ふるさと納税の配送の環境負荷を軽減、さとふる「グリーン物流」のポイントや効果は?

※ このページには広告・PRが含まれています

ふるさと納税サイトである「さとふる」では、グリーン物流によって発送される返礼品を選択できます。グリーン物流とは、物流システムの改善によって物流段階における二酸化炭素排出量を削減する取り組みです。

本記事では、さとふるがグリーン物流に取り組む理由や実施におけるポイント、その効果について解説します。

目次

  1. グリーン物流とは
    1-1.「グリーン物流パートナーシップ会議」の概要
    1-2.グリーン物流に取り組む理由
  2. グリーン物流のポイントと効果
    2-1.ポイント
    2-2.効果
  3. まとめ

1.グリーン物流とは

さとふるでは、環境負荷を低減し、持続可能な物流システムに貢献することを目指し、一部の返礼品の配送においてグリーン物流の取り組みを実施しています。また、国土交通省などが主催する「グリーン物流パートナーシップ会議」に加入しています。

ここでは、「グリーン物流パートナーシップ会議」の概要と、さとふるがグリーン物流に取り組む理由を解説します。

1-1.「グリーン物流パートナーシップ会議」の概要

「グリーン物流パートナーシップ会議」は、国土交通省・経済産業省・日本物流団体連合会・日本ロジスティクスシステム協会が主催しています。物流分野における環境負荷の低減や物流の生産性向上などに向けた取り組みを浸透させるために、2005年4月に設立されました。

2006年度からはとくに顕著な功績があった取り組みに対し、表彰を行っています。さとふるは2022年度の「グリーン物流パートナーシップ会議 物流パートナーシップ優良事業者表彰」で特別賞を受賞しました。

2022年6月1日 時点で、3,306の企業・団体と、132の個人が登録しています。

1-2.グリーン物流に取り組む理由

さとふるがグリーン物流に取り組む理由は、地域事業者の負担を軽減するためです。

ふるさと納税による地域産品の需要が高まり、地域産業の発展につながっています。一方で、返礼品の配送において次のような課題が発生しています。

  • 生産活動の圧迫
  • リードタイム管理の課題
  • 輸送時の環境負荷

生産活動の圧迫

地域の事業者は自社工場などから寄付者に直接返礼品を発送しています。しかし、多くの地域事業者は労働力に制約があり、繁忙期などはとくに返礼品の発送業務が増えることで本来の生産活動が制限されているのが現状です。

リードタイム管理の課題

地域事業者には返礼品の発送業務に慣れていない方も多くいるため、寄付受付から発送までのリードタイム管理に課題が発生するケースも少なくありません。事業者によっては、寄付者の指定日・指定時間発送への対応も厳しい状態です。

輸送時の環境負荷

発送先が事業所や工場から遠方の場合、鮮度を維持するためにスピードを最優先しなければなりません。そのため、輸送方法に環境負荷が高い航空便を利用している事業者が多いです。

さとふるは、必ずしも地域事業者が労力を投じる必要がない煩雑な業務を代行することで、地域事業者が本来の業務に注力できる環境をつくってきました。これまでさとふるが目指し、取り組んできた「自治体や地域事業者が本来業務に集中できるこの環境づくり」のためには、返礼品の配送における課題を解決し、地域の負担を削減することが不可欠だと考えたことが、グリーン物流への取り組みをはじめた理由です。

2.グリーン物流のポイントと効果

さとふるは具体的にどのような取り組みを実施しているのでしょうか。ここでは、グリーン物流の実現におけるポイントと得られた効果について解説します。

2-1.ポイント

さとふるは、関東に独自の倉庫を設置し、新たな配送スキームを構築することで、北海道地域の一部の返礼品配送におけるグリーン物流を実現しています。

主なポイントは次の4つです。

  • 独自の物流倉庫を設置
  • 地域事業者が負担していた作業の代行
  • 貸し切り便の大型車による一括集荷
  • フェリーでの輸送を採用

独自の物流倉庫を設置

従来、寄付の受付後、地域事業者が地場の出荷場から寄付者へ直接発送していました。しかし、さとふる独自の倉庫を設置することで、複数の返礼品をさとふる倉庫で一時保管し、さとふる倉庫から発送できるようになりました。配達日や配達時間の指定にも対応し、保管施設不足の課題も解決しています。

地域事業者が負担していた作業の代行

さとふるが注文管理や在庫管理、伝票貼付作業などの業務の代行を請け負っています。

貸し切り便の大型車による一括集荷

個別に返礼品を集荷するのではなく、貸し切り便の大型車でまとめて集荷する物流体系を構築し、積載率の向上や輸送車台数の削減を実現しました。

フェリーでの輸送を採用

さとふる倉庫は寄付者が多い関東に設置しているため、寄付の受付から配達までのスピードをさとふる倉庫で管理できるようになり、北海道から本州までの配送においてスピードを重視する必要がなくなりました。これにより北海道から本州までの物流は、環境負荷の低いフェリー輸送への転換が可能になりました。

2-2.効果

さとふるのグリーン物流による主な効果は次の3つです。

  • 輸送における二酸化炭素排出量と排出率の削減
  • 寄付者の満足度向上
  • 地域事業者の生産活動に貢献

輸送における二酸化炭素排出量と排出率の削減

返礼品の一括集荷とフェリー輸送への転換により、環境負荷の低い物流へと変わりました。その結果、二酸化炭素排出量は年間120.8トン、排出率は50%削減しています。

寄付者の満足度向上

配達日や配達時間の指定ができるようになり、寄付者の満足度向上を実現しました。また、再配達率が低減しており、配達業者の負担軽減にも貢献しています。

地域事業者の生産活動に貢献

地域事業者の発送業務等を代行することで業務量の軽減につながり、地域事業者がより生産活動に注力できるようになりました。

4.まとめ

本記事では、さとふるのグリーン物流について解説をしました。イクラやサーモン、ホタテ、カニなど鮮度が重要な海産物などは、従来の物流体系では環境負荷が高い航空便で輸送していました。しかし、グリーン物流の一環として、さとふる独自の倉庫を設置することで、北海道から本州までの輸送手段を環境負荷の低いフェリー輸送への転換が可能になりました。

さとふる倉庫を設置したことで、さとふるが発送業務等を代行できるようになり、地域事業者が本来の生産活動に注力できるようになりました。また、配送日や配送時間の指定ができるようになったため、寄付者にとってもメリットがある取り組みといえるでしょう。

地域事業者を支援できるグリーン物流採用の返礼品を、ふるさと納税の選択肢の1つとして検討してみてください。

※記事内に掲載されている返礼品の情報は、記事執筆時点の情報となります。申込期限や在庫状況により、提供を終了している場合があります。 また、お礼品の寄付金額も変更している場合があります。詳しくはリンク先のお礼品ページをご確認ください。

The following two tabs change content below.

鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。