒にものづくりをしたり、子どもたちにはお絵かきなどのレクリエーションの機会を提供し、メンタルケアを行っています。また、モルドバの貧困層への支援などにも取り組んでいます。
寄付は3,000円もしくは指定した金額から可能で、寄付金控除が受けられます。また、継続寄付も月1000円から可能ですので、活動を長期的に応援したいという方や一緒に伴走していきたいという方は、継続寄付も検討されてみて下さい。支払い方法は、クレジットカード決済・コンビニ支払い・郵便局・銀行口座からの振り込みが可能で、氏名・住所など基本情報の登録が必要です。
上記の中から振り込み方法や寄付金控除の有無などを確認し、自身にとって負担の少ない方法や希望に沿った使い道の寄付を検討しましょう。
2-4.ユニセフのウクライナ緊急募金
公益財団法人日本ユニセフ協会のホームページでは、ユニセフ(国連児童基金)が紛争当事者に対し、子供達を危険から守り人道支援機関の支援を届けられるようにすること、6,640万米ドル(約70億円)の資金支援を国際社会に要請したことを公表しました。
公益財団法人日本ユニセフ協会では、長期に渡る東部地域の紛争や、武力行為の影響を受けるウクライナの子供達のために「ウクライナ緊急募金」の受け付けを開始しました。
募金は500円以上から可能で、クレジットカード・インターネットバンキング・携帯キャリア決済・Amazonアカウントでの支払い(AmazonPay)・コンビニ支払いに対応しています。
初めて募金を申し込む人は氏名や生年月日、住所などを登録した後に寄付を行います。
2-5.楽天クラッチ募金・ウクライナ人道危機 緊急支援募金
楽天グループ株式会社で運営している楽天クラッチ募金では、2022年2月28日からウクライナの方々を支援するための募金を受け付けています。
寄付の使い道は、物資支援や保健サービスの提供、子どもの保護といった人道支援に活用されることが公表されています。
クレジットカード・銀行振り込みの他に、楽天ポイントで寄付を行う事も可能です。3月1日時点で募金件数44,748件、募金総額が1億円を超え、送金の手続きに入ることが明らかになっています。
なお楽天クラッチ募金は、金銭による寄付は寄付金控除の対象とはならない点に注意しましょう。
上記の中から振り込み方法や寄付金控除の可否などを確認し、自身にとって負担の少ない方法や希望に沿った使い道の寄付を検討しましょう。
3.まとめ
本記事の執筆時点(2022年3月2日)、ウクライナの情勢は予断を許さない危険な状態が続いています。
ウクライナに支援を行うためには、在日ウクライナ大使館の寄付先口座への振り込みや国連UNHCR協会・日本ユニセフ協会・認定NPO法人難民を助ける会への寄付という方法などがあります。「何かできることはないか」と考えている方は、寄付による支援を検討されてみると良いでしょう。
田中 あさみ
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