FXにかかる税金と確定申告の仕方は?FX初心者向けに解説

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FX初心者の方の中には、「FXの確定申告ってどうやればいいの?」とお悩みをお持ちの方も多いかもしれません。この場合、税金の仕組みを把握しておかなければ、余計な税金を納めたり、過少申告や最悪では脱税とみなされたりしてしまう可能性もあります。

そこで本記事では、FXにかかる税金や確定申告のやり方について詳しく紹介します。

目次

  1. FXにかかる税金と税額
    1-1.そもそも確定申告とは
  2. 確定申告が必要な方や必要でない方の判断基準
    2-1.給与所得者(サラリーマン等)の場合
    2-2.扶養に入っている専業主婦の場合
    2-3.フリーランスの場合は確定申告が必須
  3. 損失を出した際に確定申告を行うメリット
    3-1.最大3年間の繰越控除が受けられる(個人の場合)
    3-2.最大9年間の繰越控除が受けられる(法人の場合)
  4. 確定申告の仕方
  5. まとめ

1.FXにかかる税金と税額

FXで得た利益に対する税金は、「先物取引に係る雑所得等」として、申告分離課税の対象となります。税率は一律20,315%で、その内訳は所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0,315%となります(2020年6月時点 参照:国税庁)。

なお特別復興所得税は東日本大震災の復興を目的とした税金であり、2013年1月1日~2037年12月31日まで付加されることとなります。

FXで得た利益に対する税率は20,315%だと覚えておけば、基本的には差し支えありません。

1-1.そもそも確定申告とは

確定申告とは、毎年1月1日~12月31日までの1年間の所得にかかる税額(所得税・復興特別所得税)を計算したものを税務署に提出し、申告や納税を行う手続きのことです。

確定申告は、基本的には毎年2月16日~3月15日(土日に該当する場合は異なる)の期間に手続きをすることになります。この期間に間に合わない場合は、無申告加算税や延滞税が課せられる場合があるため、通常より多くの税金を納めることになり得ます。余分なお金を支払わないためにも、確定申告は遅れないようにしましょう。

2.確定申告が必要な方や必要でない方の判断基準

確定申告が必要な方の判断基準は、給与所得者かそうでないか、あるいは所得の額などに応じて様々に異なります。以下で、サラリーマンの方・主婦の方・フリーランスの方それぞれにおいて、確定申告が必要か必要でないかを詳しく紹介します。

2-1.給与所得者(サラリーマン等)の場合

年間給与収入(=額面収入)が2,000万円以下の給与所得者の場合、FXの利益が年間20万円以上であれば確定申告が必要です。なお、年間給与収入が2,000万円以上の場合は、FXを行っているかどうかに関わりなく確定申告を行う必要があります。

2-2.扶養に入っている専業主婦の場合

扶養に入っている専業主婦の場合は、FXの利益が年間38万円以上であれば確定申告が必要です。ただし、扶養に入っている専業主婦の方が、FXで年間38万円以上の利益を上げてしまうと、扶養から外れてしまい配偶者控除を受けられなくなってしまいます。

また、パートを行っている主婦の方は、「103万円」の壁に注意しなければなりません。パートの給与収入とFXの利益が年間で合計103万円を超えてしまうと、配偶者控除を受けられなくなります。しかし、パートを行っている主婦の場合には、配偶者特別控除というものがあり、FXで年間38万円以上の利益があっても、配偶者控除を受けることができる可能性があります(参照:国税庁)。

2-3.フリーランスの場合は確定申告が必須

給与所得以外の所得が毎年発生するフリーランス等の方の場合は、FXの利益の有無に関係なく確定申告を行う必要があります。

例えば、ある年の事業所得が200万円・FXの利益が20万円(経費および基礎控除以外の控除額差し引き後)とします。まず、事業所得から基礎控除48万円(合計所得2,400万円以下の場合。参照:国税庁)が引かれ、152万円の所得額となります。この152万円に対し所定の税率で所得税等が課されます。

そして、FXは申告分離課税となるため、20万円に対して20.315%の所得税等が課されることになります。確定申告時期には、課税所得152万円に対する所得税+復興特別所得税と、FXによる所得20万円に対する所得税+復興特別所得税の合計額を国へ納付することになります(住民税は後日、住民票を置く自治体から送られる納付書に基づき納付します)。

3.損失を出した際に確定申告を行うメリット

FXで損失を出した場合には確定申告の義務はありませんが、それでも確定申告を行う方が良い理由に、次の2つがあります。

  • 個人の場合は最大3年間損益通算が可能
  • 法人の場合は最大9年間損益通算が可能

それぞれ詳しく紹介します。

3-1.最大3年間の繰越控除が受けられる(個人の場合)

FXでは損失を出した際に確定申告をおこなえば、個人の場合最大3年間の繰越控除を受けることができます。繰越控除とは、その年の損失を控除しきれないときに、翌年以降にその損失を繰り越して利益から控除できる制度のことです。

例えば、1年目に100万円の損失を出し、確定申告を行います。2年目に100万円の利益を出しても、昨年の損失100万円が繰り越されるため、今年の100万円の利益に対する税金はかからないのです。個人の場合は3年間損失を繰り越せるため、損失が大きい場合は確定申告を行うと良いでしょう。

3-2.最大9年間の繰越控除が受けられる(法人の場合)

FXを法人で行っている場合は、最大9年間の繰越控除を受けることができます。

確定申告を提出する法人の事業年度開始の日前9年以内に開始した事業年度で青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額は、その各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入されます。平成28年度の税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額の繰越期間は10年とされています。
出典:国税庁

平成30年4月1日以降に事業を開始した場合は、最大10年間の損失を繰り越すことができます。法人の場合も確定申告を行っておくと良いでしょう。

4.確定申告の仕方

確定申告に必要な書類は、以下の通りです。

必要なもの 入手方法
源泉徴収票 勤務先で入手する
確定申告書 税務署や税務署のホームページから書式を入手し記入・押印する
一年間の損益が明記された書類 自分が使っているFX会社に問い合わせをする

上記の書類を全て揃えた上で、期間内に税務署に提出し、所得税および復興特別所得税を納付します。提出方法は、直接税務署に行って提出するほか、郵送や電子申告(e-Tax)も利用することができます。

なお上記以外にも、ふるさと納税や生命保険、医療費といった各種控除や、FX以外の雑所得がある場合などは、その証明書の添付および確定申告書への記入が必要になります。もし確定申告手続きに不安がある場合は、税務署員や税理士に確認を取るようにしましょう。

まとめ

FXの税金は先物取引に係る雑所得等に分類され、税率は申告分離課税で利益の額にかかわらず一律20,315%です。繰越控除も受けることができるため、損益の有無にかかわらずFXを行っているのであれば確定申告を行うようにしましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 FXチーム

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