「遺贈寄付を日本の文化に」⽇本承継寄付協会が2022年度の事業報告書を公表

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一般社団法人日本承継寄付協会は2月21日、2022年のアニュアルレポート(活動報告書)を公表した。遺贈寄付は相続財産の一部を遺言で寄付する方法。教育や環境、貧困問題、災害支援など、目的を選び、関連するNPO法人、財団・社団、大学や自治体などを寄付先に選択、財産を未来へ託すことができる。同協会は2019年に設立、日本でも気軽に寄付や遺贈寄付ができる環境を⽬指し、調査・情報発信・専門家や一般向けの研修活動を行っている。

具体的には①専⾨家育成②情報冊⼦「えんギフト」の発⾏③⾮営利法⼈、⺠間企業、⾏政、⼤学、⼠業などの専⾨家が垣根を越えて連携できる機会の提供や情報発信の3つの事業を展開。持続可能な経済社会の実現を促進するプラットフォームとして位置付け、各事業を推進している。22年度は7⽉に「えんギフト」vol.1発⾏、承継寄付診断⼠講座スタート、8⽉に遺贈寄付実現のための専門家報酬を助成する「フリーウィルズキャンペーン」開始と3つのプロジェクトが正式にスタートした。

活動の成果として筆頭に挙げるのは、専⾨家の育成。新たに承継寄付診断⼠が117名認定。司法書⼠、⾦融機関、FP、保険、弁護⼠・⾏政書⼠、税理⼠、不動産関係などが講座を受講し、21年とあわせて承継寄付診断⼠は計224名となった。

次に、相談できる窓⼝の拡充を挙げる。フリーウイルズキャンペーンへの賛同をはじめ、⾮営利団体や⼠業とのネットワークが拡がり、営利・⾮営利含めて109法⼈がパートナーとなった。

画像出典:一般社団法人日本承継寄付協会「2022年のアニュアルレポート(活動報告書)」より

成果の三番目は「えんギフト」の拡がり。Vol.1は6139部(うち冊⼦5792部、PDF347部)を配布。送付先の64%は相続実務家(⼠業、FP、⾦融機関、公証役場など)だった。啓発・情報発信事業では、講演・セミナーへは1120⼈が参加、テレビ・新聞等の各種メディアへの露出は29回に上った。講演は23年1⽉のみで前年の半分を超える参加があり、遺贈寄付に社会的な関⼼が⾼まっていることをうかがわせた。

フリーウィルズキャンペーンは120万円の助成⾦を活⽤し、24件の遺⾔書記載の⼿数料を負担した。⼀般財団法⼈⽇本寄付財団からの助成を受け、司法書⼠法⼈連絡協議会協⼒で実現。遺贈寄付の総額は10億4500万円となり、助成額の87倍がNPOや地域へ還元される試算だ。

ほか、⾃治体との「ふるさと遺贈」連携として22年4⽉に静岡市と連携を開始。⾃治体との初の連携となり、地域の資産を、地域で循環させていくモデルづくりを始めた。また、遺贈寄付の普及のために、専⾨家向けの本「相続に係る専⾨家のための遺贈寄付の実務」(税務経理協会)を7⽉に出版した。重版が決定しており、業務に活用されている。

相続に係る専⾨家のための遺贈寄付の実務

レポートでは「私たちがこれから⽬指すこと」として、「遺贈寄付を⽇本の⽂化にして、年間の相続額約50兆円の1%=5000億円が次世代にまわる社会の実現」を掲げた。その上で、23年度は①フリーウィルズキャンペーンの継続・拡⼤②えんギフト取り扱い窓⼝の増加③相談可能な場所を⾒える化④企業・⾃治体と連携したお⾦が循環する仕組み作りの3点を前進させていく。

【関連サイト】一般社団法人 日本承継寄付協会

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