株式投資にかかる税金は?確定申告方法や税率、節税方法も

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株式投資では、売却益や配当金などで利益が発生した場合、税金がかかります。保有口座の種類によっては確定申告をする必要がある一方、株式投資にかかる税金を抑える方法として非課税で運用できる口座もあるので、口座の開設を検討している方は事前によく確認することが大切です。

この記事では、株式投資にかかる税金について知りたい方のために、株式投資にかかる税金の種類、確定申告方法、税率、税金を抑える方法について詳しく解説するので、ご参考ください。

目次

  1. 株式投資にかかる税金の種類
    1-1.売却益に対する税金
    1-2.配当金に対する税金
    1-3.課税方式
    1-4.税率
  2. 株式投資にかかる税金を抑える方法
    2-1.一般NISA
    2-2.損益通算
    2-3.繰越控除
    2-4.配当控除
  3. 株式投資にかかる税金の確定申告方法
    3-1.確定申告とは
    3-2.一般口座と特定口座
    3-3.確定申告の手順と必要書類
  4. まとめ

1 株式投資にかかる税金の種類

株式投資にかかる税金は、「売却益に対して課税される税金」と「配当金に対して課税される税金」の2種類です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1 売却益に対する税金

保有している株式を売却して利益が発生すると課税対象になります。売却益に対してかかる税金を譲渡所得税と言い、保有している資産を譲渡したときの所得に対してかかるものです。

株式の売却益に対してかかる税額を算出するには、譲渡所得額(売却価格-必要経費)を求めます。必要経費とは購入価格や売却手数料などで、株式投資の場合、株式の購入価格と取引手数料がこれに該当します。そして、譲渡所得額に一定の税率を乗じて税額を計算します。

1-2 配当金に対する税金

株式の保有中に配当金を受領すると課税対象になります。配当金とは、企業が事業で得た利益のうち株主へ支払われるお金のことです。企業は、資金提供してくれた株主に対して利益の一部を還元する目的で配当金を支払います。企業によって異なりますが、配当金は年に1~2回程度支払われるケースが多くなっています。

配当金にかかる税金を計算するには、配当所得額を算出します。配当所得額は、「配当収入額-株式取得のための借入金の利子」の式で算出します。配当所得額を算出後、その金額に一定の税率を乗じて税額を計算します。

1-3 課税方式

株式投資にかかる税金の計算は、所得税の課税方式に基づいて行われます。所得税の課税方式には、「総合課税」と「分離課税」の2種類あります。

総合課税とは、所得課税対象者が1年間に得たすべての所得を合算して課税対象を計算する方式です。「給与所得」や「事業所得」などは、総合課税の方式で税額を計算します。一方、分離課税とは、その対象の所得を他の所得と区別して課税対象を計算する方式になります。

株式投資にかかる税金のうち、売却益に対する税金は分離課税の対象です。そのため、売却益に対する課税額は、分離課税の方式で計算する必要があります。

これに対して、配当金に対する税金は、総合課税の方式で計算するのが原則です。しかし、上場株式等の配当金の場合、総合課税と分離課税のどちらかを選択した上で税額を計算することができます。

1-4 税率

株式の売却益に対して課税される譲渡所得税の税率は、一律20.315%となっています。

譲渡所得税は、所得税と住民税に分けられます。さらに、所得税の中には、復興特別所得税も含まれています。復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興のための財源を確保する趣旨で課税される所得税です。所得税の税率が15%、住民税の税率が5%、復興特別所得税の税率が0.315%です。上記3つの税率を合計すると、20.315%となります。

一方、配当金に対する税金の税率は、選択した課税方式によって異なります。分離課税の方式を選択して課税額を計算する場合、売却益に対する税金と同様、一律20.315%です。

そして総合課税の方式を選択した場合、累進課税となり、税率は所得額に応じて15~55%の範囲内で適用されます。

2 株式投資にかかる税金を節税する方法

株式投資でかかる税金に対しては、様々な税制優遇措置を活用することで、支払う税金を抑えることができます。それぞれ詳しく確認してみましょう。

2-1 一般NISA

NISAとは少額投資非課税制度のことで、一定金額範囲内の株式等の売却益や配当金に対する税金が免除されます。

例えば、株式投資で100万円の売却益が出た場合、売却益に対して譲渡所得税が課されるので、20万円程度を税金として支払うことになります。しかし、NISA制度を活用すると、100万円の売却益が非課税となるため、約20万円の税金を支払う必要がなくなります。

NISA制度を活用して非課税の恩恵を受けるためには、NISA口座内で株取引を行う必要があります。NISA制度には、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類あります。

このうち、株式投資に直接関係してくるのは、一般NISAです。一般NISAを活用して株式投資を行うと、年間120万円の範囲内で非課税の恩恵を受けられます。一般NISAの非課税期間は最長5年なので、非課税投資枠は最大600万円になります。

2-2 損益通算

損益通算とは、株式取引で発生した損失分を他の金融商品の取引で発生した利益から控除した上で課税所得や税額を算出できる仕組みのことです。

例えば、A株の取引で50万円の損失が出て、B株の取引で100万円の売却益が出た場合、B株の売却益100万円からA株の損失分50万円を差し引いた50万円を課税所得にすることが可能です。その結果、課税所得が少なくなるため、税金の支払いを抑えることができます。

損益通算によって税額を算出できるのは、売却益が出たときに発生する譲渡所得だけではありません。配当金を受領したときに発生する配当所得を算出する際にも、損益通算が適用されます。

ただし、NISA口座で取引を行っている株式の損失は損益通算の対象にできないため、その点は注意が必要です。

2-3 繰越控除

繰越控除とは、株式投資で発生した年間の損失分を翌年以降に繰り越した上で損益通算(=相殺)できる制度のことです。

例えば、初年度の株式投資の運用成績がトータル50万円のマイナスで、翌年の株式投資の運用成績がトータル50万円のプラスだった場合、初年度の50万円の損失分を翌年の50万円の利益と損益通算を行い、翌年の株式投資の利益をゼロとして扱うことができます。

なお、株式取引の損失分の繰越控除ができるのは、その翌年から3年間です。また、損益通算と同様、譲渡所得だけではなく、配当所得の算出の際にも繰越控除が適用されます。

2-4 配当控除

配当控除とは、配当所得に一定割合を乗じた額を税額から控除できる制度のことです。株式の配当金の場合、配当所得に10%を乗じた額が所得税額から控除されます。住民税額から控除される額は、配当所得に2.8%を乗じた額です。

例えば、保有している株式で1万円の配当金を受領する場合、配当控除によって所得税額から1,000円、住民税額から280円が控除されます。

なお、配当控除の適用を受けるためには、総合課税の方式を選択して税額を算出し、さらに確定申告をしなければなりません。

3 株式投資にかかる税金の確定申告

株式投資で税金がかかる場合、確定申告をした上で納税しなければならないケースもあります。株式投資の確定申告について見ていきましょう。

3-1 確定申告とは

確定申告とは、所得税の納税額を確定するための申告手続きのことです。各種所得税の納税額は、国側で判断して決定します。しかし、納税額の決定基準である各種所得は、納税者側からの申告がなければ、国側では把握できません。そのようなことから、納税者は所得税を納税する際に確定申告を行うことになっています。

確定申告の対象には譲渡所得や配当所得も含まれています。そのため、株式投資で税金がかかる場合、確定申告が必要になるケースが出てきます。

3-2 一般口座と特定口座

株式取引を行う証券口座の種類には、「一般口座」と「特定口座」の2つあります。さらに、特定口座の中でも「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2つに分けられます。詳しく見ていきましょう。

一般口座

一般口座とは、株式の取引をした場合、年間の取引損益を自身で計算しなければならない口座です。一般口座で株式取引をして利益が生じた場合、確定申告をしなければならないのが原則です。

ただし、給与所得を得ている会社員等で年収2,000万円以下かつ給与所得以外の合計収入が20万円未満であれば、確定申告をする必要はありません。また、一般口座で株式取引を行った際、年間の損益がマイナスとなったときも同様です。

一方、年間損益がマイナスの場合でも、譲渡損失や繰越損失の適用を受ける場合、確定申告が必要です。また、配当収入を得ているケースで、配当控除を受ける場合も確定申告をしなければなりません。

特定口座(源泉徴収あり)

特定口座とは、証券会社側で年間の取引損益を計算してもらえる口座です。このうち、売却益から発生する税金を証券会社側に支払ってもらえるのが、「源泉徴収あり」の口座です。

「源泉徴収あり」の特定口座で株式取引を行っている場合、損益がプラスかマイナスかを問わず、確定申告の義務はありません。ただし、譲渡損失・繰越損失・配当控除などの適用を受けるには、確定申告が必要になります。

特定口座(源泉徴収なし)

特定口座のうち、売却益から発生する税金の支払いは自身で行わなければならないのが、「源泉徴収なし」の口座になります。

「源泉徴収なし」の特定口座で株式取引を行っている場合、年間の損益がプラスのときは、原則として確定申告をしなければなりません。ただし、年間の取引損益は証券会社側で計算してもらえるため、この作業を自身で行う必要はありません。そのため、一般口座で株式取引を行った場合と比較して、確定申告をするときの手間は少なくなります。

また、他の口座と同様、譲渡損失・繰越損失・配当控除などの適用を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

3-3 確定申告の手順と必要書類

株式投資で税金がかかった場合、まずは確定申告の必要があるかの確認をします。もし、確定申告が必要な場合、税額の計算、申告書の作成、必要書類の収集を行った上で、申告手続きをします。確定申告は、納税対象年度の翌年の2月16日〜3月15日までの期間内に行うのが原則です。

また、株式投資でかかる税金の確定申告を行う場合、以下の書類が必要になります。

  • 確定申告書B(第一表、第二表)
  • 確定申告書(第三表・分離課税用)
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(分離課税の場合)
  • 取引報告書・取引残高報告書等(一般口座保有の方)
  • 所得税の確定申告書付表(繰越損失の適用を受ける場合)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)

まとめ

株式投資によって、売却益が発生したり、配当金を受領したりした場合、原則として税金がかかります。一方、NISA制度を活用したり、損益通算、繰越控除、配当控除などの適用を受けたりすることで、支払う税金を抑えることも可能です。

このように、株式投資では税金や確定申告に関する情報を知っていることで役に立つこともあるので、口座の種類や税制優遇措置はよく検討して活用することが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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