ドル円が昨日、前回為替介入を行った145円台後半の水準を突破して146円台に突入しました。147円手前まで上昇し、ドル円を中心に円売りが強まる動きとなりクロス円は総じて上昇しています。
145円台後半で介入が入るかもしれないと考えていた方もいるかもしれませんが、今回146円台後半まで到達しても介入は入りませんでした。
鈴木財務相から口先での円安牽制発言は出ていましたがそれ以上の動きはなく、マーケットは介入を行わないことが分かっていたかのような動きとなっています。
上はが昨日のドル円の動きで、東京時間の午前中に前回の介入ラインを突破したことにより、ストップロスの買い(ショートカバー)が発生したことがチャートから分かります。その後は押し目という押し目もなくNY時間まで淡々と上昇しており、147円台手前まで上昇する動きとなりました。
下記は前回の介入時からのチャートをですが、ある程度意識されていた様子が下記のチャートからわかります。
ちょうど145.80-90付近で介入警戒感から市場も上を攻めたいけど攻めきれないという状態が続いていました。つまりこのラインでショートを構築している投資家が多かったということになります。
では、なぜ今回介入が起きなかったのかというと、「ボラティリティが小さいなかでの上昇だった」という点が挙げられます。あくまで為替介入というのは価格の水準を目的とするものではなく、「値動きの振れ幅を抑制するため」という点が目的とされています。
前回は過度な上昇のタイミングで介入でしたが、今回はジリ高の中上昇したため介入は行われなかったということです。
しかし現在の水準ではやはり苦しくなってくる企業も増えてくるため、ここからさらに上を試しにいく場合は為替介入が行われることになるでしょう。
そのため注意すべきは上昇ピッチが早くなりチャートの上昇する角度が急な角度で上昇した時というイメージを持ってもらえればと思います。
筆者は再度147円台後半まで1日くらいで上昇すれば行うのではないかと予想していますが、あくまで筆者の勝手な予想になりますので話半分で聞いてもらえればと思います。
今後のドル円は、本日のCPIを含めてアメリカの金融政策がさらにタカ派になるのか、そして物価上昇率が高止まりする可能性があるのかという点を確認しつつ、ドルは利上げ見通しが強まらなければ上値余地は乏しいと考えています。
中島 翔
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