ベネズエラの仮想通貨ペトロによる資金調達は、米国のトランプ大統領がアメリカ市民のペトロ購入を禁止する計画を進めているため、脅威にさらされる可能性がある。3月19日、Bitcoinistが報じた。また、トランプ大統領はすでにSteven Mnuchin財務長官にこの禁止措置の実施に必要な規制手続きを指示したと報じられている。
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、2018年に13,000%に達すると予想される同国のハイパーインフレの対応策として、米ドルとユーロで購入できるペトロを開発した。ペトロは国家が発行する初の仮想通貨として大きく報じられた一方、米国のベネズエラに対する経済制裁を回避する方法という側面をもっていたことからその動向には多くの人々が注目をしていた。
この経済制裁は2017年8月、独裁体制を固めるマドゥロ政権による米国内での資金調達を断つ狙いで科されたものだ。これ以降にも、ベネズエラ政府当局者の米国内資産の凍結や米国内での取引を禁止している。ペトロに対しても「ベネズエラの人々の資源をさらに奪う一方、マドゥロ体制を支えるもう一つの試み」と位置付け、対抗姿勢を明確にしている。
米国のマイク・ペンス副大統領は米州機構のスピーチでこの状況にコメントをする予定で、同氏ののスポークスマンAlyssa Farah氏によると「ベネズエラが民主主義を取り戻し、同国で悪化する人道危機に取り組むために、マドゥロ政権への圧力を高めるよう加盟諸国に要請する」と説明した。トランプ大統領は来月、リマで米州首脳会議に出席する予定で、ベネズエラ政府の計画について議論する可能性は高い。
仮想通貨は中央銀行を介さずにピアツーピアでの決済を目的として誕生した。特定の管理者に頼ることなく価値交換ができる世界を作った仮想通貨は、同時に誰による介入をも受け付けないため、従来の経済システムの常識にとらわれることなくさまざまな混乱を招いている。ベネズエラによるペトロ発行の一連のニュースはいまだ仮想通貨が未成熟なもので、世界中でルール作りが追いついていないことの裏返しでもある。
トランプ米大統領のペトロ購入禁止令はベネズエラの独裁政権、ひいては仮想通貨市場にどのような影響を及ぼすのか。引き続き注目していきたい。
【参考記事】PRESIDENT TRUMP BANS US CITIZENS FROM BUYING VENEZUELA’S PETRO
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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