陸前高田市のNPO「SET」、活動10周年バースデードネーションを展開中。震災被災地から発信

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岩手県陸前高田市のNPO(特定非営利活動法人)SET(セット)は、活動10周年にあたる2021年、「SET10周年バースデードネーション!」を展開している。1年間を通じた特別プロジェクト「SET X(テン)」と連動した寄付活動で、目標金額は団体設立日の「3月13日」にちなんで31万3000円。5月28日現在、2万4241円の支援を得た。残り期間は289日。ドネーション(寄贈)という言葉は企業の貢献活動を説明する際に使用頻度が増えているが、金額や規模が大きいイメージがある。対して、約30万円を1年間かけて募るSETのドネーション、どんな目的が込められているのだろうか。

SETは陸前高田市の広田町を拠点に、住民とともに「まちづくり」と「ひとづくり」に取り組む。理事長の三井俊介氏は2011年3月に発生した東日本大震災の際にSETを設立、震災ボランティアとして活動し、卒業と同時に広田町に移住。15年には市議に立候補し、最年少で当選を果たした。「復興支援活動の過程で縁あって広田町に出会い、現在に至るまで、町に根付いて継続的な活動を続けている」と三井理事長。震災の津波で全域に被害を受けた広田町は「人口2995人(2020年3月31日現在)の漁師町。人、自然、食、伝統、文化など様々な魅力であふれている(三井理事長)」一方、課題先進地域でもある。少子高齢化や人口減少の問題が被災によって加速した。

しかし「私たちは広田町も直面している人口減少をネガティブには捉えていない。人口が減ることは、一人ひとりの存在価値や影響度が高まり、『できること』が増えていくことでもある」と三井理事長は主張する。町民一人ひとりが自分の可能性に気づき、「やりたい」が「できた」に変わる町に変化させていく「まちづくり」。そして自分らしく生きる人材を広く育てていく「ひとづくり」。震災直後の3月13日、徒手空拳で発足したSETは 13年6月に認証を経て法人化。市や他団体とも協力して16年に民泊の受け入れを開始。修学旅行用では約3000人以上の生徒が市を訪れた。

また、全国の大学生と町の住民が協業する1週間の地域おこし実践プログラムでは、これまでに学生300人以上が参加。これを契機に、同町に移住した人も少なくない。21年3月現在、正会員204名、賛助会員348名。

「私たちは広田町から日本のためにチャレンジを続けていく。震災から10年が経過し、これまでの経験を活かしてこれからはさらに陸前高田市全域、岩手県各地で活動を展開し、豊かな『社会づくり』を目指す」とSETは宣言する。

設立10周年。コロナ禍で活動が制限される中、ドネーションと特別プロジェクトをスタート。ドネーションの目標金額はNPO設立の3月13日に因んだ。寄付は、NPOへの寄付を集めるサービス「Syncable(シンカブル)」で募集中。また、株式会社ボーダレス・ジャパンが提供する電力サービス「ハチドリ電力」の支援団体のひとつに名を連ねている。ハチドリ電力は、再エネ指定の非化石証書を供給電力全量分購入することで実質的に「100%自然エネルギー由来」「CO2排出量ゼロ」の電気を販売している。さらに、電気代の1%を自分が選んだNPOやNGOに寄付できる。5月25日現在、応援できる団体数63、応援している人は3691人。直接の寄付は、GMOあおぞらネット銀行の口座(法人第二営業部、普通預金、口座番号1098266、口座名義 特定非営利活動法人SET)に振り込む。

SET Xという名称には「設立10周年、SET展、SETX〇〇」という意味を込めた。1年間を通した特別プロジェクト。「一人一人の『やりたい』を『できた』に変え、日本の未来に対して『Good』な『Change』が起こっている社会を創る」というミッションを体現していく。

「この10年の歩みに感謝しながら。次の10年に想いを馳せていく。ぜひ1年、ゆるりとお付き合いいただければ」。特設ページは、三井理事長のこんなメッセージで締めくくられている。

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