2017年から2018年にかけてiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者が急増しています。その背景には2017年1月に加入対象範囲が拡大され公務員や主婦(夫)も加入できるようになり、2016年12月までは月で6千人~7千人程度だった新規加入者が、2017年1月以降は平均で月3.8万人と5倍以上に急増し、現在の加入者数は約78万人にまで増えています。(iDeCoウェブサイト調べ)
節税メリットが多く、私的年金として期待が高まっているiDeCoですが、他の方法も併用することで節税対策や年金対策により取り組みやすくなります。そこで、この記事では、iDeCoに加入するメリットを整理した上で、併せて取り組むことができる節税対策や年金対策についてまとめていきたいと思います。
記事目次
- iDeCoとは?iDeCoに加入する3つのメリット
- ふるさと納税の併用で控除枠を最大限に活用
- 不動産投資にも所得控除あり、将来の年金対策も
iDeCoとは?iDeCoに加入する3つのメリット
iDeCoは、公的年金にプラスして、60歳以降に給付を受け取ることができる個人年金の一つです。60歳になるまで毎月の掛金を拠出して運用方法を選択し、将来の年金として積立をすることができます。これまでは、自営業の方や会社員の方だけに加入者が限られていましたが、2017年1月から主婦(夫)や公務員の方でも加入することができるようになり、公的年金制度に加入している60歳未満の方であれば誰でも加入をすることができるようになりました。
iDeCoに加入する3つのメリット
iDeCoに加入することで下記の3つの節税メリットを享受することができます。以下では、一つ一つ見ていくことにしましょう。
- 掛金が全額所得控除になる
- 運用益も非課税になる
- 受給時にも控除あり
メリット① 掛金が全額所得控除になる
iDeCoの掛金は全額が所得税(5%~45%:下表参照)と住民税(約10%)の控除の対象となります。たとえば、iDeCoの毎月の掛金が1万円の場合、所得税と住民税の控除額を合わせると、以下のように年間で1.8万円(課税所得が195万円以下の方)~6.6万円(計55%の場合)の節税効果があります。
計算例①:課税所得が195万円以下の方
月の掛金1万円×12ヶ月×(所得税5%+住民税10%)=節税額1.8万円
計算例②:課税所得が4,000万円超の方
月の掛金1万円×12ヶ月×(所得税45%+住民税10%)=節税額6.6万円
課税される所得金額 | 所得税の税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
※国税庁「所得税の税率」平成29年4月1日現在
メリット② 運用益も非課税になる
iDeCoの運用資産から生じた運用益(配当所得や売却益など)については非課税となり、再投資することができるというメリットがあります。そのため、マーケットの状況に応じて運用のポートフォリオ(運用資産の内訳)を再構成するといったことも柔軟に行うことができます。
メリット③ 受給時にも控除あり
iDeCoを受け取る際には、60歳~70歳までの間に「一時金」「年金」「一時金と年金の両方」の3ついずれかを選択できるのですが、いずれにしても税金の優遇が受けられます。一時金として受け取れば「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金控除」が受けられるため、所得税が安くなります。
iDeCoの掛金には下限と上限がある
このように、iDeCoは掛金が所得控除になる、運用益が非課税になる、受給時にも控除を受けることができる、ということで加入から受給まで節税メリットが大きいのですが、毎月の掛金には月額5,000円から気軽に始められる以外に、以下のように上限額があります。
雇用形態別の掛金上限額
- 会社員(企業年金なし)月2.3万円
- 会社員(企業型確定拠出年金のみ加入)月2万円
- 会社員(企業年金あり)月1.2万円
- 公務員 月1.2万円
- 専業主婦(夫) 月2.3万円
- 自営業者 月6.8万円
そのため、毎年の節税や老後の収入・資産づくりをもっと積極的に取り組みたいという方は、iDeCo以外に取り組みを検討していく必要があります
ふるさと納税の併用で控除枠を最大限に活用
iDeCoと併用して所得税や住民税の控除を受けられるのが「ふるさと納税」です。ふるさと納税は自治体を選んで寄附ができる制度で、多くの自治体で寄附に対する返礼品(各地の名産品や日用品など)が用意されています。ふるさと納税で納めた金額は、自己負担分の2,000円以上の金額が「寄附金控除」という扱いになるため、iDeCoとは別に控除を受けることが可能となります。
寄附金控除の上限額は?
寄附金控除の上限額は、所得や配偶者の有無などに応じて異なりますが、たとえば年収500万円で配偶者がいない方であれば、年間6.1万円まで控除を受けることができます。(総務省「ふるさと納税」ポータルサイトより)なお、iDeCoの掛金分は所得からの控除となるので、iDeCo加入者は寄附金の控除額もやや少なくなります。ご自分がいくらまで控除を受けることができるかについては、税理士に確認をされてみると良いでしょう。
不動産投資にも所得控除あり、将来の年金対策も
不動産投資も、iDeCoと併せて毎年の節税対策や老後の年金生活・資産形成に役立てることが可能です。不動産投資は、収益不動産を購入して入居者に貸し出すことで毎月数万円~数十万円の家賃収入が手元に入ってくるというもので、忙しい会社員・公務員の方の副業として人気があります。
家賃収入による利回りの相場は、都心の新築マンションで4%前後、都心の中古マンションであれば5%~6%となっています。
不動産所得は給与所得と通算可能
不動産投資のメリットの一つに、不動産所得は給与所得と通算できるという特長があります。たとえば、購入初年度の初期費用や建物の修繕費などにより、一時的に赤字が出た年には、給与所得から赤字分の金額を控除することができます。
また、不動産を活用した節税対策を考えるにあたっては、「減価償却費」という費用も非常に重要です。減価償却費は、経年による不動産の劣化を費用として毎年計上できるもので、物件の法定耐用年数(新築木造アパートで22年、新築RC造マンション47年)に応じて金額が算出されます。
また、中古物件については、以下のように耐用年数が算出され、築古物件になればなるほど減価償却のスピードが早くなります。
- 法定耐用年数以内:(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%=耐用年数
- 法定耐用年数超:4年
築古物件を購入することで、毎年の減価償却費用を大きくすることができるため、毎年の給与所得が多い方の節税対策として需要があります。
不動産投資の黒字でiDeCoの掛金を賄うことも可能
不動産の購入資金については、会社員・公務員という職業上の信用力を活かして金融機関からのローンで大半を賄うことができます。また、毎月の家賃収入をローンの返済に充てることで、自己資金の持ち出しを抑えて運用することができるため、不動産の購入から運用まで家計や貯蓄に大きな負担をかけずに取り組むことが可能です。
さらに、低い融資金利(1%~2%程度)でローンを借りることができれば、毎月の収支は数万円以上のプラスとなるため、不動産投資の黒字をiDeCoの掛金に充てるということも可能になります。
不動産投資は資産そのものにもなる
iDeCoやふるさと納税にはない不動産投資の特長として、不動産投資ではローンの返済が完了すれば、不動産という現物資産が手元に残るという点があります。iDeCoは現在の資産を将来に向けてこつこつと積み立てていくものとなりますが、不動産投資は資産自体を新たに形成する手段となるため、老後には不動産資産から毎月の家賃収入を年金のように受け取ることが可能となります。
「公的年金」+「iDeCoの給付」+「不動産の家賃収入」という3つの収入源を今から準備しておくことで、老後のセカンドライフをより安心なものにしていくことができます。
不動産投資で気をつけることやノウハウについて効率よく学ぶには?
不動産投資にはメリットも多いですが、気をつけなればいけないポイントもあります。不動産投資にあたってどのような注意点があるか、長期的な家賃収入を作っていくにはどうすれば良いかといったことについては、不動産投資のプロに直接話を聞いてみるのが早いでしょう。たとえば、ベルテックスという不動産投資会社では、買ってはいけない物件のポイントを学ぶことができる「初心者セミナー」や、融資が受けにくい今だからこそ、あなたが最大限有利に融資を受けるための「銀行融資セミナー」など、様々なテーマのセミナーを新宿で毎日開催しています。
セミナー後に資産づくりやライフプランニング、税金などに関して個別に相談をすることも可能です。ベルテックスでは、高性能なシミュレーションツールを導入し、税理士やCFPなどの資格保有者がコンサルとして在籍しているため、不動産投資に関する疑問や悩みだけでなく、iDeCoの積立で将来に受給できる金額やふるさと納税の上限額などが気になる方も、ぜひ足を運んで聞いてみることをおすすめします。
まとめ
iDeCoには大きな節税メリットがあり、所得税や運用益などでの控除を受けながら老後に向けて資産を積み立てることができますが、毎月の掛金には上限があります。ふるさと納税や不動産投資を賢く併用することで毎年の節税対策や老後の収入や資産形成づくりを進めることが重要ですので、まずはベルテックスのセミナーへ足を運んでみて下さい。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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