児童養護施設を支援する方法は?寄付やボランティア、主な団体も

児童養護施設は事情があり親と生活できない、親がいない子どもが養育されており2020年3月末時点で全国に612ヶ所、24539人の子どもたちが施設で暮らしています。

このような状況に対し、「児童養護施設で暮らす子どもを支援したい」「寄付やボランティアをしたい」という方は多いのではないでしょうか。

本記事では児童養護施設の現状と法改正について、主な支援団体・寄付先について解説していきます。

目次

  1. 児童養護施設の現状とは
    1-1.児童養護施設をめぐる法改正
  2. 児童養護施設を支援する方法と主な団体・寄付先4つ
    2-1.認定NPO法人ブリッジフォースマイル
    2-2.NPO法人チャイボラ
    2-3.NPO法人バディチーム
    2-4.首都圏若者サポートネットワーク
  3. まとめ

1.児童養護施設の現状とは

児童養護施設とは何らかの事情で親・保護者がいない、親や保護者と共に暮らす事が難しい児童の生活環境の整備、生活・学習指導、家庭環境の調整などを行いながら養育し、成長と自立を支援する施設です。

厚生労働省が2018年に行った「児童養護施設入所児童等調査の概要」によると、児童養護施設で暮らす児童の平均年齢は11.5歳で委託時の平均年齢は6.4歳となっています。

2020年3月末時点で、全国に612ヶ所の児童養護施設があり、24,539人の子ども達が施設で生活しています。

1-1.児童養護施設をめぐる法改正

2022年7月時点、児童養護施設は児童福祉法により入所できる時期は原則18歳までと定められています。一方で、「18歳まで」という年齢制限の見直しが厚生労働省で検討されています。

2022年2月には参議院で「児童福祉法の一部を改正する法律案」として「国及び地方公共団体は、家庭で育児・介護・日常生活上の世話などを過重に負担することで、学習などに支障がある児童の実態に関する調査を定期的に行う」旨の条文を付け加える法案を提出しました。(※参照:参議院「議案情報」)

該当する児童には福祉的又は教育的な支援の施策を講ずる事と「児童が満十八歳に達した後においても引き続き必要と認められるものを含む」と記されています。

また、このような児童養護の課題については施設側からも指摘されています。例えば、事業の発展と向上を目指し、全国の児童養護施設を取りまとめる「社会福祉法人全国児童養護施設協議会」のパンフレットでは、「大学進学を希望しながら経済的事情で断念せざるを得ない子どもたちは少なくない」ということが指摘されており、卒園後の子どもたちのケアが課題となっています。

2.児童養護施設を支援する方法と主な団体・寄付先4つ

児童養護施設を支援するには、支援団体への寄付やボランティア活動を通じて行う方法があります。寄付とボランティアのどちらを必要としているかは団体によっても異なるため、自身の行いたい支援の方法と支援したい領域に合わせて検討されてみると良いでしょう。

また、寄付やボランティアを行う際に注意したいのが、支援団体の信頼性です。中には寄付金の使途が不明な団体や、ボランティアと称して別の活動へ誘導する悪質な団体である可能性もあるため、活動内容や支援の方法などを調べ、慎重に検証することが大切です。

そこで以下では、児童養護施設の支援を行っている団体や、社会的養護(養育に大きな困難を抱える家庭への支援)を行う団体を4つ取り上げてご紹介します。各団体の特徴や支援方法について詳しく解説するので、ご参考ください。

2-1.認定NPO法人ブリッジフォースマイル

ブリッジフォースマイル認定NPO法人ブリッジフォースマイルは、何らかの事情で親を頼れない子ども達を支援する団体です。

一人暮らしの準備を手伝う「巣立ちプロジェクト」や奨学金支援プログラム、身近な理解者との居場所作りなどの活動を行っています。

寄付は継続(毎月)とスポット(単発)で受け付けており、継続寄付は1,000円から、スポット寄付は5,000円から可能です。遺贈による寄付や生活必需品の寄付、電気代の支払いによる寄付もできます。

ボランティアとしても支援が可能で、巣立ちプロジェクトや居場所作り事業のスタッフ、広報として広報誌の企画・編集、ホームページやSNSからの情報発信、WEBマーケティングなど、キャリアを活かしたプロボノとしても参加できます。

2-2.NPO法人チャイボラ

NPO法人チャイボラNPO法人チャイボラは、児童養護施設の職員が不足していることから職員の確保と定着をサポートする活動を行っています。

社会的養護総合情報サイト「チャボナビ」の運営や、施設見学会のサポート、大学への出張授業などによって児童養護施設で働くことについて広く情報を発信しています。

職員専用の相談窓口を設け、チャットで気軽に相談できる体制を整えています。

チャイボラへの寄付もスポット・継続があり、継続寄付は月1,000円から可能です。月額寄付会員になるとオリジナルグッズがもらえる、年に1回の交流会に参加できるなどの特典があります。適宜、ボランティアスタッフも募集されています。

2-3.NPO法人バディチーム

NPO法人バディチームバディチームは、都内の自治体と連携して生活援助を行い、家庭の孤立を防ぐ事業を行う団体です。

こどもが社会的養護に育つ背景には、親の心身の不調や産後うつ、子どもの病気や障がい、ひとり親世帯、経済的困窮などがあります。バディチームは、そういった家庭へ支援を行い、孤立を防ぐことを目的としています。

バディチームの具体的な活動内容としては、以下のようなものがあります。

  • 養育支援訪問事業
  • 食の支援事業
  • 里親家庭支援事業
  • 子育てパートナーの訪問
  • 託児

寄付はオンラインでクレジット決済、もしくは銀行振込にて1,000円以上から行うことができます。ボランティアスタッフも随時募集されており、子育てパートナーとして、学生から60代以上までの男女が、空いている時間帯を活かしてそれぞれの得意分野で活動に参加しています。

2-4.首都圏若者サポートネットワーク

首都圏若者サポートネットワーク首都圏若者サポートネットワークは、児童養護施設、里親家庭、若者サポートステーションを「社会的養護に育つこどもや社会的養護で育った若者の伴走者」ととらえ、東京、神奈川、埼玉の伴走者を対象とした基金を運営している団体です。

首都圏若者サポートネットワークでは、社会的養護に向けた支援活動として主に以下の活動を行っています。

  • 基金造成
  • 助成金給付
  • 就労・キャリア支援
  • 調査研究・政策提言

寄付の方法には、クレジットカード決済、銀行振込に加えて、ソフトバンクの「つながる募金」を選択することができます。その他、株式会社伊藤園との協力による「チャリティ自販機」の設置活動も行っています。

3.まとめ

児童養護施設は親や保護者と共に暮らす事が難しい児童を支援する施設です。2020年3月末時点、全国に612ヶ所の児童養護施設、24,539人の子ども達が施設で生活しており、社会的な課題として様々な支援が必要とされています。

児童福祉を行う団体は数多くありますが、寄付やボランティアを行ううえで重要なポイントが支援団体の信頼性です。団体の活動内容や実績などを確認し、慎重に検証してみましょう。

今回は児童養護施設の現状と主な支援団体、寄付先についてご紹介しました。この記事を参考に児童養護施設と現状について把握し、今後の活動に役立てていただければ幸いです。

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田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。